末期肝硬変に対する治療に関する研究

文献情報

文献番号
200400678A
報告書区分
総括
研究課題名
末期肝硬変に対する治療に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
石井 裕正(慶應義塾大学医学部消化器内科)
研究分担者(所属機関)
  • 沖田 極(山口大学医学部消化器病態内科学)
  • 栗山 茂樹(香川大学医学部)
  • 小林 廉毅(東京大学大学院医学系研究科)
  • 鈴木 一幸(岩手医科大学第一内科)
  • 福井 博(奈良県立医科大学第三内科)
  • 幕内 博康(東海大学医学部外科)
  • 森脇 久隆(岐阜大学医学部臓器病態学講座消化器病態学分野)
  • 渡辺 哲(東海大学医学部基盤診療学科系)
  • 市田 隆文(順天堂大学医学部附属消化器内科)
  • 森實 敏夫(神奈川歯科大学付属病院内科)
  • 齋藤 英胤(慶應義塾大学医学部消化器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
16,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
末期肝硬変の治療に関して従来の治療法を見直し、将来の新たな治療の可能性を検討するとともに医療経済学的な評価を行なう.また肝硬変診療の標準化を目指し診療ガイドラインを作成する.
研究方法
従来の治療法の見直しと遺伝子治療などの新たな治療の開発につき分担して個別研究を行う.班全体としてガイドライン作成を目標とする.
結果と考察
末期肝硬変合併症の診断と治療の改善を目指して以下の結果を得た。
1.低アルブミン血症に対し分子鎖アミノ酸製剤の就寝前投与の有用性を示した。
2.肝性脳症との関連が注目される脳内でのBZ受容体結合能の変化をポジトロンCTにて解析することに成功した。
3.SBPの早期診断およびSBP予知に対する腹水中好中球エラスターゼ測定の有用性を示した。
4.肝硬変では肝細胞再生に抑制的な刺激が加わっており、この抑制刺激を解除することも新たな治療の候補として考えられた.
5.将来に向けた新たな治療法として線維素分解酵素を用いた遺伝子治療、骨髄幹細胞移植による肝不全治療、アンジオテンシンII受容体拮抗薬による線維化抑制などの新たな薬物療法の可能性を示した。
6.慢性肝炎、肝硬変の治療費の推定を行い、インターフェロン治療の費用対効果は他の一般的な生活習慣病治療と同等と考えられた。
7.診療ガイドライン作成を新たな方法にて作成中である.クリニカルクエスチョンを網羅的に設定し、それに対する網羅的文献検索にて必要十分でエビデンスレベルの高い文献を選択し、文献の一次選定まで実行できた.
結論
肝硬変診療における今後の新たな診断、治療法について明らかにした。肝硬変診療の標準化を目指し、診療ガイドライン作成中である。ガイドラインにより標準的診療と医療費の見直しが可能となり今後の肝硬変診療水準の向上と経済効果が期待できると考えられる.

公開日・更新日

公開日
2005-04-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200400678B
報告書区分
総合
研究課題名
末期肝硬変に対する治療に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
石井 裕正(慶應義塾大学医学部消化器内科)
研究分担者(所属機関)
  • 沖田 極(山口大学医学部消化器病態内科学)
  • 栗山 茂樹(香川大学医学部)
  • 小林 廉毅(東京大学大学院医学系研究科)
  • 鈴木 一幸(岩手医科大学第一内科)
  • 田中 紘一(京都大学大学院医学研究科)
  • 福井 博(奈良県立医科大学第三内科)
  • 幕内 博康(東海大学医学部外科)
  • 森脇 久隆(岐阜大学医学部臓器病態学講座消化器病態学分野)
  • 渡辺 哲(東海大学医学部基盤診療学科系)
  • 市田 隆文(順天堂大学医学部附属消化器内科)
  • 森實 敏夫(神奈川歯科大学付属病院内科)
  • 齋藤 英胤(慶應義塾大学医学部消化器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
末期肝硬変の治療に関して従来の治療法を見直し、将来の新たな治療の可能性を検討するとともに医療経済学的な評価を行なう.また肝硬変診療の標準化を目指し診療ガイドラインを作成する.
研究方法
従来の治療法の見直しと遺伝子治療などの新たな治療の開発につき分担して個別研究を行う.班全体としてガイドライン作成を目標とする.
結果と考察
末期肝硬変合併症の診断と治療の改善を目指して以下の結果を得た。1.低アルブミン血症、栄養状態の改善に対し分子鎖アミノ酸製剤の就寝前投与の有用性を示した。2.脳内におけるグルタミンーグルタミン酸の動態をMRIにて測定し、肝性脳症との関連を示した。また肝性脳症との関連が注目される脳内でのベンゾジアゼピン受容体結合能の変化をポジトロンCTにて解析し、その関連をモニターすることに成功した。3.特発性細菌性腹膜炎(SBP)の早期診断およびSBP発生予知に対するカルチャーボトル法および腹水中好中球エラスターゼ測定の有用性を示した。4.日本人の腹水に対する至適利尿剤投与量の決定に向けて臨床研究を遂行中である。5.食道静脈瘤に対する至適内視鏡治療法の検討するため内視鏡的硬化療法と結紮術の無作為比較試験による治療効果の検討を遂行中である。6.病態評価のために、非侵襲的弾性測定が肝生検に変わりうる診断能を持つ線維化測定装置であることを示した。7.将来に向けた新たな治療法として線維素分解酵素を用いた遺伝子治療、骨髄幹細胞移植による肝不全治療、アンジオテンシンII受容体拮抗薬による新たな薬物療法の可能性を示した。8.慢性肝炎、肝硬変の治療費の推定を行い、肝硬変治療のあり方を医療経済学的に検討した。9.診療ガイドライン作成を新たな方法にて作成中である.クリニカルクエスチョンを網羅的に設定し、それに対する網羅的文献検索にて必要十分でエビデンスレベルの高い文献を選択し、文献の一次選定まで実行できた.
結論
肝硬変診療におけるさまざま問題点と今後の新たな対策法について明らかにすることが出来た。今後肝硬変診療の標準化を目指し、診療ガイドライン作成中である。このガイドラインにより標準的診療と医療費の見直しが可能となり今後の肝硬変診療水準の向上と経済効果が期待できると考えられる.

公開日・更新日

公開日
2005-04-08
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-