C型肝炎への肝移植後の免疫抑制法に関する研究

文献情報

文献番号
200400672A
報告書区分
総括
研究課題名
C型肝炎への肝移植後の免疫抑制法に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
門田 守人(大阪大学大学院 医学系研究科病態制御外科)
研究分担者(所属機関)
  • 浅原 利正(広島大学大学院・先進医療開発科学講座外科学)
  • 市田 隆文(順天堂大学・医学部消化器内科)
  • 兼松 隆之(長崎大学・大学院医歯薬学総合研究科移植・消化器外科)
  • 北島 政樹(慶應義塾大学・医学部外科学教室)
  • 清澤 研道(信州大学・医学部第二内科)
  • 里見 進(東北大学・大学院医学系研究科外科病態学講座先進外科学分野)
  • 田中 紘一(京都大学・大学院医学研究科 移植・免疫医学講座)
  • 田中 紀章(岡山大学・大学院医歯学総合研究科 消化器・腫瘍外科)
  • 寺岡 慧(東京女子医科大学腎臓病総合医療センター・外科)
  • 畠山 勝義(新潟大学・大学院医歯学総合研究科消化器一般外科)
  • 藤原 研司(埼玉医科大学・第三内科)
  • 前原 喜彦(九州大学・大学院消化器・総合外科      )
  • 幕内 雅敏(東京大学・大学院医学系研究科 肝胆膵外科、人工臓器移植)
  • 真辺 忠夫(名古屋市立大学・大学院い 消化器・総合外科)
  • 宮川 眞一(信州大学・医学部外科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服緊急対策研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
31,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
C型ウイルス性肝硬変は肝移植の適応のうち多くを占めるが、肝移植後に高率に肝炎の再発が起こること、長期の観察では有意に生存率が低下することが報告されている。本研究の目的は日本人のC型肝硬変に最適の免疫抑制法を構築することであり、その成果は、本邦のC型肝硬変患者の移植後の長期予後を改善すると予測され、極めて有意義である。
研究方法
①分担研究施設をステロイド「有」と「無」の2群に分け移植後肝炎再発を比較する前向きのパイロット・スタディを行い、肝炎再発率を比較する(内科系の研究者によるウイルス学的検討も行う)。対象はC型肝炎ウイルスに起因する肝硬変に対して生体肝移植を施行する18歳以上の成人患者で、本研究を理解し同意を文書で得られた患者とする。主なエンドポイントは移植肝へのC型肝炎の再発率、及び拒絶反応の発生率とする。
②本邦多施設の過去のC型肝炎移植例に対する調査を続行し、長期予後の観点から、タクロリムスとシクロスポリンとの間で肝炎再発に差があるかの結論を得る。
結果と考察
「ステロイド「有」と「無」の2群に分け移植後肝炎再発を比較する前向きのパイロット・スタディ」に関しては、各分担研究施設でのIRB申請を指示した。3月10日現在、3例の症例登録があった。現在、症例登録および臨床データ解析中である。ステロイドを使用しない免疫抑制療法は欧米でこれまでに安全に施行できることなどが示されているが、成人間生体肝移植においての報告は皆無である。このことから、本研究ではまずステロイドを使用しない免疫抑制療法の安全性についてまず考察することとした。分担研究施設からは、ステロイドを使用しない免疫抑制療法をすでに試み、安全に施行できたとの報告もある。この結果から、RCT多施設共同比較試験を策定し、ステロイドを使用しない免疫抑制療法の有効性を研究する予定である。同時にカルシニューリン・インヒビターの工夫による最適な免疫抑制療法に関して研究中である。
結論
現在各分担施設においてステロイドを使用しない免疫抑制療法の前向きのパイロット・スタディを行っている。結果は現在症例集積および解析中であるが、この結果を基にランダマイズド・オープンラベル多施設共同比較試験を策定し、ステロイドを使用しない免疫抑制療法の有効性を研究する予定である。また同時にカルシニューリン・インヒビターの工夫による最適な免疫抑制療法に関して研究中である。

公開日・更新日

公開日
2005-06-27
更新日
-