多剤併用療法服薬の精神的、身体的負担軽減のための研究

文献情報

文献番号
200400635A
報告書区分
総括
研究課題名
多剤併用療法服薬の精神的、身体的負担軽減のための研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
白阪 琢磨(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター HIV/AIDS先端医療開発センター)
研究分担者(所属機関)
  • 池田 和子(国立国際医療センター エイズ治療・研究開発センター)
  • 小河原 光正(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター総合内科)
  • 桒原 健(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター薬剤科)
  • 上田 良弘(関西医科大学附属洛西ニュータウン病院内科)
  • 西澤 雅子(国立感染症研究所エイズ研究センター)
  • 山中 京子(大阪府立大学人間社会学部)
  • 越智 直哉(独立行政法人国立病院機構大阪医療センター精神神経科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
25,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
HAARTの治療効果を維持する為には、適切な治療と継続的服薬の実施が必須である。しかし、種々の精神的、身体的負担によって服薬が困難となり、治療の失敗や薬剤耐性HIVの出現が報告されている。HAARTを必要とする患者が適切で完璧な服薬を長期間遂行できる支援方法を検討する事が本研究の目的である。
研究方法
本研究では、構成を1)患者側要因、2)医療者側要因、3)服薬支援ツール開発とし、10の研究を行った。
結果と考察
①ケア支援:ACCでは服薬率低下例の11名が支援体制強化によって7名が経過良好となり、国立大阪医療センターでは、支援体制強化により服薬率低下例の3名中3名が経過良好となったが、自己中断の6名は改善しなかった。②副作用:HPを作成した。③心理支援:長期服薬により、閉塞感・制限感等が強まることが判明した。④精神的介入:アンケートを作成した。⑤HAART調査:在庫金額は総額\227,726,305、施設あたり\977,366、患者あたり\101,800であった。⑥服薬指導調査:派遣専門薬剤師による服薬指導は高い評価であったが、院内薬剤部から「外部派遣への違和感」、病院から「契約、身分保証、対価、プライバシー開示の範囲」等の問題が指摘された。⑦合併例HAART:HAART導入後に免疫再構築症候群による結核/非結核性抗酸菌症の増悪を経験した施設が20あった。⑧耐性検査:条件合致症例は51例であった。⑨HP開発:HPを作成した。⑩ツール開発:携帯E-mailとWEBを利用した服薬支援ツールを作成した。内服率低下例ではケア支援体制強化が有効であったが、自己中断例については、心理的支援の可能性が示唆された。抗HIV薬廃棄問題については対策が必要と考えられた。HPについては、副作用発現の頻度が高い抗HIV薬情報を平易に解説し提供することは、服薬を継続する上で重要であると考えられた。携帯E-mailとWEBを利用した服薬支援ツール等の開発は、今後も継続的に使用できる様な改良を加える事が必要と考えた。
結論
服薬には、身体的、心理・精神的負担があり、軽減のための支援が必要である事がわかった。携帯を用いた服薬支援ツールおよび情報提供の為のHPを開発したが、更なる研究の遂行が必要であり、次年度に解決策を提示する。

公開日・更新日

公開日
2005-06-08
更新日
-