アルコール依存症の社会復帰施設の実態把握と支援モデル構築に関する研究

文献情報

文献番号
200400543A
報告書区分
総括
研究課題名
アルコール依存症の社会復帰施設の実態把握と支援モデル構築に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
樋口 進(独立行政法人国立病院機構 久里浜アルコール症センター)
研究分担者(所属機関)
  • 橋本勝之(社団法人全日本断酒連盟)
  • 田所溢丕(社団法人全日本断酒連盟)
  • 谷畑健生(国立保健医療科学院疫学部)
  • 松下幸生(独立行政法人国立病院機構 久里浜アルコール症センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
6,300,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究はアルコール依存症(以下ア症)者の社会復帰に関する基礎資料の提供を主たる目的としている。研究結果を基に、最終的にア症者を対象とする社会復帰施設の在り方に関する提言を行う予定である。
研究方法
上記の目的を達成するために、以下のように複数の調査を研究期間内に実施する。
①ア症を対象とした社会復帰施設のリスト作成
都道府県および政令市の精神保健福祉センターに調査を実施した(平成15年度)。
②社会復帰施設を必要とするア症の基準策定
社会復帰施設を必要としないア症者群、通所施設を利用している群、入所施設を利用している群の3群、各々300名を目標にしてデータを収集中である。
③社会復帰施設および施設の利用者の現状に関する実態把握
この調査は、各施設の現状に関する調査およびその施設の利用者に対する調査からなり、上記①のリストをもとに平成17年度に調査を行う予定である。
④ア症者を対象とする社会復帰施設の必要数の推計
全国の精神科を標榜する医療機関に対して調査を行う。この調査により、上記基準を充たすア症者数を推計して最終的に社会復帰施設数の必要数を推計する。
⑤ア症者を対象とする社会復帰施設の在り方に関する提言
以上の調査を総合して提言を行う。提言作成に関する資料として、平成15年度から16年度にかけて実施した断酒会会員(N=10,882)に対する調査の解析を行った。
結果と考察
初年度の結果(調査毎)は以下の通りである(数字は上記項目に対応)。①ア症者を対象としている可能性のある社会復帰施設を全国で277施設同定した。②現在調査が進行している。③平成17年度に調査を実施する。④調査に必要な全国の医療機関リストを作成した。その結果、精神科診療所を2,570施設、精神科を標榜する病院を2,413施設同定した。⑤調査回収数は6,215 (回収率57%)であった。結果の分析から、通所の必要性は断酒期間とは必ずしも比例しないことが明らかとなった。また、作業所を利用したいと考えている断酒会員に対してその優先度を決めるための評価尺度の試案を作成した。
結論
今年度は初年度であるため具体的な成果は少なかった。しかし、アルコール関連の社会復帰施設、精神科診療所、精神科を標榜する病院のリストを作成することができた。

公開日・更新日

公開日
2005-05-16
更新日
-