障害者ケアマネジメント評価および技術研修に関する研究

文献情報

文献番号
200400538A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者ケアマネジメント評価および技術研修に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
野中 猛(日本福祉大学・社会福祉学部・保健福祉学科)
研究分担者(所属機関)
  • 西尾 雅明(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 門屋 充郎(社会福祉法人 帯広ケアセンター)
  • 坂本 洋一(和洋女子大学・家政学部・生活環境学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害保健福祉総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
2,184,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国でも、身体、知的、精神の各障害をもつ者に対するケアマネジメントが実施されようとしている。本研究は、良質なケアマネジメントを実施するために必要な技術研修に関して総合的に追求するものである。ケアマネジメントには体制と技術の側面があり、本研究は技術的な側面に焦点を当てるが、体制整備においても一助となろう。
研究方法
 第1研究のアウトカム評価研究では、サービスを受けている利用者とその家族、およびサービスを提供したケアマネジメント従事者を対象に、全国3カ所で94セットの評価を試行した。本調査では、6ヶ月の利用前後を比較してケアマネジメント効果に影響する要因を分析する予定である。
 第2研究の研修必修項目研究では、先行研究とデルファイ調査、および利用者からの聞き取り調査を経て項目を構成し、ケアマネジメント従事者459名にアンケート調査を実施した。
 第3研究の研修実態調査研究では、全国の都道府県および政令指定都市におけるケアマネジメント従事者研修および上級者研修に関するアンケート調査と、研修会受講生に対するアンケート調査を実施した。
結果と考察
 第1研究のアウトカム評価研究では、ケアマネジメント実践の断面調査を行ったことになる。利用者のQOLは国民平均よりも低いこと、ケアマネジメントサービスに満足していること、目標達成度について利用者と従事者との間に乖離があること、各評価尺度には一定の信頼性と障害種別を越えた有用性があることが明らかになった。
 第2研究の研修必修項目研究では、ケアマネジメント従事者の75%以上に必要性が求められた項目は、「障害者支援の体制」、「利用者主体・自己決定」、「インフォームドコンセント」等であったが、必要性が求められることが少なかった項目でも重要なものが含まれている。この結果を構造化した後に研修プログラム案を提示する予定である。
 第3研究の研修実態調査研究では、アンケート調査結果の概略が検討され、各地によって実施方法に違いが見られること、国の研修内容に強く影響を受けていること、受講生は概ね満足していることなどが明らかになった。
結論
 2年間研究の初年度中間報告であるが、わが国で実施されている障害者に対するケアマネジメントが一定の効果を有し、障害種別を越えたアウトカム評価研究が可能であることを示した。また、ケアマネジメント従事者研修会は全国で多様であるが、必修項目を明らかにすることによって研修プログラム案を提示する見通しが得られた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-