超急性期軽度低体温療法による重症脳障害患者の予後改善戦略と医療費評価-多施設無作為対照臨床研究

文献情報

文献番号
200401393A
報告書区分
総括
研究課題名
超急性期軽度低体温療法による重症脳障害患者の予後改善戦略と医療費評価-多施設無作為対照臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
前川 剛志(山口大学(医学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【若手医師・協力者活用に要する研究】医)
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
20,102,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)急性重症頭部外傷患者の受傷後超急性期に軽度低体温(32-34℃)療法を行えば、患者の予後が著明に改善される可能性が高く、これを多施設無作為対照臨床研究(RCT)で実施する.
2)高血圧治療において降圧薬の組み合わせ併用療法で、心血管イベント抑制効果をランダム化非マスク比較試験により評価した.
研究方法
1)重症頭部外傷患者を対象に40施設で実施し、36施設サイトビジットした.脳温など8項目で、1分毎のデータをコンピュータ処理し、研究の質を保証した.予後評価はグラスゴー・アウトカム・スケール(GOS)で、医療費評価は3施設で行った.
2)Site Management Organization(SMO)と連携して2700症例を目標に、全国約90のネットワーク、参加開業医約1000施設で推進した.外来高血圧症患者を対象に、カルシウム拮抗薬を基礎薬として、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、またはサイアザイド系利尿薬のどの組み合わせが,目標降圧値への達成度と脳心血管疾患の発症予防効果に優れているかを検討した.
結果と考察
1)平成17年3月末日までに109症例が登録された.平成16年10月15日までの95症例につき、データ解析委員会で中間解析し、独立モニタリング委員会にその結果を報告した.現時点で対照軽微低体温群と軽度低体温群間にGOS(3ヶ月後)、各種合併症の発生率ともに有意差を認めないとの報告を受けた.両群間でICU入室期間、直接経費、包括医療費ともに差がなかった.RCT担当医師がCertified Clinical Research Professional(CCRP)を得て本RCTが精密になっている.
2)わが国最初で信頼度と効率の良い、SMOを導入した地域ネットワークを構築した.平成17年3月27日現在666例の本登録を達成している.
結論
1)平成17年3月末日までに109症例が登録され、中間解析では両群間に有効性と合併症ともに有意差が認められていない.目標の300症例に到達すべく、本研究班員、CCRP医師により今後も研究を継続する.
2)治験コーディネーターによるデータ収集を行い、従来よりも質の高い臨床研究が可能となった.本臨床研究で構築される地域ネットワークが新たな大規模臨床研究の体制づくりに繋がる.

公開日・更新日

公開日
2005-06-02
更新日
-

文献情報

文献番号
200401393B
報告書区分
総合
研究課題名
超急性期軽度低体温療法による重症脳障害患者の予後改善戦略と医療費評価-多施設無作為対照臨床研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
前川 剛志(山口大学(医学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【若手医師・協力者活用に要する研究】医)
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
1)急性重症頭部外傷患者の受傷後超急性期に軽度低体温(32-34℃)療法を行えば、患者の予後が著明に改善される可能性が高く、これを多施設無作為対照臨床研究(RCT)で実施し、その結果を世界に向けて発信する。
2)高血圧治療において降圧薬の組み合わせ併用療法で、心血管イベント抑制効果をランダム化非マスク比較試験により評価した.
研究方法
1)重症頭部外傷患者を対象に大学病院医療情報ネットワークを利用して40施設で実施した。研究遂行のため36施設にサイトビジットした.脳温など8項目で、1分毎のデータをコンピュータ処理し、研究の質を保証した.予後評価はグラスゴー・アウトカム・スケール(GOS)で、医療費評価は3施設で行った.
2)降圧薬:Site Management Organization(SMO)と連携して2700症例を目標に、全国約90のネットワーク、参加開業医約1000施設で推進した.外来高血圧症患者を対象に、カルシウム拮抗薬を基礎薬として、アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬、β遮断薬、またはサイアザイド系利尿薬のどの組み合わせが目標降圧値への達成度と脳心血管疾患の発症予防効果に優れているかを検討した.
結果と考察
1)平成17年3月末日までに109症例が登録された.平成16年10月15日までの95症例につき、データ解析委員会で中間解析し、独立モニタリング委員会にその結果を報告した.現時点で対照軽微低体温群と軽度低体温群間にGOS(3ヶ月後)、各種合併症の発生率ともに有意差を認めないとの報告を受けた.両群間でICU入室期間、直接経費、包括医療費ともに差がなかった.RCT担当医師がCertified Clinical Research Professional(CCRP)を得て本RCTが精密になっている.
2)わが国最初で信頼度と効率の良い、SMOを導入した地域ネットワークを構築した.平成17年3月27日現在666例の本登録を達成している.
結論
1)平成17年3月末日までに109症例が登録され、中間解析では両群間に有効性と合併症ともに有意差が認められていない.目標の300症例に到達すべく、本研究班員、CCRP医師により今後も研究を継続する.
2)治験コーディネーターによるデータ収集を行い、従来よりも質の高い臨床研究が可能となった.本臨床研究で構築される地域ネットワークが新たな大規模臨床研究の体制づくりに繋がる.

公開日・更新日

公開日
2005-06-01
更新日
-