慢性心不全におけるβ遮断薬による治療法確立のための大規模臨床試験

文献情報

文献番号
200400514A
報告書区分
総括
研究課題名
慢性心不全におけるβ遮断薬による治療法確立のための大規模臨床試験
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
北畠 顕(北海道大学大学院 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小川 聡(慶應義塾大学医学部内科学)
  • 上松瀬 勝男 (駿河台日本大学病院循環器科)
  • 木之下 正彦(草津総合病院)
  • 白土 邦男(東北大学大学院医学系研究科内科病態学)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学)
  • 永井 良三(東京大学大学院医学系研究科器官病態内科学)
  • 堀 正二(大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学)
  • 山口 徹(虎の門病院)
  • 横山 光宏(神戸大学大学院医学系研究科循環呼吸器病態学)
  • 松﨑 益德(山口大学医学部器官制御医科学)
  • 丸山 幸夫(福島県立医科大学医学部内科学第一)
  • 山崎 力(東京大学大学院医学系研究科バイオインフォーマティクス)
  • 岡本 洋(北海道大学病院循環器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
20,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、心不全におけるβ遮断薬治療を取り上げ、日本人の特性に配慮したβ遮断薬の至適用量を確認し、さらに、至適用量における有効性の評価を行い、EBMに基づいた効率的、個別的治療方法を確立することにある。
研究方法
心不全領域においては、我が国で初めての医師主導による大規模臨床試験である。日本循環器学会関連施設約220施設からなる試験実施組織のインフラ・ストラクチュア整備に引き続き、平成16年度、目的遂行のため、医師主導による大規模臨床試験の試験研究の開始、参加施設・医師の登録業務を行った。公定書協会内の臨床データセンターに委託し、インターネットのWebサイトを開設し、登録画面の整備を行った。試験支援として北海道大学治験センター(中央IRB)、データマネージメント(臨床研究データセンター)、統計部門でのモニタリングと監査やSMOとの契約などインフラ・ストラクチュアの整備が行われた。
結果と考察
平成15年7月には全国施設会議を開き、試験開始が表明。その後平成16年2月までに、全国約200施設以上が参加表明、30施設は北大IRBを中央IRBとすることが了解され、50施設とは委託・受託書類を締結し、本試験に登録可能な状況となった。約130施設とは、契約締結し、登録作業を行なった。
結論
本研究は、心不全領域ではわが国初の医師主導による大規模臨床試験である。また、個別的テーラー・メイド医療確立のためにも重要な計画と認識される。薬剤を効率的にしかも個別的「テーラー・メイド」の治療展開を可能にするためには、日本人におけるβ遮断薬の至適用量を知り、治療効果判定に関する基準を確立すること、すなわち、我が国独自のEBMを展開することが医療上も、厚生労働行政の上でも重要と理解される。本試験の結果、日本人におけるβ遮断薬の使用方法、投与量についての情報が得られ、より安全で効率的な心不全治療が確立することが期待され、厚生労働行政の観点のみならず、実地医家の観点からも、さらには最終的には国民の保健・医療・福祉の向上に貢献することが大いに期待される。

公開日・更新日

公開日
2005-06-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200400514B
報告書区分
総合
研究課題名
慢性心不全におけるβ遮断薬による治療法確立のための大規模臨床試験
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
北畠 顕(北海道大学大学院 医学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小川 聡(慶應義塾大学医学部内科学)
  • 上松瀬 勝男(駿河台日本大学病院循環器科)
  • 木之下 正彦(草津総合病院)
  • 白土 邦男(東北大学大学院医学系研究科内科病態学)
  • 筒井 裕之(北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学)
  • 永井 良三(東京大学大学院医学系研究科器官病態内科学)
  • 堀 正二(大阪大学大学院医学系研究科病態情報内科学)
  • 山口 徹(虎の門病院)
  • 横山 光宏(神戸大学大学院医学系研究科循環呼吸器病態学)
  • 松﨑 益德(山口大学医学部器官制御医科学)
  • 丸山 幸夫(福島県立医科大学医学部内科学第一)
  • 山崎 力(東京大学大学院医学系研究科バイオインフォーマティクス)
  • 岡本 洋(北海道大学病院循環器内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患等総合研究【脳卒中・生活習慣病臨床研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、効果的医療技術の確立推進臨床研究事業の一環として、心不全におけるβ遮断薬治療を取り上げ、日本人の特性に配慮したβ遮断薬の至適用量を確認し、さらに、至適用量における有効性の評価を行い、EBMに基づいた効率的、個別的治療方法の確立を目的とした。
研究方法
J-CHF試験は心不全領域で我が国で初めての医師主導による大規模臨床試験である。インフラ・ストラクチュア整備のため、日本循環器学会、日本心不全学会の後援を得、全国28施設の地区代表施設(運営推進委員)、安全性評価委員会、イベント評価委員会、プロトコール作成委員会などの分担・責務を確定し、日本循環器学会関連施設約220施設の試験実施組織を整備。公定書協会内の臨床データセンターに委託し、インターネットのWebサイトを開設し、登録画面の整備を行う。試験支援として北海道大学治験センター(中央IRB)、データマネージメント(臨床研究データセンター)、統計部門でのモニタリングと監査やSMOとの契約などの整備が行われた。
結果と考察
平成15年7月には全国施設会議を開き、試験開始を表明。その後平成16年2月までに、全国約220施設以上が参加表明、30施設は北大を中央IRBとすることが了解され、50施設とは委託・受託書類を締結し、本試験に登録可能な状況となった。平成16年7月第3回全国施設会議を開催し、目的遂行のため、医師主導による大規模臨床試験の登録業務を継続して行った。10月にはイベント発生数が予測値を下回り、試験計画の見直しのため第3回運営推進委員会を開催、試験期間の延長と試験計画の改訂が決められた。その結果、平成16年12月第2回プロトコール委員会を開催し具体的な試験計画の改訂が進められた。平成17年3月第4回全国施設会議にて改定計画書が了承された。平成17年3月の段階で、参加表明施設:222施設、症例登録可能施設:183施設、症例登録数:181(76施設)との進捗状況。イベントは、心不全悪化:4例、心血管系の原因による入院:1例、その他の原因による入院:6例計11例で発生したが、死亡例は認めらていない。
結論
本試験の結果、日本人におけるβ遮断薬の使用方法、投与量についての情報が得られ、より安全で効率的な心不全治療が確立することが期待され、厚生労働行政の観点のみならず、実地医家の観点からも、さらには最終的には国民の保健・医療・福祉の向上に貢献することが大いに期待される。

公開日・更新日

公開日
2005-06-20
更新日
-