高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200401353A
報告書区分
総括
研究課題名
高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
尾崎 敏文(岡山大学(医学部・歯学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 国定 俊之(岡山大学(医学部・歯学部附属病院))
  • 中田 英二(岡山大学(医学部・歯学部附属病院))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
17,541,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
四肢に発生する高悪性度非円形軟部肉腫に対する標準的治療は未だ確立されていない。様々な化学療法が試みられているが、大規模比較試験によって有効性が証明された治療法は存在しない。本研究は、四肢に発生する高悪性度非円形軟部肉腫に対する標準的治療法を確立することを目的とする。


研究方法
ADM+IFO併用術前術後化学療法の有効性と安全性を第Ⅱ相試験により評価し、十分な有効性と安全性が示された場合、手術単独療法とのランダム化第Ⅲ相試験の実施を検討する。さらに、比較競合ハイブリダイゼーション(CGH)でコピー数が増加もしくは減少する遺伝子を同定したり、予後に相関するSNPsの同定を目指した。


結果と考察
本研究に関与する医療従事者を対象として毎月ミーティングが開いた。画像診断や術前化学療法の効果に関する画像評価、化学療法患者の世話、副作用対策や輸液方法の助言、手術を行った。基準をみたした症例は平成15年度、平成16年度ともなかったが、平成17年2月に基準の改正があり、治験倫理委員会に書類を提出し、承認された。また、CGHを用いた遺伝子解析にて、軟骨肉腫や、良性骨腫瘍おいて、コピー数が増加もしくは減少する遺伝子が同定された。高悪性度骨軟部肉腫患者110人についてFibroblast growth factor receptor4 (FGFR4)のcodon 388のSNPと予後を検討したその結果、codon388のSNPと予後に相関が認められた。


結論
非円形細胞肉腫に対する化学療法の有効性は示されておらず、標準的治療法は世界的にも確立されていない。今回の研究により、ADM+IFO併用術前術後化学療法の有効性と安全性が示された場合、手術単独療法とのランダム化第Ⅲ相試験の実施を検討する。本疾患に対する標準的治療法を確立することは、極めて意義の深いことと考えられる。SNPsは易罹患性や薬剤耐性など個人差を修飾する遺伝子の差異として注目され研究が進んでおり、FGFR4のcodon 388のSNP予後に相関が認められたことは意義深い。今後得られた結果を症例の臨床経過と比較検討することで、高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準的治療法の確立の助けになると考える。

公開日・更新日

公開日
2005-07-01
更新日
-

文献情報

文献番号
200401353B
報告書区分
総合
研究課題名
高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
尾崎 敏文(岡山大学(医学部・歯学部附属病院))
研究分担者(所属機関)
  • 国定 俊之(岡山大学(医学部・歯学部附属病院))
  • 中田 英二(岡山大学(医学部・歯学部附属病院))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究【若手医師・協力者活用等に要する研究】
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
四肢に発生する高悪性度非円形軟部肉腫に対する標準的治療は未だ確立されていない。様々な化学療法が試みられているが、大規模比較試験によって有効性が証明された治療法は存在しない。本研究は、四肢に発生する高悪性度非円形軟部肉腫に対する標準的治療法を確立することを目的とする。


研究方法
ADM+IFO併用術前術後化学療法の有効性と安全性を第Ⅱ相試験により評価し、十分な有効性と安全性が示された場合、手術単独療法とのランダム化第Ⅲ相試験の実施を検討する。さらに、比較競合ハイブリダイゼーション(CGH)でコピー数が増加もしくは減少する遺伝子を同定したり、予後に相関するSNPsの同定を目指した。

結果と考察
本研究に関与する医療従事者を対象として毎月ミーティングが開いた。画像診断や術前化学療法の効果に関する画像評価、化学療法患者の世話、副作用対策や輸液方法の助言、手術を行った。基準をみたした症例は平成15年度、平成16年度ともなかったが、平成17年2月に基準の改正があり、治験倫理委員会に書類を提出し、承認された。また、CGHを用いた遺伝子解析にて、軟骨肉腫や、良性骨腫瘍おいて、コピー数が増加もしくは減少する遺伝子が同定された。高悪性度骨軟部肉腫患者110人についてFibroblast growth factor receptor4 (FGFR4)のcodon 388のSNPと予後を検討したその結果、codon388のSNPと予後に相関が認められた。

結論
非円形細胞肉腫に対する化学療法の有効性は示されておらず、標準的治療法は世界的にも確立されていない。今回の研究により、ADM+IFO併用術前術後化学療法の有効性と安全性が示された場合、手術単独療法とのランダム化第Ⅲ相試験の実施を検討する。本疾患に対する標準的治療法を確立することは、極めて意義の深いことと考えられる。SNPsは易罹患性や薬剤耐性など個人差を修飾する遺伝子の差異として注目され研究が進んでおり、FGFR4のcodon 388のSNP予後に相関が認められたことは意義深い。今後得られた結果を症例の臨床経過と比較検討することで、高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準的治療法の確立の助けになると考える。

公開日・更新日

公開日
2005-07-01
更新日
-