悪性脳腫瘍の標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200400475A
報告書区分
総括
研究課題名
悪性脳腫瘍の標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
渋井 壮一郎(国立がんセンター中央病院(第二領域外来部 脳神経外科))
研究分担者(所属機関)
  • 淺井 昭雄(埼玉医科大学総合医療センター(脳神経外科))
  • 嘉山 孝正(山形大学(脳神経外科))
  • 隈部 俊宏(東北大学(脳神経外科))
  • 河内 正人(三愛病院(脳神経外科))
  • 澤村  豊(北海道大学(脳神経外科))
  • 高橋 英明(新潟大学(脳神経外科))
  • 田中 克之(聖マリアンナ医科大学(脳神経外科))
  • 藤堂 具紀(東京大学(脳神経外科))
  • 永根 基雄(杏林大学(脳神経外科))
  • 西川  亮(埼玉医科大学(脳神経外科))
  • 藤巻 高光(帝京大学(脳神経外科))
  • 村垣 善浩(東京女子医科大学(脳神経外科))
  • 矢崎 貴仁(慶応義塾大学(脳神経外科))
  • 角 美奈子(国立がんセンター中央病院(放射線治療部))
  • 神田 善伸(東京大学(無菌治療部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在なお治療困難な悪性脳腫瘍に対し、新しい観点からの有効な治療法を開発し、標準的治療として確立することを目的とする。
研究方法
1) 111In-Pentetreotideによる脳腫瘍の診断・治療について:ソマトスタチン(SS)の誘導体を利用した脳腫瘍の診断および治療について検討するため、111In標識のSS誘導体111In-Pentetreotideを用いたSPECT結果とSS受容体の免疫組織化学的染色結果を比較する。各種脳腫瘍の診断方法として本法の信頼性を確認後、より高線量の放射性同位元素で標識したPentetreotideを用いた治療について検討する。
2) ProcarbazineによるO6-methylguanine-DNA methyltransferase (MGMT)枯渇化を利用した悪性神経膠腫に対する化学療法について:悪性神経膠腫の治療薬として、ひろく用いられているACNUに対する耐性機構であるMGMTを低下させるため、ACNUに先立ってprocarbazineを投与する治療計画を立て、ACNU単剤による治療との比較試験のための第II-III相試験プロトコールを作成し、登録を開始した。
結果と考察
1)予備実験として行った免疫組織化学的染色では、30?50%の脳腫瘍でSS受容体が陽性であり、本法による診断・治療の可能性を示唆した。各種脳腫瘍を対象とした診断のプロトコールを作成し、本試薬の認可を待って実施できる体制を整えた。診断法としての有用性を確認した後、より高線量の放射性同位元素を標識したSS誘導体を用いた脳腫瘍に対する特異的な治療が可能となると考えられる。
2)ProcarbazineおよびACNUによる本臨床研究は、平成16年3月にJCOG 0305プロトコール「星細胞腫 Grade3・4に対する放射線化学療法としてのACNU単独療法とProcarbazine+ACNU併用療法とのランダム化第II/III相試験」として承認され、第II相段階の登録が開始された。5年間で310例の症例の集積を見込んでおり、さらに2年間の追跡期間を設け、第III相試験としての解析を行う予定である。なお、平成17年3月の段階で36例の症例が登録されている。
結論
ソマトスタチン誘導体を用いた診断および治療は、脳腫瘍に対する特異的治療としてその効果が期待される。また、JCOG 0305プロトコールによる臨床研究結果は、国内における悪性神経膠腫の標準治療確立に寄与するものと期待できる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

文献情報

文献番号
200400475B
報告書区分
総合
研究課題名
悪性脳腫瘍の標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
渋井 壮一郎(国立がんセンター中央病院(第二領域外来部 脳神経外科))
研究分担者(所属機関)
  • 淺井 昭雄(埼玉医科大学総合医療センター(脳神経外科))
  • 嘉山 孝正(山形大学(脳神経外科))
  • 隈部 俊宏(東北大学(脳神経外科))
  • 河内 正人(三愛病院(脳神経外科))
  • 澤村  豊(北海道大学(脳神経外科))
  • 高橋 英明(新潟大学(脳神経外科))
  • 田中 克之(聖マリアンナ医科大学(脳神経外科))
  • 藤堂 具紀(東京大学(脳神経外科))
  • 永根 基雄(杏林大学(脳神経外科))
  • 西川  亮(埼玉医科大学(脳神経外科))
  • 藤巻 高光(帝京大学(脳神経外科))
  • 村垣 善浩(東京女子医科大学(脳神経外科))
  • 矢崎 貴仁(慶応義塾大学(脳神経外科))
  • 角 美奈子(国立がんセンター中央病院(放射線治療部))
  • 神田 善伸(東京大学(無菌治療部))
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
現在なお治療困難な悪性脳腫瘍に対し、新しい観点からの有効な治療法を開発し、標準的治療として確立することを目的とする。
研究方法
1) 111In-Pentetreotideによる脳腫瘍の診断・治療について:ソマトスタチン(SS)誘導体111In-Pentetreotide静注後のSPECT結果をSS受容体の免疫組織化学的染色結果と比較し、脳腫瘍の診断への可能性を調べる。さらに、より高線量の放射性同位元素で標識し、治療への応用について検討する。
2) ProcarbazineによるO6-methylguanine-DNA methyltransferase (MGMT)枯渇化を利用した悪性神経膠腫に対する化学療法について:悪性神経膠腫の治療薬として、ひろく用いられているACNUに対する耐性機構であるMGMTを低下させるため、ACNUに先立ってprocarbazineを投与する治療計画を立て、ACNU単剤による治療との比較試験のための第II-III相試験を開始した。
結果と考察
1) 各種脳腫瘍に対する免疫組織化学的染色では、30?50%でSS受容体が陽性であり、本法による診断・治療の可能性を示唆した。脳腫瘍診断のためのプロトコールを作成し、本試薬の認可を待って実施できる体制を整えた。さらに、より高線量の放射性同位元素を標識したSS誘導体を用いた脳腫瘍に対する特異的な治療について検討する。
2)ProcarbazineおよびACNUによる本臨床研究は、JCOG 0305プロトコール「星細胞腫 Grade3・4に対する放射線化学療法としてのACNU単独療法とProcarbazine+ACNU併用療法とのランダム化第II/III相試験」として承認され、平成16年3月に第II相段階の多施設共同試験が開始され、17年3月までに36例が登録された。5年間で310例の症例の集積を見込んでおり、さらに2年間の追跡期間を設け、第III相試験としての解析を行う予定である。
結論
ソマトスタチン誘導体を用いた診断および治療は、脳腫瘍に対する特異的治療としてその効果が期待される。また、JCOG 0305プロトコールによる臨床研究結果は、国内における悪性神経膠腫の標準治療確立に寄与するものと期待できる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-