頭頚部がんのリンパ節転移に対する標準的治療法の確立に関する研究

文献情報

文献番号
200400471A
報告書区分
総括
研究課題名
頭頚部がんのリンパ節転移に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
斉川 雅久(国立がんセンター東病院 外来部頭頚科)
研究分担者(所属機関)
  • 岸本 誠司(東京医科歯科大学 頭頚部外科)
  • 丹生 健一(神戸大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉・頭頚部外科)
  • 中島 格(久留米大学 医学部 耳鼻咽喉科)
  • 西條 茂(宮城県立がんセンター 耳鼻咽喉科)
  • 吉積 隆(群馬県立がんセンター 頭頚部外科)
  • 西嶌 渡(埼玉県立がんセンター 頭頚部外科)
  • 川端 一嘉(癌研究会附属病院 頭頚科)
  • 大山 和一郎(国立がんセンター中央病院 外来部頭頚科)
  • 長谷川 泰久(愛知県がんセンター 頭頚部外科)
  • 藤井 隆(大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科)
  • 冨田 吉信(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 耳鼻咽喉科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
24,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
頭頚部がんのリンパ節転移に対する最も一般的な治療法は機能温存に主眼をおく頚部郭清術(機能温存術)である。しかし機能温存術には多くの術式が存在し、各術式の名称や適応、頚部リンパ節切除範囲、切除する非リンパ組織の種類などには大きな混乱が見られる。本研究の目的は、頚部郭清術に関するこれらの混乱を統一し施設差を解消することである。
研究方法
1)頚部郭清術の手術術式の均一化(ある施設の頚部郭清術を他施設の医師が直接見学調査することにより、頚部リンパ節切除範囲や切除する非リンパ組織の種類など術式の細部に関して均一化を図る)、2)頚部郭清術に関するガイドラインの作成、3)頚部郭清術に関する名称の統一、4)頚部郭清術の術後後遺症に関する調査、5)頚部郭清術の術後補助療法に関する検討、以上により頚部郭清術の標準化を目指す。
結果と考察
1)術式均一化に関する前向き研究について20施設中19施設の承認を得て見学調査を継続し、97例を登録した。調査票の10項目で施設差の存在が疑われたため、デルファイ法による意見の収れんを試みた。今後症例数を増やすとともに施設差の検討を繰り返し、術式均一化を推し進める予定である。2)中咽頭がんの頚部リンパ節転移に対する治療ガイドライン案を作成した。3)本研究班で考案した頚部郭清術の分類と名称に関する試案について学会発表を行い、学会誌に論文を投稿した。今後さらに普及活動を続けていく予定である。4)本研究班で考案した術後機能評価表を用いて術後後遺症の長期的経過観察を行う前向き研究について、4施設中3施設の承認を得て研究を開始し、115例を登録した。5)過去の術後補助療法実施例を検討したところ、照射単独あるいは化療単独では効果の薄いことがわかった。そこで化学放射線同時併用療法に注目し、頚部郭清術の術後補助療法としての化学放射線同時併用療法に関する第一相試験について研究計画書の作成を開始した。
本研究協力施設はわが国を代表する施設であり、本研究によりこれらの施設における術式の細部等が標準化されれば、その結果としてわが国における頚部郭清術全体のレベルが向上すると期待される。
結論
術式均一化に関する前向き研究において見学調査を順調に進め、施設差の検討を行った。中咽頭がんの頚部リンパ節転移に対する治療ガイドライン案を作成した。術後後遺症の長期的経過観察を行う前向き研究を開始した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-04
更新日
-

文献情報

文献番号
200400471B
報告書区分
総合
研究課題名
頭頚部がんのリンパ節転移に対する標準的治療法の確立に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
斉川 雅久(国立がんセンター東病院 外来部頭頚科)
研究分担者(所属機関)
  • 岸本 誠司(東京医科歯科大学 頭頚部外科)
  • 丹生 健一(神戸大学大学院医学系研究科 耳鼻咽喉・頭頚部外科)
  • 中島 格(久留米大学 医学部 耳鼻咽喉科)
  • 西條 茂(宮城県立がんセンター 耳鼻咽喉科)
  • 吉積 隆(群馬県立がんセンター 頭頚部外科)
  • 西嶌 渡(埼玉県立がんセンター 頭頚部外科)
  • 川端 一嘉(癌研究会附属病院 頭頚科)
  • 大山 和一郎(国立がんセンター中央病院 外来部頭頚科)
  • 長谷川 泰久(愛知県がんセンター 頭頚部外科)
  • 藤井 隆(大阪府立成人病センター 耳鼻咽喉科)
  • 冨田 吉信(独立行政法人国立病院機構九州がんセンター 耳鼻咽喉科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 がん臨床研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
頭頚部がんのリンパ節転移に対する最も一般的な治療法は機能温存に主眼をおく頚部郭清術(機能温存術)である。しかし機能温存術には多くの術式が存在し、各術式の名称や適応、頚部リンパ節切除範囲、切除する非リンパ組織の種類などには大きな混乱が見られる。本研究の目的は、頚部郭清術に関するこれらの混乱を統一し施設差を解消することである。
研究方法
1)手術術式の均一化(ある施設の頚部郭清術を他施設の医師が直接見学調査することにより、頚部リンパ節切除範囲や切除する非リンパ組織の種類など術式の細部に関して均一化を図る)、2)ガイドラインの作成、3)頚部郭清術に関する名称の統一、4)術後後遺症に関する調査、5)術後補助療法に関する検討、以上により頚部郭清術の標準化を目指す。
結果と考察
1)術式均一化に関する前向き研究について20施設中19施設の承認を得て見学調査を開始し、97例を登録した。調査票の10項目で施設差の存在が疑われたため、これらの項目についてデルファイ法による意見の収れんを試みた。2)厚生労働省がん研究助成金岸本班の前向き研究の結果に基づき、舌がん、下咽頭がん、声門上がん、および中咽頭がんの頚部リンパ節転移に対する治療ガイドライン案を作成した。3)頚部郭清術式に関する新たな分類と名称統一案(頚部郭清術の分類と名称に関する試案)を考案した。試案の普及を図るため小冊子の配布、学会発表、および学会誌への論文投稿を行った。4)頚部郭清術の術後後遺症については標準的な評価法が確立していないため、新たな術後機能評価表を考案した。新評価表を用いて術後後遺症の長期的経過観察を行う前向き研究を計画し、4施設中3施設の承認を得て研究を開始した。5)過去の術後補助療法実施例を検討したところ、照射単独あるいは化療単独では効果の薄いことがわかった。そこで化学放射線同時併用療法に注目し、頚部郭清術の術後補助療法としての化学放射線同時併用療法に関する第一相試験を立案して、研究計画書の作成を開始した。
今後さらに研究を進めることにより、頚部郭清術各術式の名称、適応、術式の細部などに関する標準化が一段と進み、その結果としてわが国における頚部郭清術全体のレベルが向上すると期待される。
結論
術式均一化に関する前向き研究を始め、頚部郭清術の標準化に関する5項目の研究を進めた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-