がん予防に有用な情報基盤整備に関する研究

文献情報

文献番号
200400442A
報告書区分
総括
研究課題名
がん予防に有用な情報基盤整備に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小山 博史(東京大学大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 大江和彦(東京大学大学院医学系研究科)
  • 児玉安司(東京大学大学院医学系研究科)
  • 小野木雄三(東京大学大学院医学系研究科)
  • 若尾文彦(国立がんセンター中央病院)
  • 山本精一郎(国立がんセンター研究所)
  • 日紫喜光良(産業技術総合研究所)
  • 小出大介(東京大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 第3次対がん総合戦略研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成17(2005)年度
研究費
38,280,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
がんの1次予防を支援するためのがん予防に関する網羅的情報検索、収集、解析、統計等の情報提供に必要なGrid技術等を用いた情報基盤の開発、がん予防薬剤・食品等のエビデンスの公開、3次予防を支援するためのゲノム関連情報等を用いたがんのハイリスク群の抽出と早期予防介入のための医療情報処理基盤技術の開発。
研究方法
がん予防に関する知識収集のための検索用オントロジー構築を目指したSNOMED-CTとUMLSのSemantic Network利用可能性の検討。がん予防薬とその代謝酵素の関連性の高い表現抽出を目的とした共起の網羅的収集技術開発。病院情報システムと放射線診断レポートからのがん予防関連情報抽出に関する調査研究。がん予防薬の臨床試験支援用情報システムの機能仕様に関する調査研究。がん予防薬のSNP情報と薬物動態を加味した個別最適化モデルに関する調査研究。一般向け個別最適化がん予防情報提供技術開発と社会医学的考察に関する調査研究。
結果と考察
SNOMED-CTのサブセットである物質と効果の下位概念に誘因・抑止を加えることでオントロジーを構築でき、Semantic Networkを利用し半自動的に物質とがんとの効果を記述できた。がん予防薬の約50%を国際標準のMedDRAに基づきコード化した。薬剤関連遺伝子のSNP情報をデータベース統合技法を用い収集し、がんの化学予防薬とSNPとの関連情報提供サイトを開発した。一般的病院情報システムからのがん予防対象患者抽出手段として悪性腫瘍の病名登録機能の課題を明らかにした。がん検診予防用情報システムの診断-所見サマリー-所見テンプレートによる所見入力-サムネイル画像提示技術による大量の画像情報のデータベース化の効率向上を示した。米国での薬剤発見から臨床応用までの一貫した国支援体制を調査分析した。がん予防薬のSNP情報を加味した薬物動態シミュレーションモデル最適化手法開発を進めた。がん予防情報提供に関する利用者の検索特性に応じたがん予防情報の最適検索システムを試作し、社会医学的調査分析を進めた。
結論
がん予防薬と代謝酵素に関連の高いSNP等の遺伝情報の探索基盤を開発し、SNP情報を加味した薬物代謝モデルの開発研究を進めた。病院情報システムからの悪性腫瘍病名等のがん予防情報抽出の課題を明らかにし、個別最適化を目指したがん予防情報提供支援システムを開発した。

公開日・更新日

公開日
2005-04-28
更新日
-