介護報酬改定が地域における介護サービスの質に与える影響に関する統計的研究

文献情報

文献番号
200400291A
報告書区分
総括
研究課題名
介護報酬改定が地域における介護サービスの質に与える影響に関する統計的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 孝子(国立保健医療科学院福祉サービス部福祉マネジメント室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
5,646,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成15年度の介護報酬の改定が要介護高齢者の介護サービスの購入やその状態像の変化に影響を及ぼしたか否かを明らかにすることである。この影響を明らかにするためには、平成15年度3月までのデータと同年4月以降のデータとの比較をすることが必要となる。
研究方法
介護報酬改定後の①要介護高齢者の状態情報調査と②提供された介護サービス提供実態および費用、利用料に関する調査、③これらの介護サービスを受けていた要介護高齢者の家族の生活実態、介護者の意識に関する調査を行ない、介護報酬改定前後の変化について分析した。
結果と考察
サービス利用においては、改定後は、組み合わせとして通所介護と用具貸与の組合せ、通所介護と短期入所の組合せ、通所介護と用具貸与と短期入所の組合せや痴呆対応型共同生活介護や、特定施設入所者生活介護との組み合わせが増加していた。とくに減少したサービスやサービスの組み合わせはなかった。サービス利用は、経年的に増加しており、福祉用具貸与と痴呆対応型共同生活介護の増加が著しかった。さらに報酬改定後に増加していたサービスの組合わせと要介護高齢者の状態像の変化について検討した結果、要介護高齢者の要介護度は高くなる傾向があった。また要介護高齢者と在宅で生活している、その家族との生活がいかなる状況にあるかを把握する調査を介護報酬改定前後で実施した結果、高齢者の状態の変化と介護負担感や老親扶養についての意識等との関連性は見出せなかった。また介護報酬改定がこれらの家族介護の状況に与えた影響も示されなかった。
結論
介護報酬の改定後には、通所介護、福祉用具貸与、痴呆対応型共同生活介護を他のサービスと組み合わせた形態が増加していたが、これらのサービスを利用した要介護高齢者の要介護度は高くなる傾向が示された。一方、家族介護者は、改定によって介護負担感、生活の質など介護に関する意識に対する影響はほとんど示されていなかった。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-

文献情報

文献番号
200400291B
報告書区分
総合
研究課題名
介護報酬改定が地域における介護サービスの質に与える影響に関する統計的研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
筒井 孝子(国立保健医療科学院福祉サービス部福祉マネジメント室)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成15年度の介護報酬の改定が要介護高齢者の介護サービスの購入やその状態像の変化に影響を及ぼしたか否かを平成15年度3月までのデータと同年4月以降のデータとの比較をし明らかにすることを目的とした。
研究方法
介護報酬改定前後の①要介護高齢者の状態情報調査と②提供された介護サービス提供実態および費用、利用料に関する調査、③これらの介護サービスを受けていた要介護高齢者の家族の生活実態、介護者の意識に関する調査を行ない、介護報酬改定前後の変化について分析した。
結果と考察
平成15年度は、第一に、介護報酬改定前の要介護高齢者の状態と介護サービスの種類と回数等の基礎データの解析により、高齢者の状態別の介護サービス利用実態が明らかにされた。第二に、要介護高齢者の状態の変化に影響を及ぼす介護サービスの種類と量が明らかになった。平成16年度は、第1に、介護報酬前後のデータを分析することにより、改定後の利用サービスの種類や回数の変化を明らかにし、第2に、これまでの介護保険サービス利用と高齢者の状態の変動傾向との関連性について明らかにした。
結論
介護報酬の改定後には、通所介護、福祉用具貸与、痴呆対応型共同生活介護を他のサービスと組み合わせた形態が増加していたが、これらのサービスを利用した要介護高齢者の要介護度は高くなる傾向が示された。要介護認定を受けた高齢者の経年的変化を分析した結果、要介護度の悪化予防に効果が高いと推定されるのは、85歳未満の新規認定者であり、これらの人々に予防に資する重点的な施策を検討することが介護予防施策としては重要であると考えられた。
今後は、本研究で悪化への影響が大きいと示されたサービス利用パターンについて事例による介入的な研究が必要ではないかと考えられた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-