高齢者の社会参加・社会貢献の増進に向けた介入事業の展開とその評価

文献情報

文献番号
200400276A
報告書区分
総括
研究課題名
高齢者の社会参加・社会貢献の増進に向けた介入事業の展開とその評価
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
新開 省二((財)東京都高齢者研究・福祉振興財団東京都老人総合研究所(地域保健研究グループ))
研究分担者(所属機関)
  • 藤原 佳典((財)東京都高齢者研究・福祉振興財団東京都老人総合研究所(地域保健研究グループ))
  • 辰巳 格((財)東京都高齢者研究・福祉振興財団東京都老人総合研究所(言語・認知・脳機能研究グループ))
  • 角野 文彦(滋賀県湖北地域振興局健康福祉部)
  • 吉川 武彦(中部学院大学大学院人間福祉学研究科)
  • 内田 勇人(兵庫県立大学環境人間学部)
  • 西川 武志(北海道教育大学教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
13,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、介入研究により、地域福祉と学校教育という二つの領域での、有効性と実行可能性の担保された、高齢者の社会参加・社会貢献プログラムを提案することを目的としている。地域福祉に係わる介入研究は埼玉県A町において平成14年度から開始しており、本年度は追跡調査を行いアウトカム評価を行う。学校教育に係わる介入研究は、新たに世代間交流型社会貢献プログラム(REPRINTS)を開発し、これを用いて全国複数地域でスタートさせる。
研究方法
埼玉県A町のニュータウン地区を介入地域、農村部の本村地区を対照地域に設定して、ニュータウンに住む中高年者の社会活動性を高める介入事業を展開してきた。本年度は2002年に引き続いて、同町の55歳~79歳の中高年者(1/3無作為抽出標本1,818人)を対象として、郵送式自記式質問紙法による第二回社会活動性調査を行い、過去2年間の社会活動性の変化を調べた。REPRINTSでは募集に応じた高齢者が3ヶ月間の研修をへたのちグループを形成し、ローテーションを組みながら地元の小学校あるいは幼稚園を定期的に訪問し、児童を対象に図書の朗読、いわゆる「読み聞かせ」ボランティアを行うというものである。本年度は全国3カ所で事業を立ち上げる。
結果と考察
介入地域の比較的若い中高年齢層において、社会・奉仕活動、学習活動という2つの側面の社会活動性が増進していた。一方、対照地域ではこのような傾向が見られず、また、仕事や個人活動といった介入事業とは関連が少ない社会活動の側面には変化がみられなかった。介入地域における社会・奉仕活動と学習活動の増進は介入効果であると考えられる。REPRINTS事業は、東京都中央区、川崎市多摩区、滋賀県長浜市の3カ所で立ち上がり、これまで養成セミナーの開催、学校、幼稚園あるいは児童館での活動の開始、半年後のフォローアップ健診の実施と順調に進めてきた。今後も定期的なフォローアップ健診を行いながら、読み聞かせボランティア活動による高齢者の身体、心理、社会的機能への影響を調べるとともに、受け入れ施設の職員、児童あるいは保護者に対する波及効果を調べる計画である。
結論
2年間の地域介入事業は、中高年者の社会活動性(社会・奉仕活動や学習活動)を高めるのに有効であった。世代間交流型社会貢献プログラムを作成し、全国3カ所で高齢者による学校ボランティア事業をスタートさせた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-