要介護状態の評価における精神、知的及び多様な身体障害の状況適切な反映手法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200400272A
報告書区分
総括
研究課題名
要介護状態の評価における精神、知的及び多様な身体障害の状況適切な反映手法の開発に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 英俊(国立長寿医療センター包括診療部)
研究分担者(所属機関)
  • 安西 信雄(国立精神・神経センター精神保健研究所)
  • 飯田 勝(さいたま市更生相談センター)
  • 西村 秋生(名古屋大学大学院医学系研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
22,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
何らかの福祉サービスを受けている障害者に対し、現行の要介護認定をあてはめ、その課題について明らかにすることを目的とした。
研究方法
介護保険の要介護認定で用いられている認定調査を実施した。併せて支援費制度の施設給付に関して用いられている障害程度区分調査を実施、また精神障害者、知的障害者については、その他の評価指標等についても調査した。障害程度区分については、その内容から全体を「生活関連動作支援項目」「社会参加支援項目」の二つに分け、それぞれの合計点を尺度として使用した。その他GAF、BPRS、HONOS、ケアニーズ、介護支援専門員からみた要介護度等の指標を用いた。また障害者に対するケアコードの検討も行った。
結果と考察
身体障害者については要介護認定における一次判定結果と、障害程度区分(生活関連動作支援項目)、介護支援専門員からみた要介護度ともに高い相関を示した。 知的障害者においては要介護認定における一次判定結果と、障害程度区分(生活関連動作支援項目)、HONOS、介護支援専門員からみた要介護度との間に比較的高い相関が認められた。精神障害者においては要介護認定の一次判定結果と、その他の指標との間にあまり高い相関は得られなかった。要介護度別に、障害程度区分、GAF、IADL、ケア必要度等他の指標の得点の分布を見ると、要介護度が重度であるほど、他の指標も重度又はケアの必要性が高くなっていたが、各要介護度毎の分散は大きく、群間の分布の重なりも認められた。一次判定結果が「要支援」以上であった群は、「非該当」であった群との比較において、障害程度区分、GAF、IADL、ケア必要度等他の指標の多くにおいて、重度またはケアの必要性が有意に高かった。
現行の要介護認定基準は、今回の調査において、身体障害者及び知的障害者の身体介護を中心とした介護サービスの必要度を測定する上でも有効であることが示唆された。
結論
現行要介護認定基準は、身体介護等の介護サービスに相当するサービスの必要度を測定する上では、障害者においても有効と考えられた。ただし、障害者に対する支援においては、自立を目的とした機能訓練や生活訓練、就労支援等も重要であり、これらの支援の必要度の判定には、「介護給付」に相当するサービスの判定に用いられるロジックとは別のロジックが必要と考えられた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-15
更新日
-