広域歩行支援装置の柔軟な操作性に関する研究

文献情報

文献番号
200400269A
報告書区分
総括
研究課題名
広域歩行支援装置の柔軟な操作性に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
岡村 宏(芝浦工業大学 システム工学部)
研究分担者(所属機関)
  • 古川修(芝浦工業大学 システム工学部)
  • 川上幸男(芝浦工業大学 システム工学部)
  • 石濱正男(神奈川工科大学工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
16,902,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
自立支援を必要としている高齢者の歩行をできる限り支援することにより,体力の維持や脳への刺激をもたらし,寝たきり状態への予防と更に楽しい自律的な生活の維持をめざして、生活空間での自由な歩行を支援する装置の機能に係る開発研究を目的とする。即ち、杖や簡易歩行器では、外出の自信がない人が住宅から買い物等の外出が可能な範囲を数キロまでのばすという具体的な状況に生じるさまざまな障害や問題点を解決するものである.
研究方法
本研究では歩行動作実験のデータを基に,ユニバーサルデザイン(以下,UD)の観点から誰もが扱いやすい車体形状・電動アシスト機能を設けた歩行支援機の基本全体設計を行い、現用の歩行補助車での段差やガタ路の進行不能状態を改善し,屋外での積極的な移動をサポートする支援機を試作する.試作機を作成・評価し,実用性の高い機器の開発研究を行うものである.
結果と考察
歩行支援機使用時の歩行パターンにはいくつかの特徴があり、そのリズムを崩さないような歩行支援が必要であることがわかった.歩行時の歩行支援機が受ける移動抵抗に対し電動モータによる支援をおこなうが、違和感のない歩行支援には負荷制御と速度制御を使い分ける必要がある.また、体重の一部を支持するハンドル部は、歩行支援の度合いにより握り型と肘掛型を使い分ける方式が良いことがわかった.これらを基に,基本コンセプトは次の通りとし,支援機のプロトタイプの設計・試作をおこなった.
結論
基本的な歩行支援の機能は確認することができた.今後は,更なる機能評価を通じて,人の行動パターンに合わせた適合機能の高いUD手法を取り入れてゆく.できる限り実現性の高いコスト、重量などの検討とともに、信頼性・安全性の高い開発研究をめざす.また,広域歩行におけるリスクを考慮し、より困難な路面状態での歩行を目指すよりは,整備容易なバリアレベルのエリアと適合させた歩行支援機の提供を主眼とし、そのための条件を抽出する.
 即ち,歩行支援機能に関する工学だけでなく,歩行能力を評価する医学や歩行リスクの低減を目指す社会環境を統合的に検討する必要がある.

公開日・更新日

公開日
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更新日
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