ナノレベルイメージングによる分子の機能および構造解析

文献情報

文献番号
200400203A
報告書区分
総括
研究課題名
ナノレベルイメージングによる分子の機能および構造解析
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
盛 英三(国立循環器病センター研究所(心臓生理部))
研究分担者(所属機関)
  • 望月直樹(国立循環器病センター研究所(循環器形態部))
  • 若林繁夫(国立循環器病センター研究所(循環分子生理部))
  • 武田壮一(国立循環器病センター研究所(心臓生理部))
  • 増田道隆(国立循環器病センター研究所(循環器形態部))
  • 井上裕康(奈良女子大学)
  • 中村俊(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 金子清俊(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 和田圭司(国立精神・神経センター神経研究所)
  • 土屋利江(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 中澤憲一(国立医薬品食品衛生研究所)
  • 中岡竜介(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
158,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ナノテクノロジーを駆使した病態の理解、早期診断法の開発、そして治療法の開発を推進する。
研究方法
分子機能イメージングではFRET技術等を基本原理として分子のプローブを細胞内で発現させ、分子構造変化をイメージングで捉える。分子構造イメージングではSpring-8の放射光等を利用して循環器疾患の創薬につながる分子構造決定等を行う。標的タンパクはヒト心筋のトロポニン複合体の調節ドメイン、EndophllinなどのBARドメイン構造を有するタンパク質構造などである。
結果と考察
循環器系分子機能イメージングでは、FRETを利用してRasファミリー分子の活性化とミオシン分子の構造変化をとらえた。神経系イメージングでは、神経栄養因子BDNFの受容体の細胞内ドメインに選択的に結合する因子として、低分子量Gタンパク質の抑制因子RhoGDI1を同定し、アストログリア細胞の形態制御に関与することを示した。また、アルツハイマー病に関連するプレセニリンの過剰発現マウスを用いて海馬錐体細胞のシナプス機能の異常を明らかにし、プリオンタンパク質の悪性化に関与するタンパク質分解酵素の存在をつきとめた。パーキンソン病に関して、加齢依存的な発症モデルの開発に成功した。分子構造イメージングでは、2.0-2.6Å分解能で上記のタンパク質の結晶構造解析に成功した。さらに、イオン交換輸送体制御因子の構造解析にも成功した。そして、プロスタグランジン関連タンパクの大量発現と精製に成功し、結晶化を試みている。また、イオン・チャネル型受容体タンパク質の原子間力顕微鏡観察を行ない、また変異導入による構造―機能相関の研究を行った。新規医用材料開発のため、2種類の細胞接着ペプチドを導入した多糖を用いてその材料が細胞機能に与える影響を検討した。また、無機材料を利用して、組織再生のためのスキャホールドの開発を試みた。in silicoで効率よく標的タンパク質に対するリガンドをスクリーニングする方法を開発し、パーキンソン病の原因遺伝子のひとつであるUCH-L1の点変異による立体構造変化を予測した。
結論
ナノテクノロジーを駆使したこれらの研究は次世代医療に貢献する。

公開日・更新日

公開日
2005-04-13
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-03
更新日
-