文献情報
文献番号
200400200A
報告書区分
総括
研究課題名
微細加工技術(FIB)を応用した細胞配列化チップの創製
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
松村 一成(芝浦工業大学(工学部))
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 萌芽的先端医療技術推進研究【ナノメディシン分野】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
膜タンパク質のリガンド探索は創薬のキーテクノロジーであり、その中で重要な要素技術のひとつはターゲットとなる膜タンパク質をもつ細胞・ウイルスをチップ上に非破壊的に配列化する技術である.細胞などのバイオコロイドの固定化手法は、生命科学研究の方法論として様々に開発されてきたが、医薬開発用のデバイス構成技術としては未成熟である.
本研究は、加工形状や基盤材料の自由度の高いFIB(集束イオンビーム)による微細加工と化学的表面処理を組み合わせることで、細胞・ウイルスの配列化を可能にする全く新しい吸着チップ創製の基盤技術の確立を目標とする.
本研究は、加工形状や基盤材料の自由度の高いFIB(集束イオンビーム)による微細加工と化学的表面処理を組み合わせることで、細胞・ウイルスの配列化を可能にする全く新しい吸着チップ創製の基盤技術の確立を目標とする.
研究方法
材料表面にFIB加工装置による微細加工と材料表面の化学修飾を組み合わせて適用し、細孔内に細胞を固定化するリンカー分子を導入した.微細加工、微細領域の化学修飾が計画通りになされているかを蛍光顕微鏡、全反射赤外分光光度計、プローブ型顕微鏡などで確認した.その後リポソーム・ウイルスの吸着の各段階の結果を光学顕微鏡、プローブ型顕微鏡などで評価した.
また、リポソームの吸着量を蛍光分光光度計および水晶マイクロバランスセンサーで定量した.さらに、蛍光自動偏光分析装置を用いて、吸着時のリポソームの膜流動性を計測した.吸着モチーフとしてのオリゴペプチドは、Fmoc法を用いて高分子固相上に適宜必要な配列のものを合成した.
また、リポソームの吸着量を蛍光分光光度計および水晶マイクロバランスセンサーで定量した.さらに、蛍光自動偏光分析装置を用いて、吸着時のリポソームの膜流動性を計測した.吸着モチーフとしてのオリゴペプチドは、Fmoc法を用いて高分子固相上に適宜必要な配列のものを合成した.
結果と考察
金基盤上にプラズマ重合製膜処理とFIB加工処理で作成したウイルス吸着場に、バキュロウイルスが単層で吸着されていることが確認された.無加工表面において同条件で積層した結果と比較して、凝集性の制御がなされたことを示している.
また、前年度最適化したリポソーム吸着分子であるペプチドを、自己組織化膜生成能を持つ長鎖チオールを導入することで、QCM金電極上に固定化してその吸着能を評価した.さらに、金基盤上の自己組織化膜をFIB加工することで、配列的吸着場を構築し、設計どおりの吸着パターンを示していることが確認された.
また、前年度最適化したリポソーム吸着分子であるペプチドを、自己組織化膜生成能を持つ長鎖チオールを導入することで、QCM金電極上に固定化してその吸着能を評価した.さらに、金基盤上の自己組織化膜をFIB加工することで、配列的吸着場を構築し、設計どおりの吸着パターンを示していることが確認された.
結論
基盤材料に対して表面製膜処理とFIBによる微細加工を組み合わせて適用して、ウィルス吸着場が生成されたことが示された.同時に、これまで検討してきた吸着分子である短鎖オリゴペプチドに自己組織化能を付与することで、QCMセンサー上での評価を可能にした.さらに FIB加工法を適用することで、短鎖ペプチドによる位置特異的な吸着場を形成させ、その特異的吸着能を確認した.
公開日・更新日
公開日
2005-04-21
更新日
-