文献情報
文献番号
200400048A
報告書区分
総括
研究課題名
SLEを中心とした自己免疫疾患感受性遺伝子の解明
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
笹月 健彦(国立国際医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 小池 隆夫(北海道大学大学院医学研究科)
- 白澤 専二(国立国際医療センター研究所臨床病理研究部)
- 土屋 尚之(東京大学大学院医学系研究科)
- 三森 明夫(国立国際医療センター膠原病内科)
- 中村 道子(東邦大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 ヒトゲノム・再生医療等研究【ヒトゲノム遺伝子治療研究】
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
45,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究ではSLEを中心とした自己免疫疾患の疾患感受性遺伝子とその遺伝子変異の同定を行い、自己免疫疾患の病因を解明し、それに立脚した病態の解明と先駆的診断・治療法の開発に資することを目的とする。
研究方法
SLEの検体収集を小池、三森、中村が行い、遺伝子解析を笹月・白澤及び土屋が行った。
結果と考察
合計467例の孤発例が収集された。4p16候補領域からマイクロサテライトマーカーを用いた解析により感受性遺伝子座として2領域を、また、候補遺伝子に対するSNPを用いた相関解析より2つの遺伝子を候補遺伝子として同定した。さらに、この4つの絞り込まれた領域に対して、SLE467例、対照群889例を用いた相関解析を行った結果、3つの遺伝子に存在するSNPがSLE感受性と相関した。一方、候補領域である1q21-q23より新規感受性遺伝子を同定し、さらにそのSNPが自己抗体産生に関与することを明らかにした。候補遺伝子解析よりCD72と腎症を有するSLEにおける関連及びAPRILの67Arg/Arg遺伝子型の有意な減少がSLEにおいて確認された。
SLEに関して467例という多数の検体を用いた解析は日本には存在せず、国際的にみてもトップレベルの検体数である。今後、SLEを含む自己免疫疾患感受性遺伝子の探索に利用・提供できるものであり、自己免疫疾患の病因・病態解明を介した診断・治療に貢献しうると共に、日本人を対象とした個別化医療の実現の基盤を与えると考えられる。感受性遺伝子の候補領域である1番染色体長腕領域からSLE、関節リウマチ、AITDの複数の自己免疫疾患に共通の感受性遺伝子を同定したことは高く評価されると思われる。
SLEに関して467例という多数の検体を用いた解析は日本には存在せず、国際的にみてもトップレベルの検体数である。今後、SLEを含む自己免疫疾患感受性遺伝子の探索に利用・提供できるものであり、自己免疫疾患の病因・病態解明を介した診断・治療に貢献しうると共に、日本人を対象とした個別化医療の実現の基盤を与えると考えられる。感受性遺伝子の候補領域である1番染色体長腕領域からSLE、関節リウマチ、AITDの複数の自己免疫疾患に共通の感受性遺伝子を同定したことは高く評価されると思われる。
結論
SLE検体収集に関するシステムを構築し、467例の弧発例が収集された。
多発家系の解析より同定した4p16候補領域に対して、SLE467例、対照群889例を用いた相関解析を行った結果、3つの遺伝子をSLE感受性遺伝子の候補として同定した。
1q21-q23領域のSLE新規感受性遺伝子のSNPがSLEと相関し、さらに抗DNA抗体価と相関することを明らかにした。
候補遺伝子CD72遺伝子は腎症合併に対し抵抗性に働くこと、また、APRILのp.67Arg/Arg遺伝子型はSLEにおいて有意な減少があることを確認した。
多発家系の解析より同定した4p16候補領域に対して、SLE467例、対照群889例を用いた相関解析を行った結果、3つの遺伝子をSLE感受性遺伝子の候補として同定した。
1q21-q23領域のSLE新規感受性遺伝子のSNPがSLEと相関し、さらに抗DNA抗体価と相関することを明らかにした。
候補遺伝子CD72遺伝子は腎症合併に対し抵抗性に働くこと、また、APRILのp.67Arg/Arg遺伝子型はSLEにおいて有意な減少があることを確認した。
公開日・更新日
公開日
2005-04-27
更新日
-