文献情報
文献番号
200400027A
報告書区分
総括
研究課題名
看護基礎教育の改善に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小山 眞理子(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部看護学科)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
現行の看護基礎教育カリキュラムの現状と問題点について看護基礎教育のカリキュラム責任者と新卒業生を受け入れる病院の看護部長を対象に調査し、社会の変化に対応した看護実践能力の育成に必要な看護基礎教育の在り方を講義と実習の両側面から検討し、今後の看護教育カリキュラム作成へ資料を提供する。
研究方法
1)全国の3年課程および4年課程の看護基礎教育機関のうち、既に卒業生を出している学校・養成所580校のカリキュラム責任者を対象に質問紙による全数調査した。2)全国の300床以上の病院から、層化抽出法により299の病院を抽出し、看護部長または教育担当部長(師長)に調査紙を発送した。 1)2)ともに無記名による自記式質問紙を郵送法で送付し、回収した。倫理的配慮として、調査依頼書に、調査の目的、研究への参加は自由であること、結果は研究の目的のみに用いることを明記し、調査紙は無記名とした。
結果と考察
教育機関からの回答298名(回収率51.5%)、病院からの回答88名(回収率29.4%)であった。1) 看護専任教員数は改善はされたものの、講義と実習の両立に苦慮していた。2)学校調査では、時間数の不足や、教育内容の過密、ゆとりのなさを訴えていた。3)専門科目、特に看護基本技術の修得にかかわる科目の見直しの必要性、小児、母性、成人、老年、在宅看護等の実習先の確保困難があり、単位や時間数、内容の見直しが必要であると捉えていた。4)社会の変化に対応した教育内容(フィジカルアセスメント・看護倫理・感染予防・意思決定の支援・健康教育・技術教育の強化・ストレスマネジメント教育等)を強化する必要性を認識していた。5)臨床の場で求められる技術と、看護基礎教育内容との乖離を感じており、これは病院の看護責任者も同様の傾向があった。6)看護管理者は新卒看護師が卒業時習得しておくべき技術で未熟なものとして、安全と安楽を保つ基本的な技術、清潔の援助、食事介助、経管栄養、排泄介助、移動、注射、輸液管理、採血、カテーテルの挿入、吸引などや、コミュニケーション、接遇・マナー、ME機器操作等があった。
結論
看護専門科目の内容と時間数は社会の変化をふまえて再構築する必要がある。看護学生が安全に能力育成できる実習環境の整備は急務であり、専任の臨床指導者または教員の数と質の改善に向けた政策が望まれる。看護基礎教育で習得する基本的看護技術の到達基準と卒業後に積み重ねる技術とを教育と実践の両者で検討する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2016-06-15
更新日
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