文献情報
文献番号
200400006A
報告書区分
総括
研究課題名
新たな精神病床算定式に基づく、早期退院と社会復帰促進のための精神保健福祉システムに関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
竹島 正(国立精神・神経センター精神保健研究所精神保健計画部)
研究分担者(所属機関)
- 長谷川敏彦(国立保健医療科学院政策科学部)
- 井上 新平(国立高知大学医学部神経精神病態医学教室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
8,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
「新たな基準病床数の算定式」,「改革のグランドデザイン」に示された精神保健医療福祉体系の再編の達成目標の妥当性を検証する。
研究方法
分担研究1:新規入院率,平均残存率,退院率の現在の数値を示すとともに,新規入院率が変化しないと仮定した場合,新規入院率の増加が続くと仮定した場合の2015年度の基準病床数を算出し,その妥当性について検証した。
分担研究2:長期入院化の実態,精神病床利用の都道府県比較,統合失調症の死亡率,統合失調症の退院曲線の分析を行った。
分担研究3:算定式において示された精神医療の方向について1県のデータを分析した。
分担研究2:長期入院化の実態,精神病床利用の都道府県比較,統合失調症の死亡率,統合失調症の退院曲線の分析を行った。
分担研究3:算定式において示された精神医療の方向について1県のデータを分析した。
結果と考察
分担研究1:全国の残存率は31.2%,退院率は21.3%であった。平均残存率・退院率が2015年度の目標値まで線形に推移すると仮定して,新規入院率が現状のまま一定の場合は9.2万床の減,現在の伸び率2.6%で伸びた場合は5.8万床減の減であった。新規入院率の伸びが2.0%の場合を基準病床数の参考値(全国で6.7万床の減)として示した。
分担研究2:平成11年と比較して平成14年は若干退院が早まっていた。統合失調症患者の死亡率は一般人口よりも高い。精神医療改革は,長期(1~2年超)の患者の退院促進と,短期入院を推進して1年未満での退院を実現していく2方向が必要と考えられる。
分担研究3:残存率の改善の方がシミュレーションを描きやすい。退院率はほとんどの病院で達成されておらず,シミュレーションを描きにくい。残存率を低下させると1~2年の在院期間の患者が減少し,退院率が下げにくくなるという現象がある。
分担研究2:平成11年と比較して平成14年は若干退院が早まっていた。統合失調症患者の死亡率は一般人口よりも高い。精神医療改革は,長期(1~2年超)の患者の退院促進と,短期入院を推進して1年未満での退院を実現していく2方向が必要と考えられる。
分担研究3:残存率の改善の方がシミュレーションを描きやすい。退院率はほとんどの病院で達成されておらず,シミュレーションを描きにくい。残存率を低下させると1~2年の在院期間の患者が減少し,退院率が下げにくくなるという現象がある。
結論
新たな基準病床数の算定式,精神保健医療福祉体系の再編の達成目標には一定の妥当性があると考えられた。精神保健医療福祉体系の再編には,目標達成のためのフォローアップ調査が必要である。
公開日・更新日
公開日
2015-05-29
更新日
-