医療等の供給体制の総合化・効率化等に関する研究

文献情報

文献番号
200400150A
報告書区分
総括
研究課題名
医療等の供給体制の総合化・効率化等に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
島崎 謙治(国立社会保障・人口問題研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 郡司 篤晃(聖学院大学)
  • 大和田 潔(東京都共済青山病院)
  • 泉田 信行(国立社会保障・人口問題研究所)
  • 山本 克也(国立社会保障・人口問題研究所)
  • 米山 正敏(国立社会保障・人口問題研究所)
  • 尾澤 恵(国立社会保障・人口問題研究所)
  • 佐藤 雅代(国立社会保障・人口問題研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
8,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
急増する高齢者医療を中心に医療の適正化・効率化を図ることは喫緊の課題であるが、そのためには、医療(隣接する介護・保健を含む)の提供体制の在り方を見直すことが必要不可欠である。また、国民の満足度を高め将来不安を払拭するためには、高齢社会における医療等の提供体制のあるべき姿を明示した上で、その実現に向けて具体的な政策を早急に打ち立てる必要がある。なお、医療等の供給体制の総合化・効率化等を通じ、サービスの生産性・効率性を高めコストベネフィットを最大化することは、ファイナンスの面でも重要であり、本研究は結果的に医療費の効率化にも資する。
研究方法
本研究では、医学、看護学、経済学、社会学、法学等の学際的な観点から、高齢社会における医療等の提供体制のあるべき姿(グランドデザイン)を明示した上で、諸外国における医療改革の成果との比較検証やわが国のフィールドワークを通じ客観性・現実妥当性の評価を行いつつ、その実現に向けた具体的な政策手段と各政策選択肢の優劣・実現可能性等について検討し、政策提言を行う。
結果と考察
地域の医療資源の集積度合、人口や地理的条件、医師会や基幹的病院の取組意識等の相違により、「グランドデザイン」は幾つかのパターンに類型化できる。例えば、尾道モデルや船橋モデルのような「連携ネットワーク型」は、多くの医療機関が競合状態にある都市部においては普遍性・汎用性等を有する。さらに、御調モデルと尾道モデルでは医療機関連携の仕方が異なり、介護のケアマネジャーが「介入」する時期、「かかりつけ医」の有無によってその後の対応が全く異なる。
結論
地域の医療資源の状況・人口等により、医療等の連携の在り方や進め方は異なり、グランドデザインの構築に当たっては、医療等の連携システムの普遍性と固有性を明らかにしていくことが重要である。また、「テスター」は地域医療システムの相違・特徴や問題点などを定性的に浮き彫りにする評価手法である。
わが国の医療提供体制の最大問題の一つはプライマリーケアが定着していないことにある。ただし、コモンディジーズの的確な診療に加え、医療の機能分化と連携が進めば、患者の「代理人」として様々な相談・助言を行う機能もより重視される。また、医療機関の機能分化と連携が進む中で、過不足なく情報伝達を行うためのガイドライン、個人情報保護との関係の整理、医師と患者の関係の再考等が必要となる。

公開日・更新日

公開日
2005-04-08
更新日
-