医療における安全・質確保のための必要資源の研究:「品質原価」と「持続可能性のための原価」の測定と分析

文献情報

文献番号
200400145A
報告書区分
総括
研究課題名
医療における安全・質確保のための必要資源の研究:「品質原価」と「持続可能性のための原価」の測定と分析
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
今中 雄一(京都大学大学院医学研究科社会健康医学系専攻医療経済学分野)
研究分担者(所属機関)
  • 石崎 達郎(京都大学大学院医学研究科医療経済学分野)
  • 廣瀬 昌博(京都大学医学部附属病院医療安全管理室)
  • 関本 美穂(京都大学大学院医学研究科医療経済学分野)
  • 徳永 淳也(九州看護福祉大学看護福祉学部)
  • 林田 賢史(広島大学医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成16(2004)年度
研究終了予定年度
平成18(2006)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究の目的は、医療の安全・質保証および持続可能性に必要なシステムと活動を明確化して原価として算出し、その大きさ・ばらつき・関連要因を評価分析することである。それをもって、社会・政策・医療の上で、診療報酬制度、財源確保および効率性向上に役立つことを目指す。
研究方法
本研究は、本研究以前の医療の安全・質の評価ならびに医療原価計算方法の開発研究の成果を踏まえて、概念的・理論的分析、予備調査を経て、協力多施設から情報収集を行い解析する。そ構成は、安全・質の評価、、安全・質の要件・必要資源の同定、原価計算の実践・洗練・DB構築、モデル検証・分析および当該原価と制度・政策との関係性の分析からなる。
倫理面への配慮を具体的方策を持って徹底し個人情報・機密情報の保護を確実に行う。京都大学医学部の医の倫理委員会の承認を得て、新しい法令、厚労省・文科省の疫学研究の倫理指針に則り、当研究を行っている。研究室において情報セキュリティを管理するシステムも確立している。
結果と考察
医療の安全・質において、患者の重症度を多軸的に採り入れ予測力の高いモデルを開発してリスク調整済み治療成績を計算し(投稿準備中)、治療プロセスの評価とばらつきの分析を行い(Hirose他(in press);Ishizaki他; Sekimoto他.各2004)、さらに安全・質の要件をリストし各種資源を同定した。医療の原価計算の実践・洗練では、実際原価の分析を進め、ハイリスクである外科手術・処置について、原価構造を分析し診療報酬との対応や生産効率性のばらつきを検討した(Hayashida他; Kuwabara他(各in press))。また、次年度本調査の実現のために多協力施設の確保、研究体制の強化を行った。
結論
本研究の成果をもって、配分効率の向上をめざした診療報酬制度の改革や財源確保、医療の安全・質・持続可能性の確保と効率性向上に役立てることを目指している。3年間の本研究で予定している成果は、安全・質および持続可能性に必要なコストの構造、大きさ、関連する効率性とばらつきとその影響要因、これら原価と診療報酬制度・国民医療費との関連に関する知見を出すことである。初年度において、安全・質のための原価を実測する次年度本調査の準備を進めることができ、また上記の一部について具体的成果を出すことができた。

公開日・更新日

公開日
2005-04-11
更新日
-