医薬品の使用ならびに価格に関する国際比較研究

文献情報

文献番号
200400115A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬品の使用ならびに価格に関する国際比較研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
坂巻 弘之((財)医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 望月 眞弓(北里大学薬学部臨床薬学研究センター医薬品情報部門)
  • 池田 俊也(慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室)
  • 大日 康史(国立感染症研究所感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
7,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬品のあり方についての議論において、マクロ薬剤費がしばしば用いられるが、その内容について比較研究されている例は少ない。薬剤費を構成する要因は医薬品の価格と使用量に分解することができるが、本研究では、使用量に着目し、国際比較のためのデータソースとしてIMDデータを、また国内の医薬品使用状況の分析のために社会医療診療行為別調査の個表データを用いた分析を行った。また、OECD Health Dataに公表されている医療支出推計の推計範囲についても調査を行い、医薬品支出の国際比較の課題を明らかにすることを目的とした。
研究方法
研究は、①OECD Health Accountsにおける医薬品支出の国際比較、②IMSデータによる医薬品使用の国際比較、③社会医療診療行為別調査データを用いた国内医薬品使用の分析の3つからなり、①はOECD担当者へのアンケート調査、②はIMSデータを用いて高血圧、高脂血症、消化性潰瘍、糖尿病、中耳炎の分析、③は当該個表データを用い、②の傷病に加え喘息、肺炎等を分析した。
結果と考察
①OECD加盟30か国中15カ国から回答が得られ、医薬品支出額に含まれる項目がかなり違うことが明らかとなった。②医薬品の処方せん割合は国によって違いが見られ、また1処方せんあたりの平均処方日数は、日本は諸外国に比べ著しく短いことが明らかとなった。③外来患者の薬効別の使用割合を見ると、高血圧では、Ca拮抗剤の使用割合が最も多く、高脂血症ではHMG-CoA還元酵素阻害剤、糖尿病ではSU剤、消化性潰瘍ではその他の抗潰瘍剤が多く、開設主体別に見ると、個人の医療機関でフィブラート系高脂血症治療剤の使用割合、その他の抗潰瘍剤の使用割合が高いなどの違いが見られた。また、入院外と調剤とを比較すると一般的に調剤の薬価合計は入院外に比べ高い傾向であった。入院外における吸入ステロイドの使用割合は、ガイドラインの普及にしたがって増加傾向がみられた。
結論
医薬品支出額の国際比較においては、各国の制度の違いによる推計範囲の違いが存在し、支出額の単純比較は問題がある。また、医薬品使用についても各国の特徴が存在し、医薬品価格の違いも考慮するとともに、各国制度と医薬品使用の内容を考慮した国際比較が重要である。

公開日・更新日

公開日
2005-12-12
更新日
-

文献情報

文献番号
200400115B
報告書区分
総合
研究課題名
医薬品の使用ならびに価格に関する国際比較研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
坂巻 弘之((財)医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 望月 眞弓(北里大学薬学部臨床薬学研究センター医薬品情報部門)
  • 池田 俊也(慶應義塾大学医学部医療政策・管理学教室)
  • 大日 康史(国立感染症研究所感染症情報センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成15(2003)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬剤費を構成する要因は医薬品の価格と使用量に分解することができるが、本研究では、使用量に着目し、国際比較のためのデータソースとしてIMSデータを、また国内の医薬品使用状況の分析のために社会医療診療行為別調査の個表データを用いた分析を行った。また、OECD Health Dataに公表されている医療支出推計の推計範囲についても調査を行い、医薬品支出の国際比較の課題を明らかにすることを目的とした。
研究方法
研究は、①OECD Health Accountsにおける医薬品支出の国際比較、②IMSデータによる医薬品使用の国際比較、③社会医療診療行為別調査データを用いた国内医薬品使用の分析、④海外における薬剤使用の研究状況調査のそれぞれから構成され、①はOECD担当者へのアンケート調査、②はIMSデータを用いて高血圧、高脂血症、消化性潰瘍、糖尿病、中耳炎の分析、③は当該個表データを用い、②の傷病に加え喘息、肺炎等を分析した。④は、英仏の処方せんデータの利用についてインタビュー調査を行った。
結果と考察
①OECD加盟30か国中15カ国から回答が得られ、医薬品支出額に含まれる項目がかなり違うことが明らかとなった。②医薬品の処方せん割合は国によって違いが見られ、また1処方せんあたりの平均処方日数は、日本は諸外国に比べ著しく短いことが明らかとなった。③外来患者の薬効別の使用割合を見ると、高血圧では、Ca拮抗剤の使用割合が最も多く、高脂血症ではHMG-CoA還元酵素阻害剤、糖尿病ではSU剤、消化性潰瘍ではその他の抗潰瘍剤が多かった。④英仏では医療費の償還を行っている疾病金庫に、医師の行った診療行為や償還対象となる処方薬等の情報が集まり、データベース化され、利用が進んでいる。
結論
医薬品支出額の国際比較においては、各国の制度の違いによる推計範囲の違いが存在し、支出額の単純比較は問題がある。また、医薬品使用についても各国の特徴が存在し、医薬品価格の違いも考慮するとともに、各国制度と医薬品使用の内容を考慮した国際比較が重要である。

公開日・更新日

公開日
2005-12-12
更新日
-