韓国・台湾・シンガポール等における少子化と少子化対策に関する比較研究

文献情報

文献番号
200400100A
報告書区分
総括
研究課題名
韓国・台湾・シンガポール等における少子化と少子化対策に関する比較研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小島 宏(国立社会保障・人口問題研究所国際関係部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 透(国立社会保障・人口問題研究所国際関係部)
  • 佐々井 司(国立社会保障・人口問題研究所人口動向研究部)
  • 西岡 八郎(国立社会保障・人口問題研究所人口構造研究部)
  • 伊藤 正一(関西大学経済学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究費
6,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究ではわが国との比較を交えながら、アジアNIESにおける少子化と少子化対策の動向と内外の 格差について比較分析をするともに、少子化対策の効果を分析し、わが国の政府・地方自治体における少子化対策の策定・実施・評価に資することを目的とする。
研究方法
本研究は①文献・理論研究、②マクロデータの収集・分析、③既存ミクロデータの分析、④政策志向的分析からなる。本年度は国内における資料・データ収集、文献研究、マクロデータに基づく分析を引き続き行うとともに、ミクロデータに基づく分析を政策志向的なものに拡張し、韓国、台湾、シンガポール、香港で現地調査を実施した。また、韓国・台湾・シンガポールの研究者の寄稿による補完を試みる一方、推進費で韓国の専門家を招聘して講演会等を開催し、3年間の研究成果への評価を仰ぐための総括ワークショップを開催した。
結果と考察
本年度の研究により各国別の出生率の動向・格差、変動要因、政策的対応とその格差に関する最新の情報が明らかになり、ミクロデータの比較分析から結婚行動に関する類似点・相違点があることも示された。ミクロデータの時系列的分析から人口政策よりも経済政策や景気の効果の方が大きかった可能性も示唆された。実際、過去1~2年の間にアジアNIESはわが国を上回るような少子化を経験し、それに呼応して少子化対策が急速に進展しつつある。しかし、少子化の速度は国により異なるし、地域・階層によっても異なる。また、少子化対策として明示的な出生促進政策を採る国もあれば、国際人口移動政策を用いる国もあるし、1国内でも地方自治体の特性により少子化対策が異なり、対応が一様ではないが、そのような相違とその帰結こそがわが国にとっての政策的含意をもちうる。
結論
アジアNIESと日本は急激な少子化と非常に低水準の出生率を経験しているという点で共通するし、その近接要因として晩婚化やその背景要因としての高学歴化や女性の労働力参加率上昇があることでも共通しているが、少子化対策については各国の国情を反映して異なる対応がみられる。そこで、各国の少子化の動向と少子化対策について継続的にモニターして行く必要があることが明らかになった。また、多くの国は1997年の金融危機に伴う雇用情勢の悪化の影響もあって近年、急速な少子化が進んでおり、わが国でもバブル崩壊以降の雇用情勢悪化の影響を再評価する必要があろう。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-

文献情報

文献番号
200400100B
報告書区分
総合
研究課題名
韓国・台湾・シンガポール等における少子化と少子化対策に関する比較研究
課題番号
-
研究年度
平成16(2004)年度
研究代表者(所属機関)
小島 宏(国立社会保障・人口問題研究所国際関係部)
研究分担者(所属機関)
  • 鈴木 透(国立社会保障・人口問題研究所国際関係部)
  • 佐々井 司(国立社会保障・人口問題研究所人口動向研究部)
  • 西岡 八郎(国立社会保障・人口問題研究所人口構造研究部)
  • 伊藤 正一(関西学院大学経済学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学推進研究
研究開始年度
平成14(2002)年度
研究終了予定年度
平成16(2004)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究ではわが国との比較を交えながら、アジアNIESにおける少子化と少子化対策の動向と内外の 格差について比較分析をするともに、少子化対策の効果を分析し、わが国の政府・地方自治体における少子化対策の策定・実施・評価に資することを目的とする。
研究方法
本研究は①文献・理論研究、②マクロデータの収集・分析、③既存ミクロデータの分析、④政策志向的分析からなる。それらの基礎となる資料・データを収集するため、図書・データ購入、現地調査、ヒアリング、委託、寄稿依頼、推進費による専門家招聘、講演会等を実施し、最後に3年間の研究成果への評価を仰ぐための総括ワークショップを開催した。
結果と考察
3年間の研究により各国別の出生率の動向・格差、変動要因、政策的対応とその格差に関する最新の情報が明らかになった。ミクロデータの比較分析から結婚行動や出生意識の規定要因に関する類似点・相違点があることが示され、ミクロデータの時系列的分析から人口政策よりも経済政策や景気の方が出生率に対する影響が大きかった可能性も示唆された。また、文献研究から過去の家族計画プログラムが成功しすぎた可能性も示唆された。3年間でアジアNIESはいずれも日本以上に少子化が進んだが、少子化の速度は国によって異なるし、地域・階層によっても異なる。また、少子化対策として明示的な出生促進政策を採る国もあれば、国際結婚を含む国際人口移動政策を用いる国もあるし、一国内でも地方自治体の特性により少子化対策の種類が異なり、対応が一様でないが、そのような相違とその帰結こそがわが国にとっての政策的含意をもちうる。
結論
アジアNIESと日本は急激な少子化と非常に低水準の出生率を経験しているという点で共通するし、その近接要因として晩婚化やその背景要因としての高学歴化や女性の労働力参加率上昇があることでも共通しているが、少子化対策については各国の国情を反映して異なるだけでなく、地方自治体によっても異なる。そこで、各国の少子化の動向と少子化対策について地方レベルでも継続的にモニターして行く必要があることが明らかになった。また、多くの国は1997年の金融危機に伴う雇用情勢の悪化の影響もあって近年、急速な少子化が進んでおり、わが国でもバブル崩壊以降の雇用情勢悪化の影響を再評価し、雇用政策を視野に入れた総合的家族政策を策定・実施する必要があろう。

公開日・更新日

公開日
2005-04-07
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2006-02-20
更新日
-