後縦靭帯骨化症責任遺伝子同定と予防・治療への応用

文献情報

文献番号
200200276A
報告書区分
総括
研究課題名
後縦靭帯骨化症責任遺伝子同定と予防・治療への応用
課題番号
-
研究年度
平成14(2002)年度
研究代表者(所属機関)
井ノ上 逸朗(東京大学医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 藤 哲(弘前大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 長寿科学総合研究
研究開始年度
平成12(2000)年度
研究終了予定年度
平成14(2002)年度
研究費
15,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
脊椎後縦靱帯骨化症(OPLL)は整形外科領域の脊髄症の第一位原因となっており、頻度の高い疾患であるので医療の現場での重要度は高い。未曾有の少子高齢化を迎えつつある我が国において、高齢者に多いOPLLの成因解明かつ治療法の開発は急務といえるだろう。成因解明のためにOPLL責任遺伝子の同定がその端緒となり、疾患機序の解明、ひいては新たな治療法の開発に結びつくと予想される。
研究方法
141対の罹患同胞対を用いたゲノム全域連鎖解析により、連鎖を認めた21番染色体からのOPLL感受性遺伝子ポジショナルクローニングを試みる。領域には200個の遺伝子が存在しており、SNPを用いたアソシエーション・スタディをおこなう。OPLL患者300例、非OPLL患者(単純X線でOPLLを否定できたグループ)290例、を収集しており、統計解析はカイ検定による。遺伝子解析をおこなうにあたり、本研究は鹿児島大学、弘前大学の倫理委員会承認を得ている。
結果と考察
OPLLのゲノムスキャン解析でもっとも強い連鎖を認めた領域は21番染色体長腕(21q22)であった。連鎖ピークD21S263近傍に新たなOPLL責任遺伝子が存在することが強く示唆された。連鎖領域には189の遺伝子が存在しており、そのうち150遺伝子、600SNPについてアソシエ?ション・スタディを完了した。7遺伝子、14SNPで有意な関連を認めた。なかでも、collagen 6A1において強い有意差を得ているので強力な候補遺伝子と考えられた。
結論
21番染色体候補領域からのポジショナルクローニングを試みている。150遺伝子でのスクリーニングを終了し、ひとつの有力な候補遺伝子を同定できている。

公開日・更新日

公開日
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更新日
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