重度・重複障害児・者の包括的医療・療育に関する研究

文献情報

文献番号
200000277A
報告書区分
総括
研究課題名
重度・重複障害児・者の包括的医療・療育に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成12(2000)年度
研究代表者(所属機関)
熊谷 公明(神奈川県総合リハビリテ-ション事業団、七沢療育園)
研究分担者(所属機関)
  • 黒木良和(神奈川県こども医療センタ-)
  • 落合幸勝(東京都立北療育 医療センタ-)
  • 児玉和夫(心身障害児総合医療療育センタ-、むらさき愛育園)
研究区分
厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 障害保健福祉総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
重症心身障害児・者の包括的医療・療育に関してのライフサイクルからみた継続的長期取り組みに関する研究は少ない。そこで重症児の加齢に伴う包括的医療・療育、特にリハビリテ-ション(以下リハ)アプロ-チの事例の集積と体系化を研究課題とした。
研究方法
重症心身障害児者に対する包括的リハアプロ-チについての、乳幼児期、学童・思春期以降老年期までの、それぞれの各時期に対応するリハアプロ-チの連携とその体系化を目指し、次の研究体制で今年度の研究を行った。
1.各リハアプロ-チの事例の集積:各分担研究者がこれまでに行った事例に加えて、各分担研究者の立場でさらに各年代毎の充足に努めた、①重症心身障害児の唾液嚥下機能をビデオ嚥下透視下検査で、誤嚥防止に最も適切な体位の検討(黒木、前野)、②食事指導の実際と介護支援をビデオ化し、保護者や施設職員の研修に役立たせる(落合、高見)、③異常姿勢と筋緊張の異常に対するリハアプロ-チ:(黒木、落合、大橋)、④重症心身障害児者の各種医学的合併症について(熊谷、栗原)、
2.福祉機器の応用、開発、情報提供:(熊谷、大橋、栗原、落合他)。
3.リハ・アプロ-チの実態調査と各年代毎のリハアプロ-チの体系化(児玉、熊谷他)
4.神奈川県内の病院に長期入院している超重症児の実態調査について(熊谷、加藤)
5.神奈川県重症児施設の利用者の状況、長期入院中の重症児の現状(熊谷)
結果と考察
個別研究結果は以下の通りである。
1)リハアプロ-チの事例は、今年度も優れた事例の集積がなされた。(黒木・落合・児玉・熊谷、及び各研究協力者)
2)重症児の唾液嚥下機能障害をビデオ嚥下透視下検査で行い、最も誤嚥の少ない適切な体位は腹臥位であることが分かった(黒木、前野)
3)重症心身障害児に継続的食事指導を行い、その成果を基にビデオを作成し、経口食事摂取の個別支援に応用出来るようにマニュアルも作成した。このビデオのアンケ-ト調査 では保護者と施設職員の両方に好評であった。(落合、高見)
4)ライフサイクルからみたリハビリテ-ション課題として、対象者の年齢幅の拡大に伴い、いかなる時期にいかなるリハビリテ-ションが必要かが課題で、従来から本研究班で積み重ねた研究成果を基に、素案を作成した。
しかし全国の施設間の格差から、今回の提案は十分なものにはなり得なかったが、一応の目安にはなり得たし、今後も継続する必要性を残した。(児玉、熊谷 他)
5)重度障害児の身体変形の防止、過剰な筋緊張の抑制は大きな課題であり、介護にも医学的合併症の予防にも役立つ姿勢保持装置の工夫、開発を行った。(大橋、落合、黒木、)
6)重症心身障害児者の医学的合併症の検討として、ラテックスアレルギ-、イレウスなどの検討を行った(栗原、熊谷)
7)神奈川県下 ①病院に長期入院している超重症児の平成11年度の実態調査で、55例、その内大学付属病院には6施設35名(79.5%)、平均在院期間は913日であった。(熊谷、加藤他) ②重症児施設(入所・通所)の利用者の実態調査を行い、通所には16歳以下はいず、入所も19から40歳未満が約60%で、16歳以下は極めて少い。
結論
重症児者のライフサイクルに沿った包括的リハアプロ-チに関する研究を行った。その結果包括的リハアプロ-チの素案を作成出来た。しかし、全国の施設間格差から、一律に適応する事は困難と思われるが、各発達段階ごとのリハの目安には十分成りうる。

公開日・更新日

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