ダイオキシンのリスクアセスメントのための疫学研究

文献情報

文献番号
199900678A
報告書区分
総括
研究課題名
ダイオキシンのリスクアセスメントのための疫学研究
課題番号
-
研究年度
平成11(1999)年度
研究代表者(所属機関)
岩本 晋(山口県立大学)
研究分担者(所属機関)
  • R.J.Aulerich(Michigan State University)
  • 岩本 功(下松記念病院院長)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 生活安全総合研究事業
研究開始年度
平成11(1999)年度
研究終了予定年度
-
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ダイオキシンのリスクアセスメントのために、枯葉剤散布によりダイオキシンが高濃度蓄積している環境で暮らしている人々がどのような状況にあるか、記述疫学的手法によりデータを整理して、健康被害の有無を整理していく。
研究方法
ベトナムの政府関係者と医療関係者、アメリカの毒性学の専門家と日本の研究者が協力することで、ベトナムの枯れ葉剤によるダイオキシン住民暴露による健康障害の有無についてデータを整理していく。初年度はベトナム、アメリカの関係者を一堂に集める研究会が結成できるかどうか、検討会や話し合いを重ねて、次年度やその先へと継続していく基礎作りとする。
結果と考察
ベトナムの枯れ葉剤被害者救済委員会(Agent Orange Victims Fund)副議長であるベトナム赤十字の理事長や、ハノイ医科大学副学長でダイオキシン委員会の副代表Nguyen Van Tuong 医師、厚生技官 Tran Van Phuong 医師、委員会委員数名、ハノイ友好病院のルン院長、グエン副院長、ビン医師等と話し合った結果、いずれもNGOグループIMAYAと連携した本研究計画について賛意を示された。
アメリカのR.J.Aulerich博士も研究目的とその方法について協力を約束した。
結論
戦後の長い年月でベトナム戦争中の枯れ葉剤も減衰している。これと対照的に日本では焼却場等からのダイオキシン発生によりダイオキシンレベルが増加することが予測されている。そこで、既に汚染度が高い地域に住んでいる人がどのような健康被害を受けているかを知りたい。その結果、影響があればその汚染度では危険という結論が出る。我が国はそうならないように最大限の努力をするべきである。もしも安全という結果が得られるならば、さらに引き続き別の視点から影響の有無を検討する手がかりにはなる。しかも、ベトナムの農産物の影響の少ないことが分かれば、消費も促進されて経済活動に良い影響がある。ベトナムも工業化の波が押し寄せているのであるから、将来は枯れ葉剤の散布の無かった北ベトナム地域でも日本と同じダイオキシン問題が発生することが予測されるので、現在の微量ダイオキシンにおける健康調査を始めることは重要である。
来年からの研究計画にはベトナム側の研究委員としては、ルン院長、グエン医師、ビン医師を含め、IMAYAとして岩本 晋、岩本 功で構成する研究会を発足することで同意した。

公開日・更新日

公開日
-
更新日
-