化学物質の動物個体レベルの免疫毒性データ集積とそれに基づくMulti-ImmunoTox assay(MITA)による予測性試験法の確立と国際標準化

文献情報

文献番号
201926006A
報告書区分
総括
研究課題名
化学物質の動物個体レベルの免疫毒性データ集積とそれに基づくMulti-ImmunoTox assay(MITA)による予測性試験法の確立と国際標準化
課題番号
H30-化学-一般-001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
相場 節也(国立大学法人 東北大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 小島 肇(国立医薬品食品衛生研究所 安全性予測評価部)
  • 大森 崇(神戸大学医学部附属病院 臨床研究推進センター)
  • 木村 裕(国立大学法人東北大学 東北大学病院)
  • 中島 芳浩(国立研究開発法人産業技術総合研究所 健康工学研究部門)
  • 安野 理恵(国立研究開発法人産業技術総合研究所 バイオメディカル研究部門)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 化学物質リスク研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
15,848,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
① IL-2転写活性抑制試験 (IL-2 Luc assay)に関するvalidation reportに対するpeer review panel (PRP)による評価とそれに対する対応
② IL-1β転写活性抑制試験(IL-1 Luc assay)に関するPhase I, Phase II validation試験とValidation management teamによる最終評価
③ IL-1 Luc assay,IL-2 Luc assayにより多種類の化学物質を評価しdata setを作成する。
④ 免疫毒性化学物質のデータベース作成
⑤ MITAによる免疫毒性clusteringの有用性の検討
⑥ MITAを用いた免疫毒性評価系国際化へ向けて,detailed review paper作成
研究方法
① IL-2 Luc assay validation reportに対するpeer review panelによるコメントとそれに対する対応
今年度は,3回のInternational peer review panel meeting on Multi-Immunotoxicity Test Assay (MITA))会議を開催し, PRPからだされたIL-2 Luc assay validation reportに対するコメントに対応した。
② IL-1 Luc assay Phase IならびにPhase II validation試験
Phase I試験においては,VMTにて選定されたコード化された5化学物質を、参加3施設においてプロトコールに則り各物質3回繰り返し1セットの試験を3セットと実施した。
Phase II試験においては, コード化された20化学物質を、上記参加3施設においてり各物質3回繰り返し1セットを実施した。
③ 免疫毒性物質データベースの作成
National Toxicology Program (NTP)のDori Germolec博士とミラノ大学のEmanuela Corsini博士の協力を仰ぎ、NTPおよびPubMedを利用した文献検索に基づき,validation試験で用いた化学物質,data set 作成に用いた化学物質を中心に免疫毒性データベースを構築した。
④ MITAを用いた免疫毒性評価系国際化へ向けてのDRPの作成
皮膚感作性試験法を除いては,in vitro 免疫毒性試験法はOECD テストガイドラインに存在しない。そこで,OECD免疫毒性試験評価者のin vitro免疫毒性評価系の現状とMITAの有用性の理解を深める目的で, in vitro免疫毒性評価法に関するDRPの作成をおこなった。
結果と考察
① NTPの免疫毒性分類法を参考にして,化学物質の免疫毒性を文献資料を基に判定するクライテリアを提案した。幸い,本課題においてはvalidation試験と並行して行ってきた免疫毒性データベースが存在し,それをもとに実際に約80種類の化学物質の免疫毒性の判定をおこなった。またそれを用いてIL-2 Luc assayの予測性の評価を行った。この妥当性は,PRPからも承認された。この評価法に基づくと,Phase I、IIをまとめたpredictivityは75%となった。以上の結果をもとにvalidation reportを提出し現在PRPからのコメントに対応している。 また上記のように,IL-2 Luc assayのvalidation試験の予測性評価を通して作成した免疫毒性データベースの有用性が確認された。
② IL-1 Luc assayに関しては,これまでに既にPhase I ,Phase II試験を終了し,2020年1月に行われたVMT会議で良好な施設内,施設間再現性が評価され,現在予測性に関して検討中である。
③ 最後に,IL-1 Luc assay, IL-2 Luc assayと免疫毒性評価法のOECDテストガイドライン化を進めるにあたり,DRPを提出することにし既にOECDにSPSFを提出した。2020年1月にはdraft案が提案され,その修正を行った。
④ 一方,本課題のもう一つのテーマである化学物質の免疫毒性データベースの作成をNTPの協力を得て行った。25種類の化学物質の入手可能な免疫毒性データを網羅し、それらをin vivo,ex vivo、in vitroデータに分類し、さらにそれらを表にまとめた。それにより、各化学物質の大凡の免疫毒性profileが俯瞰可能となった。
結論
以上,当初の予定通りMITAのOECD TG申請に向けての準備を予定通りに進めている。

公開日・更新日

公開日
2020-12-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
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公開日・更新日

公開日
2020-12-14
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201926006Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
20,600,000円
(2)補助金確定額
20,600,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 8,925,250円
人件費・謝金 3,601,108円
旅費 2,767,417円
その他 554,225円
間接経費 4,752,000円
合計 20,600,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2020-11-25
更新日
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