薬剤師の卒後研修カリキュラムの調査研究

文献情報

文献番号
201925027A
報告書区分
総括
研究課題
薬剤師の卒後研修カリキュラムの調査研究
課題番号
19KC2008
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
山田 清文(名古屋大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 橋田亨(地方独立行政法人神戸市民病院機構 神戸市立医療センター中央市民病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
4,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医療職の卒後研修は医療現場における実践力を習得する上で重要であり、その後のキャリア形成にも影響する。最近では薬剤師の卒後研修制度(レジデント制度)を導入している医療機関はあるものの、その実態やニーズ、効果等は明確になっていない。本研究の目的は、薬剤師の卒後研修の実態を把握し、その課題を明らかにするとともに、今後の薬剤師に求められる機能・役割を踏まえ、卒後研修で必要とされるカリキュラムの考え方を示すことである。初年度は以下の調査研究を行った。
(1)米国のレジデント制度の現地調査
(2)レジデント制度の自己評価と相互チェックを実施するための体制整備
(3)卒後研修に関する医療機関へのアンケート調査
研究方法
(1)米国のレジデント制度の現地調査
米国におけるレジデントプログラムの認証を行っている米国病院薬剤師会(ASHP)の協力の下、The Johns Hopkins Hospital, Veterans Affairs Maryland Health Care SystemおよびUniversity of Maryland Medical Centerを訪問調査した。
(2)レジデント制度の自己評価と相互チェックを実施するための体制整備
NPO法人卒後臨床研修評価機構の臨床研修自己評価調査票を参考にして、薬剤師の卒後研修プログラムの自己評価調査票として改変した。
(3)卒後研修に関する医療機関へのアンケート調査
全ての日本病院薬剤師会会員施設に対して、電子メールおよび郵送によりアンケート調査への協力を依頼した。
結果と考察
(1)米国のレジデント制度の現地調査
米国におけるレジデント研修は、臨床薬剤師としてのキャリアパスの最初のステップであり、患者ケアに直接かかわるためには必須となっており、米国における薬剤師業務の発展に最も大きな影響を及ぼしたと言われている。現在、薬学部卒業生の30-40%がレジデント研修を希望しており、その数は年々増加している。レジデントプログラムの数はPGY1およびPGY2共に年々増加しているが、その質と一貫性の保証は極めて重要である。ASHPは唯一のレジデントプログラム認証機関として6つの認証基準を定めてレジデントプログラムの認証を行っている。また、米国のレジデント制度は、卒前教育および専門薬剤師教育と密接に連携・接続しており、このことがレジデント制度の発展と専門薬剤師数の増加に繋がっていると考えられる。
(2)レジデント制度の自己評価と相互チェックを実施するための体制整備
薬剤師の卒後研修を評価するための評価項目と基準ならびに評価票(案)を作成した。本評価基準案は、ASHPのレジデントプログラム認証基準の内容と概ね一致しており、それに加えてレジデント修了者のフォローアップ体制の整備を求める内容となっている。
(3)卒後研修に関する医療機関へのアンケート調査
1,505施設から回答を得た。約3割の施設においては、カリキュラムに基づいた1ヶ月以上の薬剤師レジデントあるいは新人教育として卒後研修を実施しており、薬剤師卒後研修カリキュラムを検討する上では、そのような先駆的取り組みを行っている施設がモデルとなる。
結論
(1)米国のレジデント制度の現地調査
高い臨床能力を有した薬剤師を養成するには、初期研修として標準的なカリキュラムに従った研修を行うことが考えられるが、実施内容や体制等について、引き続き検討が必要である。また、我が国の薬剤師のレジデント制度は、専門薬剤師制度と連携していないが、今後、レジデント制度を利用する薬剤師を増加させ、臨床薬剤師の養成をさらに進めるためには、米国のように専門薬剤師制度との連携を考慮した卒後研修とすることを考える必要がある。
(2)レジデント制度の自己評価と相互チェックを実施するための体制整備
医師と同様に、薬剤師のレジデント制度についても自己評価・相互チェックのスキームを確立し、その方法を活用することにより、各施設において実施されている研修プログラムの質の保証に繋がり、全国で統一的なレジデント研修の実施が可能となることが期待できる。
(3)卒後研修に関する医療機関へのアンケート調査
広く薬剤師としての人格を涵養し、患者を全人的にとらえることができる高い臨床能力を有した薬剤師を養成するには、初期研修として標準的なカリキュラムに従った研修を行うことが考えられるが、実施内容や体制等について更に検討が必要である。その上で、専門性を高めるカリキュラムに従った研修を実施することにより、専門薬剤師というキャリアパスに結びつけることも可能となると考えられる。

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201925027Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,000,000円
(2)補助金確定額
6,000,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 844,705円
人件費・謝金 150,000円
旅費 2,527,934円
その他 1,377,361円
間接経費 1,100,000円
合計 6,000,000円

備考

備考
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