新たな臨床研修の到達目標・方略・評価を踏まえた指導ガイドラインに関する研究

文献情報

文献番号
201922034A
報告書区分
総括
研究課題名
新たな臨床研修の到達目標・方略・評価を踏まえた指導ガイドラインに関する研究
課題番号
H30-医療-指定-013
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
福井 次矢(聖路加国際大学 聖路加国際病院)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 理(聖路加国際大学)
  • 高橋 誠(北海道大学)
  • 高村 昭輝(金沢医科大学)
  • 前野 哲博(筑波大学)
  • 片岡 仁美(臼井 仁美)(岡山大学)
  • 鈴木 康之(岐阜大学)
  • 野村 英樹(金沢大学付属病院)
  • 大出 幸子(聖路加国際大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
2,693,000円
研究者交替、所属機関変更
研究分担者 髙橋 誠  東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科(平成31年4月1日~令和元年5月31日  北海道大学 大学院医学研究院(令和元年6月1日以降)

研究報告書(概要版)

研究目的
平成16年(2004年)度に必修化された医師臨床研修制度は、5年を目途に見直しがなされることになっている。令和2年(2020年)度に予定されている第3回目の見直し時には臨床研修の到達目標をも見直すこととされ、平成30年(2018年)7月3日付の厚生労働省医政局長の臨床研修省令施行通知文書<臨床研修の到達目標、方略及び評価>が発出された。
本研究では、平成30年(2018年)度と令和元年(2019年)度の2年間で、①新たに策定された<臨床研修の到達目標、方略及び評価>が全国の臨床研修病院にて円滑に導入されるよう、『医師臨床研修指導ガイドライン』を作成すること、②作成した『医師臨床研修指導ガイドライン』の内容をブラッシュアップすること、③作成した『医師臨床研修指導ガイドライン」を用いて、全国の臨床研修病院やプログラム責任者、指導医へ<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の周知・普及を図ること、そして、④<臨床研修の到達目標、方略及び評価>を英訳することである。
本研究の2年目で最終年にあたる令和元年(2019年)度の研究目的は、前年度作成した『医師臨床研修指導ガイドライン』のブラッシュアップ、『医師臨床研修指導ガイドライン』を用いた<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の周知・普及、<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の英訳である。
研究方法
令和元年(2019年)度中、研究班会議を5回開催した。
前年度作成した『医師臨床研修指導ガイドライン』の内容を詳細に読み込み、研究分担者、研究協力者の間で訂正を必要とする箇所がないかどうか、ブラッシュアップ作業を行った。並行して、聖路加国際病院の1年次及び2年次研修を対象に、指導医や指導者が実際に評価票を用いて評価し、ブラッシュアップの必要がないかどうか、遣い勝手などについて検討した。
『医師臨床研修指導ガイドライン』の英訳(下訳)を業者に依頼し、研究者による微調整を行った。
結果と考察
『医師臨床研修指導ガイドライン』のブラッシュアップ作業では、7か所-大多数は、字句の整合性-の変更を行うこととなった。なお、評価票を実際に現場で使ってみた結果、現時点では、特に変更を要すると判断されたところはなかった。
『医師臨床研修指導ガイドライン』を用いた<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の周知・普及に関しては、厚生労働省のホームページ(URL http://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03924.html)への記載に加え、学会や研修会、指導医講習会、NPO法人卒後臨床研修評価機構での講演、eラーニング教材の作成などを行った。
 <臨床研修の到達目標、方略及び評価>の英訳を行った。
今後とも、『医師臨床研修指導ガイドライン』のブラッシュアップを繰り返し、周知・普及に努める必要がある。
『医師臨床研修指導ガイドライン』が広く活用されることによって、平成30年(2018年)に策定された新たな<臨床研修の到達目標、方略及び評価>が円滑に導入され、新たな到達目標を達成した優れた医師がより多く養成される可能性が高くなり、ひいては国民の健康と福利の向上に繋がるはずである。
<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の英訳版の作成は、今や世界のトップクラスにあるわが国の医療を支える医師の卒後臨床研修制度が独自の発展を遂げつつある現状について、海外への発信が容易になることが期待される。
結論
前年度作成した『医師臨床研修指導ガイドライン』のブラッシュアップを行い、ホームページの改訂、さまざまな学会や研修会での周知・普及を図り、eラーニングの教材も作成した。
『医師臨床研修指導ガイドライン』の英訳版を作成した。

公開日・更新日

公開日
2021-05-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-05-11
更新日
2021-11-09

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201922034B
報告書区分
総合
研究課題名
新たな臨床研修の到達目標・方略・評価を踏まえた指導ガイドラインに関する研究
課題番号
H30-医療-指定-013
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
福井 次矢(聖路加国際大学 聖路加国際病院)
研究分担者(所属機関)
  • 大滝 純司(北海道大学)
  • 高橋 理(聖路加国際大学)
  • 高橋 誠(北海道大学)
  • 高村 昭輝(金沢医科大学)
  • 前野 哲博(筑波大学)
  • 片岡 仁美(臼井 仁美)(岡山大学)
  • 鈴木 康之(岐阜大学)
  • 野村 英樹(金沢大学付属病院)
  • 大出 幸子(聖路加国際大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
平成16年(2004年)度に必修化された医師臨床研修制度は、5年を目途に見直しがなされることになっている。令和2年(2020年)度に予定されている第3回目の見直し時には臨床研修の到達目標をも見直すこととされ、平成30年(2018年)7月3日付の厚生労働省医政局長の臨床研修省令施行通知文書<臨床研修の到達目標、方略及び評価>が発出された。
本研究では2年間で、①新たに策定された<臨床研修の到達目標、方略及び評価>が全国の臨床研修病院にて円滑に導入されるよう、『医師臨床研修指導ガイドライン』を作成すること、②作成した『医師臨床研修指導ガイドライン』の内容をブラッシュアップすること、③作成した『医師臨床研修指導ガイドライン」を用いて、全国の臨床研修病院やプログラム責任者、指導医へ<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の周知・普及を図ること、そして、④<臨床研修の到達目標、方略及び評価>を英訳することである。
研究方法
 1年目の平成30年(2018年)度中、研究班会議を5回開催し、『医師臨床研修指導ガイドライン』の作成を進めた。年度末までに最終版を確定し、印刷して全国の研修病院への郵送、厚生労働省のホームページへの掲載を行った。聖路加国際病院の指導医16名、看護師18名、コメディカル10名の計44名に研修医評価票Ⅰ~Ⅲを記載してもらい、その内容や使い勝手についてフィードバックを受けた。
 2年目の令和元年(2019年)度中、研究班会議を5回開催し、大部分の時間を前年度作成した『医師臨床研修指導ガイドライン』のブラッシュアップに費やした。年度を通じて、学会や卒後臨床研修に係る講習会・研修会、NPO法人卒後臨床研修評価機構等で講演を行い、<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の周知・普及を図った。また、前年度聖路加国際病院にて開催した研修医の評価に関するワークショップのビデオを用いて、eラーニング教材を作成した。
 <臨床研修の到達目標、方略及び評価>の英訳(下訳)を業者に依頼し、研究者が内容の微調整を行った。
結果と考察
1年目に『医師臨床研修指導ガイドライン』を作成し、2年目にはブラッシュアップ作業を行った。内容の変更はわずかで、大多数は字句の整合性の問題であった。なお、評価票を実際に現場で使ってみた結果、現時点では、特に変更を要すると判断されたところはなかった。
『医師臨床研修指導ガイドライン』を用いた<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の周知・普及に関しては、厚生労働省のホームページ(URL http://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_03924.html)への記載に加え、学会や研修会、指導医講習会、NPO法人卒後臨床研修評価機構での講演、eラーニング教材の作成などを行った。
 <臨床研修の到達目標、方略及び評価>の英訳を行った。
今後とも、『医師臨床研修指導ガイドライン』のブラッシュアップを繰り返し、周知・普及に努める必要がある。
『医師臨床研修指導ガイドライン』が広く活用されることによって、平成30年(2018年)に策定された新たな<臨床研修の到達目標、方略及び評価>が円滑に導入され、新たな到達目標を達成した優れた医師がより多く養成される可能性が高くなり、ひいては国民の健康と福利の向上に繋がるはずである。
<臨床研修の到達目標、方略及び評価>の英訳版の作成は、今や世界のトップクラスにあるわが国の医療を支える医師の卒後臨床研修制度が独自の発展を遂げつつある現状について、海外への発信が容易になることが期待される。
結論
本研究班では、1年目に『医師臨床研修指導ガイドライン』を作成し、各臨床研修病院に10部ずつ配布するとともに、厚生労働省のホームページに掲載した。
2年目には、『医師臨床研修指導ガイドライン』のブラッシュアップを行い、ホームページの改訂、さまざまな学会や研修会での周知を図り、eラーニングの教材も作成した。
『医師臨床研修指導ガイドライン』の英訳版を作成した。
本研究の結果が、より多くの優れた医師の養成、ひいては国民の健康と福利の向上に繋がることが期待される。

公開日・更新日

公開日
2021-05-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-05-11
更新日
2021-11-09

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201922034C

成果

専門的・学術的観点からの成果
平成30年に発出された新たな<臨床研修の到達目標、方略及び評価>は令和2年度に施行されることになっている。1,000を超える臨床研修病院で<臨床研修の到達目標、方略及び評価>が円滑に導入されるためには、考えうる範囲で、事前に対策を講じておくことが望ましい。本研究班で作成した『医師臨床研修指導ガイドライン-2020年度版-』は、多くの関係者の行動変容を必要とするプロジェクトを成功させる上で、教育学的にも適切な内容となっていると考えられる。
臨床的観点からの成果
新たな<臨床研修の到達目標>は、いわゆるoutcome-based educationの理論を踏まえたもので、プロフェッショナリズム、資質・能力、基本的診療業務の3つの側面から成る。本研究班作成の『医師臨床研修指導ガイドライン』を厚生労働省ホームページへ掲載し、学会や研修会、NPO法人卒後臨床研修評価機構等での講演により周知・普及を図った。本研究班のこのような試みは、より多くの優れた医師の養成に繋がり、ひいては国民の健康と福利の向上に繋がることが期待される。
ガイドライン等の開発
本研究の1年目に、『医師臨床研修指導ガイドライン』を作成した。本文60ページで、目次構成は序章、第1章 到達目標、第2章 実務研修の方略、第3章 到達目標の達成度評価、第4章 指導体制・指導環境、第5章 研修医の労務環境、第6章 医師臨床研修に関するQ&Aとなっている。平成31年(2019年)3月末日までに、全国の臨床研修病院に本冊子10部ずつ郵送し、厚生労働省のホームページに掲載した。
2年目には、『医師臨床研修指導ガイドライン』のブラッシュアップを行った。
その他行政的観点からの成果
『医師臨床研修指導ガイドライン』は、本研究班と厚生労働省医政局医事課医師臨床研修推進室との緊密な連携のもとで作成された。医師の臨床研修における到達目標の達成度評価は、今後、全研修医について毎年行われるため、本研究班作成による『医師臨床研修指導ガイドライン』は、すべての臨床研修病院で活用されることになり、厚生行政的観点からも重要な成果であると考える。
その他のインパクト
NPO法人卒後臨床研修評価機構で毎年開催される卒後臨床研修のサーベイヤー講習会等では、本研究班の成果が必ず紹介されている。今後は、日本医学教育学会などの学術分野でも、本研究班の成果を軸に、より良い卒後臨床研修プログラムを模索することになると思われる。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2021-05-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
201922034Z