文献情報
文献番号
201919001A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における感染症対策に係るネットワークの標準モデルを検証・推進するための研究
課題番号
H29-新興行政-一般-001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
田辺 正樹(国立大学法人三重大学 医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 鈴木 圭(国立大学法人三重大学 医学部附属病院)
- 新居 晶恵(国立大学法人三重大学 医学部附属病院)
- 村木 優一(京都薬科大学 医療薬科学系臨床薬剤疫学分野)
- 中村 明子(愛知医科大学病院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
5,057,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成28年6月に策定された薬剤耐性(AMR)対策アクションプランにおいて、地域の病院と関係機関(診療所、薬局、高齢者施設、保健所、地方衛生研究所等)とが連携した総合的な感染症対策に係るネットワークの構築が求められているが、既存のネットワークについては様々な形態があり、標準モデルは定まっていない。感染症対策のネットワークを各地域で構築するため、具体的なモデルを提唱し、種々のAMR対策の効果について検証を行うのが本研究の目的である。
研究方法
本研究は、(1)感染症対策の地域ネットワークの標準モデルを検討するにあたり、全国の感染症対策の地域ネットワークの現状と課題を把握するため、47都道府県・20指定都市の院内感染対策又は感染症対策の担当者を対象にアンケート調査を実施し、その結果をもとに、モデル事業化するにあたっての留意事項を検討した。(2)三重県感染対策支援ネットワーク(MieICNet)の活動を継続するとともに、研究班において新たに実施する内容も含め、地域ネットワークで行う各種事業の内容・体制構築のプロセスを整理した。
結果と考察
(1)平成29年度の初年度にアンケート調査を実施し、結果を取りまとめ、平成30年度はその結果をもとにモデル事業実施要綱(案)を作成した。平成31年度は、令和2年度からの三重県における事業化に向けた検討を行った。(2)MieICNetでは、AMR対策を含めた感染症対策の地域連携を進めていく上で、モニタリングとアクションを2つの柱として、様々な活動を行っている。AMRに関するモニタリングとしては、県内の医療機関を対象に微生物サーベイランス(Mie Nosocomial Infectious Surveillance: MINIS)と抗菌薬サーベイランス(Mie Antimicrobial Consumption Surveillance: MACS)を行うとともに、本研究において、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を用いた全国の抗菌薬使用量調査を行い、三重県内の二次医療圏別のデータ分析を行った。アクションとしては、感染予防・管理と抗菌薬適正使用の2つを大きなテーマとして、医療従事者向け、高齢者施設向け、市民向けに研修会を開催するなど教育・啓発活動を行った。
結論
MieICNet事業について、MieICNetのホームページ上で公開するとともに、地域感染症対策ネットワークモデル事業実施要綱(案)を策定することで、令和2年度から厚生労働省において新規事業化された「抗菌薬適正使用推進モデル事業」へつなげることができた。三重県においても、本研究班で実施した内容をもとに、抗菌薬適正使用推進について事業化していく予定である。また、本研究班で実施したAMR対策に係る啓発活動が、第3回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰式において薬剤耐性対策推進国民啓発会議議長賞を受賞することができた。
公開日・更新日
公開日
2021-05-21
更新日
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