介護保険施設等の被災状況把握を迅速化する情報システムの開発研究

文献情報

文献番号
201916011A
報告書区分
総括
研究課題名
介護保険施設等の被災状況把握を迅速化する情報システムの開発研究
課題番号
19GA1003
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
久保 達彦(産業医科大学 産業生態科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 近藤 久禎(国立病院機構 DMAT事務局)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 長寿科学政策研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
4,616,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、我が国の大災害に伴う防ぎえた死および災害関連死の多くは高齢者に局在している(東日本大震災における震災関連死に関する報告 復興庁 2012年)。想定される南海トラフ大地震等においてこの課題に効果的に対処するためには、特に災害時に支援を必要とする高齢者が集まる介護保健施設等の支援ニーズをいち早く「見える化」し、かつ、そのニーズを多様な団体による総力的支援につなげていくことが重要である。一方で、現状においては我が国に災害時に介護保険施設等の状況把握を行うことを目的として設置されているInformation and Communication Technology (ICT)システムは存在しない。本研究ではこの課題に対処するために、平成29~30年度に実施された「介護保険施設等の状況把握を平時と有事にシームレスに可能とするICTシステムの開発に関する研究」(H29-長寿-一般-001)の研究成果として開発された介護保険施設等被災状況見える化システム(試作品)の社会実装に目指して研究を推進している。今年度は、A.標準業務手順書(SOP)等のシステムの運用に必要な関係資料を策定するとともに(システム/SOP/仕様開発)、B.関係成果品を訓練及び実災害で稼働させて社会実装に向けた課題整理すること(訓練/実災害運用)を研究目的とした。
研究方法
①情報システムの課題検討:先行研究成果として開発された介護保険施設等被災状況見える化システム(試作品)のブラッシュアップを、関係施策との整合性にも留意しつつ推進した。関係施策との整合性としては「災害発生時における社会福祉施設等の被災状況の把握等について」平成31年3月11日 子発0311第1号 社援発0311第8号 障発0311第7号 老発0311第7号)との整合性に留意した情報システムのあり方を検討した。②SOP開発:災害医療分野での先行知見を参照にしつつ、情報システムの運用に関する標準運用手順書(SOP)を作成した。③仕様の策定:システムの社会実装に向けて、関係研究成果をシステム仕様書として取りまとめた。
B)(訓練/実災害運用)
以下訓練及び実災害対応において研究成果を稼働させて検証した。
訓練①:内閣府主催令和元年度大規模地震時医療活動訓練
訓練②:済生会関東ブロック災害対応訓練
災害①:千葉県令和元年台風15号
災害②:熊本県令和2年7月豪雨
結果と考察
関係成果物について、「介護保険施設等被災状況全国共通報告様式ver.20190801F」は平成31年事務連絡に対応させた。平成29年事務連絡の内容と比べて報告項目数が増えたために、A4用紙1ページでは収まらず、A4両面2ページの構成となったものの、表面には「全ての災害時に記載する項目」、裏面には「災害の影響が4日以上、継続する見込みがある場合のみ記載する項目」を掲載することで、簡潔明瞭性を担保した。介護保険施設等被災状況見える化システム標準業務手順書(SOP)については、自治体・関係団体用と、データの管理に当たるオフサイトチーム用を策定し、SOPに合わせて標準教育訓練資料を開発した。またシステムの操作手順書はいずれもA4用紙1枚で印刷可能なレイアウトとした。これらの知見と以降にあげる訓練及び実災害運用で得らえた知見も統合して、介護保険施設等の被災状況把握を迅速化する情報システムのソフトウェア仕様書としてとりまとめた。成果物は2つの訓練機会を通じてその実用性が確認されたものの、実災害の機会では、令和元年台風15号における一部地域での利用にとどまり被災県レベルでの実用には至らなかった。最大の理由はシステム利用が事前計画に入っていなことであった。
結論
介護保険施設等被災状況見える化システム(試作品)の社会実装に向けて、①システムの課題検討と対処、②標準業務手順書(SOP)の開発(標準教育訓練資料を含む)、③システム仕様の策定を実施した。成果物として、介護保険施設等被災状況全国共通報告様式(平成31年事務連絡対応FAX報告様式)、標準業務手順書(SOP)(自治体・関係団体用、オフサイトチーム用)、標準教育訓練資料(WEBサイトとパワーポイント)、システム操作手順書(本部用、スマホアプリ報告用、WEB報告用)、介護保険施設等の被災状況把握を迅速化する情報システムのソフトウェア仕様を作成した。今後は、これらの成果物を関係訓練での検証等を通じて継続的にブラッシュアップしていくことが重要である。研究成果物の社会実装に向けて、システム自体の実用性は確かめられつつあるなか、より迅速かつ効率的な情報収集体制を確立していくためには、システムを公的に整備して都道府県の事前計画に組み入れていくことが最も有効である。

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
2023-07-14

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201916011Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,000,000円
(2)補助金確定額
5,673,000円
差引額 [(1)-(2)]
327,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 1,652,563円
旅費 302,180円
その他 2,335,160円
間接経費 1,384,000円
合計 5,673,903円

備考

備考
支出研究費のうち903円は自己資金にて支出したため

公開日・更新日

公開日
2021-06-02
更新日
-