文献情報
文献番号
201911053A
報告書区分
総括
研究課題名
神経難病における中枢神経感作のメカニズム研究とアンメットニーズに応える革新的治療法の開発
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-難治等(難)-一般-060
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
眞野 智生(奈良県立医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 齋藤 洋一(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 脳神経機能再生学 特任教授(常勤))
- 望月 秀樹(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 脳神経内科学 教授)
- 細見 晃一(国立大学法人大阪大学 大学院医学系研究科 脳神経機能再生学 特任准教授(常勤))
- 宮井 一郎(社会医療法人大道会 森之宮病院 神経リハビリテーション研究部 部長)
- 藤村 晴俊(国立病院機構刀根山病院 診療部 副院長)
- 柴田 政彦(学校法人奈良学園 奈良学園大学 保健医療学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,335,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
神経難病の痛みや異常感覚は、QOLの大きな阻害因子であるにかかわらず、既存の神経学では解明が不十分で、全国規模で調査されておらず、意見統一もできていない。我々は、神経難病において運動感覚ゲーティングの均衡破綻が、異常感覚や疼痛を出現させているという仮説を提唱しており、脳活動、神経症状との関連を調査解析する。また、医療現場における問題点の把握も不十分である。神経難病診療医師に対してアンケート調査し、クリニカルクエスチョンを作成する。情報の共有化を行い、関連学会、非専門医、患者及び国民への普及・啓発し、医療水準向上が期待できる。
研究方法
本研究開発は2つの項目に分かれる。
①神経難病における疼痛に特徴的な客観的指標及び運動感覚閾値の変動を基盤とした中枢神経感作の研究
神経難病患者において、疼痛や異常感覚と、神経学的所見、電気生理学検査、脳機能画像検査との関連を解析することで、神経難病に生じる疼痛や異常感覚に特徴的なバイオマーカーを探索する。2017年中にプロトコルを作成し、2018年2月までの倫理審査委員会での承認を目指す。2018年3月より新規患者のリクルートを行う。過去のデータは診療情報より取得し、疼痛患者群と疼痛の無い神経難病患者群に分けて解析を行う。
<研究対象者>神経難病患者(目標症例数:40症例)
<研究実施期間> 2018年4月~2020年3月
<取得情報>
・患者背景:年齢、罹病期間、病名、病変部位、詳細な神経学的所見、痛みや異常感覚の有無(部位)
・電気生理学的検査:皮質興奮性測定、末梢神経伝導速度検査、一部の被検者には高密度脳波検査
・脳機能画像解析:脳MRI(構造画像、安静時機能的MRI)を用い、一次運動野にseedを設定しseed-voxel analysisを行い、一次運動野に関係するresting state networkを調査する。
・痛みの評価:SF-MPQ 2、PDAS (疼痛生活障害評価尺度)、VAS (Visual analogue scale)
② 神経難病を診療する医師に対する実態把握(アンケートを用いた調査研究)
神経難病を扱う研究班及び関連学会と連携し、会員である医師宛てにアンケート調査を行い、疼痛や異常感覚を訴える神経難病患者への診療について実態調査を施行する。2017年度中に各学会への承諾取得し(理事会の決定によっては、代議員への配布に留まる)、2018年度にアンケートを送付し、回収を始める。2018年度下半期に解析を行う。
これまでに神経難病の疼痛や異常感覚への量的・統計的調査は存在せず、今後の医療費を算出する上でも重要と考える。対応方法や治療内容に、個人差及び地域性があることが想定されるため、全国一斉調査を行う。
①神経難病における疼痛に特徴的な客観的指標及び運動感覚閾値の変動を基盤とした中枢神経感作の研究
神経難病患者において、疼痛や異常感覚と、神経学的所見、電気生理学検査、脳機能画像検査との関連を解析することで、神経難病に生じる疼痛や異常感覚に特徴的なバイオマーカーを探索する。2017年中にプロトコルを作成し、2018年2月までの倫理審査委員会での承認を目指す。2018年3月より新規患者のリクルートを行う。過去のデータは診療情報より取得し、疼痛患者群と疼痛の無い神経難病患者群に分けて解析を行う。
<研究対象者>神経難病患者(目標症例数:40症例)
<研究実施期間> 2018年4月~2020年3月
<取得情報>
・患者背景:年齢、罹病期間、病名、病変部位、詳細な神経学的所見、痛みや異常感覚の有無(部位)
・電気生理学的検査:皮質興奮性測定、末梢神経伝導速度検査、一部の被検者には高密度脳波検査
・脳機能画像解析:脳MRI(構造画像、安静時機能的MRI)を用い、一次運動野にseedを設定しseed-voxel analysisを行い、一次運動野に関係するresting state networkを調査する。
・痛みの評価:SF-MPQ 2、PDAS (疼痛生活障害評価尺度)、VAS (Visual analogue scale)
② 神経難病を診療する医師に対する実態把握(アンケートを用いた調査研究)
神経難病を扱う研究班及び関連学会と連携し、会員である医師宛てにアンケート調査を行い、疼痛や異常感覚を訴える神経難病患者への診療について実態調査を施行する。2017年度中に各学会への承諾取得し(理事会の決定によっては、代議員への配布に留まる)、2018年度にアンケートを送付し、回収を始める。2018年度下半期に解析を行う。
これまでに神経難病の疼痛や異常感覚への量的・統計的調査は存在せず、今後の医療費を算出する上でも重要と考える。対応方法や治療内容に、個人差及び地域性があることが想定されるため、全国一斉調査を行う。
結果と考察
・自主臨床研究「神経難病における疼痛に特徴的な客観的指標及び運動感覚閾値の変動を基盤とした中枢神経感作の研究」(疼痛の無い神経疾患患者との比較:症例対照研究)を行った.予定症例数までには至らなかったが、皮質機能と異常感覚との関連を示し、現在学会発表の準備をしている。
神経難病を診療する医師に対する実態把握(アンケートを用いた調査研究)
・2018年3月に,日本神経学会専門医5470名に対してアンケート用紙を送付し,アンケートを回収,集計を行い,論文化を進めている
神経難病を診療する医師に対する実態把握(アンケートを用いた調査研究)
・2018年3月に,日本神経学会専門医5470名に対してアンケート用紙を送付し,アンケートを回収,集計を行い,論文化を進めている
結論
解析中であるが,神経変性疾患の異常感覚は,脳局所部位同士の異常な結合が原因の可能性が高い.アンケートでは神経内科医師の大部分が神経難病の異常感覚の対応に苦渋していることが理解できた.
公開日・更新日
公開日
2021-05-27
更新日
-