文献情報
文献番号
201911041A
報告書区分
総括
研究課題名
難治性炎症性腸管障害に関する調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H29-難治等(難)-一般-048
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 康夫(東邦大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 安藤 朗(滋賀医科大学 内科学講座)
- 穂苅 量太(防衛医科大学校 消化器内科)
- 岡崎 和一(関西医科大学 医学部)
- 仲瀬 裕志(札幌医科大学 医学部)
- 杉田 昭(横浜市立市民病院 臨牀研究部)
- 西脇 祐司(東邦大学 医学部)
- 松本 主之(岩手医科大学 医学部)
- 池内 浩基(兵庫医科大学 炎症性腸疾患学講座外科部門)
- 金井 隆典(慶應義塾大学 医学部)
- 福島 浩平(東北大学 医工学研究科)
- 中村 志郎(兵庫医科大学 炎症性腸疾患学講座内科部門)
- 緒方 晴彦(慶應義塾大学 医学部内視鏡センター)
- 中野 雅(北里大学北里研究所病院 消化器内科)
- 松岡 克善(東邦大学 医学部)
- 久松 理一(杏林大学 第三内科学(消化器内科))
- 猿田 雅之(東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科)
- 清水 俊明(順天堂大学 医学研究科)
- 平井 郁仁(福岡大学筑紫病院 炎症性腸疾患センター)
- 二見 喜太郎(福岡大学筑紫病院 臨床医学研究センター(外科))
- 畑 啓介(東京大学 医学部)
- 長堀 正和(東京医科歯科大学 臨床試験管理センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
19,784,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
1973年以降「難治性炎症性腸管障害」に関する研究を長年に渡り牽引してきた研究班の継続とさらなる発展を目指し、いまだ原因不明で難治例・重症例を数多く有するにもかかわらず患者数の増大が著しい潰瘍性大腸炎・クローン病(IBD)に加え、新規難病指定された希少疾患のクロンカイト・カナダ症候群・非特異性多発性小腸潰瘍症・腸管型ベーチェット病・家族性地中海熱関連性腸炎を研究対象として、それら疾患の最適な診断・治療法を確立し、患者QOLを向上させると同時に医療経済の適正化を図り、国民福祉と社会貢献を実現する3年計画の研究班を組織・運用することを目指す。
研究方法
1.疫学データーの最新化による患者動向の正確な把握と多角的発症・増悪リスク因子解析
2.医療の適正化を目指した最適な診断・治療指針案等の改定
3.臨床的課題解決を目的とした多施設共同研究の立案・遂行
4.研究成果発信により疾患への国民的認知の普及と診療の均一化推進
2.医療の適正化を目指した最適な診断・治療指針案等の改定
3.臨床的課題解決を目的とした多施設共同研究の立案・遂行
4.研究成果発信により疾患への国民的認知の普及と診療の均一化推進
結果と考察
1 疫学プロジェクト
1-aリスク因子に関する多施設共同研究
クローン病における発症・増悪因子として喫煙が抽出、論文化された。
1-b新規治療法の治療経過レジストリー研究
潰瘍性大腸炎患者に対する新規治療薬投与のレジストリー開始準備が整った。
2 広報活動/専門医育成プロジェクト
全国難病拠点化構想に沿った、IBD患者逆紹介システム構築に向けた“逆紹介フォーム”を作成し本研究班web上に公開した。一般医向け講演会資料ともなる冊子「一目でわかるIBD」「知っておきたい治療に必要な基礎知識」「炎症性腸疾患患者さんの食事について Q&A」を作成し、同時にWweb上に公開した。IBD専門医育成に向け日本炎症性腸疾患学会と共同で検討することになった。
3 新たな診断基準案作成
潰瘍性大腸炎とクローン病の診断基準の改訂が逐年的に実施された。炎症性腸疾患活動性指標集作成に向けた準備と確認作業が終了した。
潰瘍性大腸炎における重症度分類にCRPを加える案が提示され、術後の重症度基準を加わえ回腸嚢炎診断基準を策定した。
4 治療指針・ガイドラインの改訂
潰瘍性大腸炎の治療指針改訂では、JAK阻害剤と抗インテグリン阻害剤の適応が追記された。
チオプリン誘導体使用に際し重篤な副作用回避するために新たに保険承認となったNUDT-15遺伝子検査の必要性が追記された。
1-aリスク因子に関する多施設共同研究
クローン病における発症・増悪因子として喫煙が抽出、論文化された。
1-b新規治療法の治療経過レジストリー研究
潰瘍性大腸炎患者に対する新規治療薬投与のレジストリー開始準備が整った。
2 広報活動/専門医育成プロジェクト
全国難病拠点化構想に沿った、IBD患者逆紹介システム構築に向けた“逆紹介フォーム”を作成し本研究班web上に公開した。一般医向け講演会資料ともなる冊子「一目でわかるIBD」「知っておきたい治療に必要な基礎知識」「炎症性腸疾患患者さんの食事について Q&A」を作成し、同時にWweb上に公開した。IBD専門医育成に向け日本炎症性腸疾患学会と共同で検討することになった。
3 新たな診断基準案作成
潰瘍性大腸炎とクローン病の診断基準の改訂が逐年的に実施された。炎症性腸疾患活動性指標集作成に向けた準備と確認作業が終了した。
潰瘍性大腸炎における重症度分類にCRPを加える案が提示され、術後の重症度基準を加わえ回腸嚢炎診断基準を策定した。
4 治療指針・ガイドラインの改訂
潰瘍性大腸炎の治療指針改訂では、JAK阻害剤と抗インテグリン阻害剤の適応が追記された。
チオプリン誘導体使用に際し重篤な副作用回避するために新たに保険承認となったNUDT-15遺伝子検査の必要性が追記された。
結論
本邦における炎症性腸疾患および希少難病クロンカイト・カンダ症候群、非特異性多発性小腸潰瘍症そして腸管型ベーチェット病の罹病数が正確に把握され将来の患者動向が的確に予測可能になったことで、今後一層適正な診断・治療法の確立に向け大いに前進し、炎症性腸疾患および希少難病患者のQOL向上と医療経済の適正化に大いに寄与し社会医療経済と国民福祉の充実に貢献すること大である。内科・外科・小児科を問わず全国から200人を超える専門医が参画し全日本体制の研究班として最終年度を迎え、プロジェクトの大多数は完遂し一部プロジェクトは次期研究班に引き継がれることになった。
公開日・更新日
公開日
2021-05-27
更新日
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