びまん性肺疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
201911016A
報告書区分
総括
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-023
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
稲瀬 直彦(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 弘毅(札幌医科大学 医学部)
  • 今野 哲(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 海老名 雅仁(東北医科薬科大学 医学部)
  • 坂東 政司(自治医科大学 医学部)
  • 蛇澤 晶(地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院)
  • 慶長 直人((公財)結核予防会結核研究所)
  • 針谷 正祥(東京女子医科大学 医学部)
  • 本間 栄(東邦大学 医学部)
  • 岸 一馬(東邦大学 医学部)
  • 吾妻 安良太(日本医科大学 医学部)
  • 小倉 高志(神奈川県立循環器呼吸器病センター)
  • 須田 隆文(浜松医科大学 医学部)
  • 長谷川 好規(名古屋大学 大学院医学研究科)
  • 近藤 康博(公立陶生病院)
  • 伊達 洋至(京都大学 医学研究科)
  • 井上 義一((独)国立病院機構近畿中央呼吸器センター)
  • 上甲 剛(独立行政法人労働者健康安全機構関西労災病院)
  • 服部 登(国立大学法人広島大学 大学院医系科学研究科)
  • 西岡 安彦(国立大学法人徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
15,322,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、指定難病であるサルコイドーシス、特発性間質性肺炎、閉塞性細気管支炎、肺胞蛋白症(自己免疫性および先天性)および周辺疾患を対象として、診断基準、重症度分類、診療ガイドラインの策定・改訂、レジストリを活用した多分野による診療体制の構築、関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動の推進を目的とした。サルコイドーシスについては診療ガイドラインを検証・更新し、関連学会と連携した普及・啓発活動を推進することを目標とした。特発性間質性肺炎については診療ガイドラインの普及を推進し、普及に係る実態や課題を把握することを目標とした。また、レジストリ症例のMDD診断を実施しながら、多分野診療提供体制の構築を目指した。さらに、患者会と連携した普及・啓発活動を推進することを目標とした。閉塞性細気管支炎については関連学会と連携した診断基準、重症度分類、診療ガイドラインの普及・啓発活動を推進することを目標とした。肺胞蛋白症(自己免疫性及び先天性)については関連研究班と共同で診療ガイドラインの改訂を進めることとした。また、関連研究班や患者会と連携した普及・啓発活動を推進することを目標とした。
研究方法
研究代表者に加えて、19名の研究分担者と51名の研究協力者により研究を推進した。研究組織としてサルコイドーシス分科会、特発性間質性肺炎分科会、難治性気道疾患分科会、稀少びまん性肺疾患分科会の4つの分科会を設置した。さらに、サルコイドーシス分科会には2部会(疫学調査・診療ガイド部会、心サルコイドーシス部会)、特発性間質性肺炎分科会には13部会(IIPs診断と治療の手引き・IPF治療ガイドライン部会、IPF合併肺癌ガイドライン部会、ANCA陽性間質性肺炎部会、疫学調査・重症度分類部会、レジストリ部会、画像・診断基準部会、病理部会、クライオバイオプシー部会、PPFE部会、バイオマーカー部会、急性増悪部会、多施設治療研究支援部会、疾病の普及・啓発・患者会支援部会)、稀少びまん性肺疾患分科会には3部会(HPS・若年進行性肺線維症部会、肺胞蛋白症部会、肺胞微石症・特発性肺骨化症部会)を設置した。
結果と考察
サルコイドーシスについては、診療ガイドラインを検証・更新し、日本サルコイドーシシス/肉芽腫性疾患学会のホームページに公開した。特発性間質性肺炎については特発性肺線維症の治療ガイドライン2017におけるクリニカルクエスチョン(CQ)に係るGRADE法に基づく公開データを日本呼吸器学会のホームページに公開した。また、日本医療研究開発機構(難治性疾患実用化研究事業) 特発性間質性肺炎の診断精度向上とエビデンス創出のためのクラウド型統合データベースとインタラクティブ診断システムの開発に関する研究班と共同で500例を超えるレジストリ症例のMDD診断を実施しながら、多分野診療提供体制を構築した。さらに、間質性肺炎/肺線維症患者会を支援し、令和元年11月に第8回間質性肺炎肺線維症勉強会を開催した。閉塞性細気管支炎については、呼吸器学会学術講演会において難治性気道疾患のシンポジウムおよび呼吸器難病疾患克服に向けての会長企画シンポジウムを企画し、診断基準、重症度分類、診療ガイドラインの普及・啓発活動を推進した。肺胞蛋白症については、日本医療研究開発機構(難治性疾患実用化研究事業)研究班と共同でガイドライン作成委員会を組織し、改訂作業を進めた。また、日本医療研究開発機構(難治性疾患実用化研究事業)研究班と共同で肺胞蛋白症患者会を支援し、令和元年10月に第11回肺胞蛋白症勉強会を開催した。
結論
本研究では、指定難病であるサルコイドーシス、特発性間質性肺炎、閉塞性細気管支炎、肺胞蛋白症(自己免疫性および先天性)および類縁疾病を対象として、診断基準・重症度・診療ガイドラインの策定・改訂、レジストリを活用した多分野診療提供体制の構築、関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動などを推進した。

公開日・更新日

公開日
2021-06-03
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2021-06-03
更新日
2021-11-15

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201911016B
報告書区分
総合
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-023
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
稲瀬 直彦(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 弘毅(札幌医科大学 医学部)
  • 今野 哲(北海道大学 大学院医学研究院)
  • 海老名 雅仁(東北医科薬科大学 医学部)
  • 坂東 政司(自治医科大学 医学部)
  • 蛇澤 晶(地方独立行政法人総合病院国保旭中央病院)
  • 慶長 直人((公財)結核予防会結核研究所)
  • 針谷 正祥(東京女子医科大学 医学部)
  • 本間 栄(東邦大学 医学部)
  • 岸 一馬(東邦大学 医学部)
  • 吾妻 安良太(日本医科大学 医学部)
  • 小倉 高志(神奈川県立循環器呼吸器病センター)
  • 須田 隆文(浜松医科大学 医学部)
  • 長谷川 好規(名古屋大学 大学院医学研究科)
  • 近藤 康博(公立陶生病院)
  • 伊達 洋至(京都大学 医学研究科)
  • 井上 義一((独)国立病院機構近畿中央呼吸器センター)
  • 上甲 剛(独立行政法人労働者健康安全機構関西労災病院)
  • 服部 登(国立大学法人広島大学 大学院医系科学研究科)
  • 西岡 安彦(国立大学法人徳島大学 大学院医歯薬学研究部)
  • 酒井 文和(埼玉医科大学 国際医療センター)
  • 渡辺 憲太朗(福岡大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、指定難病であるサルコイドーシス、特発性間質性肺炎、閉塞性細気管支炎、肺胞蛋白症(自己免疫性および先天性)および周辺疾患を対象として、診断基準、重症度分類、診療ガイドラインの策定・改訂、レジストリを活用した多分野による診療体制の構築、関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動の推進を目的とした。サルコイドーシスについては診断基準、重症度分類、診療ガイドラインを策定・改訂することを目標とした。特発性間質性肺炎については診断基準、重症度分類、診療ガイドラインを策定・改訂すること、レジストリを活用して多分野診療提供体制を構築すること、関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動を推進することを目標とした。閉塞性細気管支炎については診断基準、重症度分類、診療ガイドラインを策定・改訂することを目標とした。肺胞蛋白症(自己免疫性及び先天性)については診断基準、重症度分類、診療ガイドラインを策定・改訂すること、関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動を推進することを目標とした。
研究方法
研究代表者に加えてのべ21名の研究分担者と研究を推進した。研究組織としてサルコイドーシス分科会、特発性間質性肺炎分科会、難治性気道疾患分科会、稀少びまん性肺疾患分科会の4つの分科会を設置した。サルコイドーシス分科会は平成30年度より心サルコイドーシス部会を新設し、従来の活動については疫学調査・診療ガイド部会として担当することとした。特発性間質性肺炎分科会は平成29年度より11部会(診療ガイドライン部会、IPF合併肺癌ガイドライン部会、ANCA陽性間質性肺炎部会、臨床個人票・重症度分類部会、レジストリ部会、画像部会、病理部会、PPFE部会、バイオマーカー部会、多施設治療研究支援部会、疾病の普及・啓発・患者会設立部会)でスタートした。平成30年度からは診療ガイドライン部会はIIPs診断と治療の手引き・IPF治療ガイドライン部会に、臨床個人票・重症度分類部会は疫学調査・重症度分類部会に、画像部会は画像・診断基準部会に、疾病の普及・啓発・患者会設立部会は疾病の普及・啓発・患者会支援部会にそれぞれ名称変更された。また、クライオバイオプシー部会、急性増悪部会が新設された。難治性気道疾患分科会は平成29年度より部会設置を行わず包括的に研究を推進した。稀少びまん性肺疾患分科会には平成29年度より3部会(HPS・若年進行性肺線維症部会、肺胞蛋白症部会、肺胞微石症部会)でスタートした。平成30年度から肺胞微石症部会を肺胞微石症・特発性肺骨化症部会に名称変更した。
結果と考察
サルコイドーシスについては、平成30年度に診療ガイドライン(サルコイドーシス診療の手引き2018)を改訂した。特発性間質性肺炎については、平成29年度に間質性肺炎合併肺癌に関するステートメントを刊行した。また、日本医療研究開発機構(難治性疾患実用化研究事業) 研究班と共同で、呼吸器医、画像診断医、病理診断医による多分野診断チームの組織し、レジストリ症例のMDD診断を実施した。さらに、間質性肺炎/肺線維症患者会および同患者会関東支部を設立した。平成30年度には特発性肺線維症の治療ガイドライン2017を英文化し、日本呼吸器学会と連携して間質性肺炎・肺線維症に関する啓発チラシを作成した。令和元年度には患者と家族を対象としたアンケート調査を実施し、診療ガイドラインの普及に係る実態や課題を把握した。平成30年度から令元年度まで患者会の支援を行い、毎年間質性肺炎肺線維症勉強会を開催した。閉塞性細気管支炎については、平成29年度に診療ガイドライン(難治性びまん性肺疾患診療の手引き)を刊行した。平成30年度には閉塞性細気管支炎の診断基準・重症度分類について日本呼吸器学会の承認を得た。肺胞蛋白症については、平成29年度より日本医療研究開発機構(難治性疾患実用化研究事業)研究班と共同でガイドライン作成委員会を組織し、ガイドラインの改訂作業を進めた。平成30年度には国際ガイドライン作成の準備を進め、米国およびドイツにおいて海外の研究者とガイドラインに関する討議を行った。平成30年度から令元年度まで患者会の支援を行い、毎年肺胞蛋白症勉強会を開催した。
結論
本研究では、指定難病であるサルコイドーシス、特発性間質性肺炎、閉塞性細気管支炎、肺胞蛋白症(自己免疫性および先天性)および類縁疾病を対象として、診断基準・重症度・診療ガイドラインの策定および改訂、レジストリを活用した多分野診療提供体制の構築、関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動などを推進し、その結果として難病患者の実態把握、診断・治療の標準化、難病患者のQOL向上を実現した。

公開日・更新日

公開日
2021-06-03
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201911016C

収支報告書

文献番号
201911016Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,918,000円
(2)補助金確定額
19,918,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 7,949,450円
人件費・謝金 2,268,137円
旅費 2,973,690円
その他 2,131,388円
間接経費 4,596,000円
合計 19,918,665円

備考

備考
自己資金:665円

公開日・更新日

公開日
2021-05-27
更新日
2021-06-14