女性の健康の包括的支援に関する情報発信基盤構築と多診療科医療統合を目指した研究

文献情報

文献番号
201910001A
報告書区分
総括
研究課題名
女性の健康の包括的支援に関する情報発信基盤構築と多診療科医療統合を目指した研究
課題番号
H30-女性-一般-001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
藤井 知行(東京大学大学院 医学部附属病院女性診療科・産科)
研究分担者(所属機関)
  • 大須賀 穣(東京大学大学院 医学部付属病院女性外科)
  • 秋下 雅弘(東京大学大学院 医学部付属病院老年病科)
  • 市橋 香代(東京大学大学院 医学部付属病院臨床神経科)
  • 菊池 昭彦(埼玉医科大学総合医療センター)
  • 北中 幸子(東京大学大学院 医学部付属病院小児科)
  • 田中 栄(東京大学大学院 医学部付属病院整形外科)
  • 対馬 ルリ子(対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座)
  • 鈴木 眞理(堀田 眞理)(政策研究大学院大学)
  • 平池 修(和田 修)(東京大学大学院 医学部付属病院女性診療科)
  • 若尾 文彦(国立がん研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 女性の健康の包括的支援政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
14,026,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
信頼できるソースをインターネット上に構築することから活動を始め、情報は日々更新されることと、情報基盤の内容を常に見直しする事業を継続してきて、「女性の健康包括的支援のための診療ガイドブック」と「女性の健康推進室 ヘルスラボ」の広報活動を進めることを重点的目標とした。女性の健康についての啓発、教育、相談などを担う「女性の健康相談員」を養成するための既存の教育プログラムにおいて、産婦人科についての内容だけでなく、多診療科の内容を組み込んだテキストを作成し、ホームページを利用したeラーニングシステムを構築し包括的健康支援のための相談体制を充実させる。2)摂食障害は女性のありふれた疾患になったが、日本では専門医や治療施設が患者数に対して不足しており、社会一般の正しい認識も不十こと、HPの更新をしてユーザーの解析をおこなった。
研究方法
HPのアクセス情報については経年的にフォローしているが、グーグルアナリティクスを用いてユーザー属性、PV、セッション数などを解析した。日本産科婦人科学会の協力のもと、日本産科婦人科学会が事業としておこなっていた、思春期から更年期・老年期まで一生を通した「女性のヘルスケアアドバイザー」養成用の資料を、学会委員会の許諾を受けた上で本HPに使うため改変をしたが、今年度は働く女性に関するテーマを抽出して、eラーニングに適した内容で資料を作成した。
結果と考察
2016年3月にHPが開設されて以来、2019年12月末日までのHPへのアクセスに関するデータを解析し、デバイス別セッション数および年齢別月間セッション数からみたユーザー属性を検討した。概ね25~35歳までのiOSを用いる女性ユーザーというのが本HP閲覧の典型層であり、24歳以下、40歳以上にリーチできていない傾向が明らかである。アクセスの重要な指標であるページビューPV数(サイト内のページが表示された回数)は、2019年4~9月までの低迷から、10月以降著しい伸長があり、最大170万にまで到達し、以降安定している。令和元年度はその中に含まれていなかった整形外科領域、精神科領域内容を入れることで、ガイドブックと同等の扱いになるよう拡大することが可能となった。2019年度は女性健康維持の実地例収集として、なでしこ銘柄企業を中心に行った企業調査に続き、地方自治体を対象とした調査を企画した。茨城県総務部人事課および八王子市役所総務部職員係に調査依頼を行なったが、事例収集を行うには至らなかった、
結論
我々の活動は、HP、ガイドブック、eラーニング教材を複合的に活用して女性の健康を支える医療スタッフと一般人に対する啓発を進めていくことである。アップデートな内容のホームページの公開により、教育内容をeラーニングで習得した健康相談員などが積極的に地域住民を教育・啓発することにより、女性の心身の健康についての意識と理解が高まることが期待される。また、アクセス記録などの解析で得られるHP関連情報をもとに、「多診療科連携による女性診療モデル」として対面診療以外のものを最終的にはオンライン診療のようなものにまで昇華させ、結果として日本全体の女性医療の水準を上げることに貢献する可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2021-02-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201910001B
報告書区分
総合
研究課題名
女性の健康の包括的支援に関する情報発信基盤構築と多診療科医療統合を目指した研究
課題番号
H30-女性-一般-001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
藤井 知行(東京大学大学院 医学部附属病院女性診療科・産科)
研究分担者(所属機関)
  • 大須賀 穣(東京大学大学院 医学部附属病院女性外科)
  • 秋下 雅弘(東京大学大学院 医学部附属病院老年病科)
  • 市橋 香代(東京大学大学院 医学部附属病院精神神経科)
  • 菊池 昭彦(埼玉医科大学総合医療センター)
  • 北中 幸子(東京大学大学院 医学部附属病院小児科)
  • 田中 栄(東京大学大学院 医学部附属病院整形外科)
  • 対馬 ルリ子 (対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座)
  • 鈴木 眞理(堀田 眞理)(政策研究大学院大学)
  • 平池 修(和田 修)(東京大学大学院 医学部附属病院女性診療科)
  • 若尾 文彦(国立がん研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 女性の健康の包括的支援政策研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
特になし

研究報告書(概要版)

研究目的
「女性の健康推進室 ヘルスラボ」を、女性の健康に関する情報源として信頼できるデータにすることを目的としてインターネット上にHPと付随するデータを構築した。アップデータな情報を更新すること、情報基盤の内容を常に見直しする事業を継続することを目的とした。また、初年度においては「女性の健康包括的支援のための診療ガイドブック」を発刊することを目的とし、発刊後はその広報活動を進めることを重点的目標とした。女性の健康についての啓発、教育、相談などを担う「女性の健康相談員」を養成するための既存の教育プログラムにおいて、産婦人科についての内容だけでなく、多診療科の内容を組み込んだテキストを作成し、ホームページを利用したeラーニングシステムを構築し包括的健康支援のための相談体制を充実させる。
研究方法
グーグルアナリティクスを用いて、HPのアクセス情報に付随したデータである、ユーザー属性、PV、セッション数などを解析し、今回は都道府県の推測、男女別の行動様式についてもベースデータを抽出した。日本産科婦人科学会の協力のもと、日本産科婦人科学会が事業としておこなっていた、思春期から更年期・老年期まで一生を通した「女性のヘルスケアアドバイザー」養成用の資料を、学会委員会の許諾を受けた上で本HPに使うため改変をしたが、今年度は働く女性に関するテーマを抽出して、eラーニングに適した内容で資料を作成した。
結果と考察
2016年3月にHPが開設されて以来、2019年12月末日までのHPへのアクセスに関するデータを解析し、デバイス別セッション数および年齢別月間セッション数からみたユーザー属性を検討した。概ね25~35歳までのiOSを用いる女性ユーザーというのが本HP閲覧の典型層であり、24歳以下、40歳以上にリーチできていない傾向が明らかとなった。アクセスの重要な指標であるページビューPV数(サイト内のページが表示された回数)は、2019年4~9月までの低迷から、10月以降著しい伸長があり、最大170万にまで到達し、以降安定している。令和元年度はその中に含まれていなかった整形外科領域、精神科領域内容を入れることで、ガイドブックと同等の扱いになるよう拡大することが可能となった。2019年度は女性健康維持の実地例収集として、なでしこ銘柄企業を中心に行った企業調査に続き、地方自治体を対象とした調査を企画した。茨城県総務部人事課および八王子市役所総務部職員係に調査依頼を行なったが、事例収集を行うには至らなかった、
結論
HP、ガイドブック、eラーニング教材を複合的に活用して、女性の健康を支える知識の啓発事業と医療スタッフと一般人に対する啓発をも同時並行で進めることが可能になったと推測する。アップデートな内容のHPの公開、テキスト、eラーニングなどで習得した健康相談員の育成を今後の目標とする必要があり、それが達成できると、地域住民を教育・啓発することにより、女性の心身の健康についての意識と理解が高まることが期待される。また、アクセス記録などの解析で得られるHP関連情報をもとに、「多診療科連携による女性診療モデル」として対面診療以外のものを最終的にはオンライン診療のようなものにまで昇華させ、結果として日本全体の女性医療の水準を上げることに貢献する可能性がある。

公開日・更新日

公開日
2021-02-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201910001C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本HPは継続的に幅広い層からのアクセスを得ていることから、その有用性は示されていると考える。アップデートされた最新内容のホームページの公開により、教育内容をeラーニングで習得した健康相談員などが積極的に地域住民を教育・啓発することにより、女性の心身の健康についての意識と理解が高まることが期待される。
臨床的観点からの成果
HPを基盤とした健康相談は、相談は受付可能であるが、回数なども考慮すると直接的なものには限界があると考える。女性の健康維持に携わる人達を標的としたeラーニングシステムの実装を完了したので、将来的に教育対象を医療従事者以外の学校保健に携わる教員などにも範囲を拡張出来れば、さらにeラーニングの有用性と重要性は高まるものと考えられる。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
現時点では特に把握していない。
その他のインパクト
仙台放送:仙台いろはのコラム掲載依頼、市川市保健センター:セルフチェックのリンク貼り依頼、リトル・ママフェスタ東京2019でのリーフレット配布(豊島区後援 来場者2日間で16000人見込み)、「医療のかかり方・女性の健康に関する世論調査」に使用(広島商工労働局より冊子の紹介)

発表件数

原著論文(和文)
18件
原著論文(英文等)
115件
その他論文(和文)
3件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
懇話会のような場では事業について研究者同士で紹介をし宣伝している。
学会発表(国際学会等)
0件
懇話会のような場では事業について研究者同士で紹介をし宣伝している。
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
21件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限ります。

原著論文1
Hirano M, Wada-Hiraike O, Miyamamoto Y et al.
A case of functioning gonadotroph adenoma in a reproductive aged woman.
Endocr J.  (2019)
原著論文2
Terao H, Wada-Hiraike O, Nagumo A et al.
Role of oxidative stress in follicular fluid on embryos of patients undergoing assisted reproductive technology treatment.
J Obstet Gynaecol Res , 45 (9) , 1884-1891  (2019)
原著論文3
Arakawa T, Hirata T, Koga K et al
Clinical aspects and management of inguinal endometriosis: A case series of 20 patients.
J Obstet Gynaecol Res , 45 (10) , 2029-2036  (2019)
原著論文4
Kanda R, Miyagawa Y, Wada-Hiraike O et al.
Rikkunshito attenuates induction of epithelial- mesenchymal switch via activation of Sirtuin1 in ovarian cancer cells.
Endocr J. , 67 (4) , 379-386  (2020)

公開日・更新日

公開日
2021-02-24
更新日
-

収支報告書

文献番号
201910001Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
18,233,000円
(2)補助金確定額
18,233,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 9,017,055円
人件費・謝金 186,500円
旅費 1,542,439円
その他 3,280,006円
間接経費 4,207,000円
合計 18,233,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2021-02-12
更新日
-