健康への関心度による集団のグルーピングと特性把握ならびに健康無関心層への効果的な介入手法の確立

文献情報

文献番号
201909027A
報告書区分
総括
研究課題名
健康への関心度による集団のグルーピングと特性把握ならびに健康無関心層への効果的な介入手法の確立
課題番号
19FA1011
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
福田 吉治(帝京大学大学院公衆衛生学研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 石川 ひろの(帝京大学大学院公衆衛生学研究科)
  • 近藤 尚己(東京大学)
  • 林 芙美(女子栄養大学)
  • 田淵 貴大(地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪国際がんセンター)
  • 甲斐 裕子(公益財団法人明治安田厚生事業団 体力医学研究所)
  • 加藤 美生(帝京大学大学院公衆衛生学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
7,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、健康寿命の延伸、疾病予防、健康増進を目的に、特に健康無関心層に対して効果的な介入を実施するため、(1)健康関心度に応じたグルーピングとその特性の把握、(2)健康への関心度の概念の整理と定義づけ、定量化指標(健康関心度尺度(仮称))の開発、(3)先行研究のレビューによる、健康無関心層を中心とした集団の特性に応じた具体的で効果的な介入手法の検討、(4)健康無関心層も含めた疾病予防・健康づくりの推進に向けた取組の提案することを目的とする。
研究方法
各担当分野において、「ナッジ理論の応用事例の収集と健康無関心層の実態に関する調査」(研究1・2)、「健康無関心の概念整理と尺度化に関する研究」(研究3)、「コミットメント効果を活用した職域健診の慢性疾患リスク減少効果における社会経済格差是正の取り組み(研究4)」、「栄養・食生活分野における健康無(低)関心層の特徴について」(研究5)、「自治体におけるナッジを活用した取り組みについて~事例収集~」(研究6)、「健康への関心度及び性年齢階級別の喫煙状況の基礎集計」(研究7)、「行動経済学を応用した体を動かす人を増やす研究」(研究8)、「マスメディアキャンペーンを用いた健康促進介入研究の文献検討」(研究9)を行った。
結果と考察
事例収集として、医療保険者等からは403事例(研究2)、自治体では11事例(研究6)、学術論文からは31論文(研究8)、メディアキャンペーンの介入研究では6論文が抽出された。医療保険者等の事例は、「健診・検診」や「健康づくり」への応用と「インセンティブ」の適応が多かった。また、実践事例である研究4では、保健行動への動機づけが不十分な個人でも保健行動をとれる可能性および代謝性疾患リスクの数値の改善が示された。研究1、研究5、研究7においては、健康関心度と喫煙および不適切な食行動との関連が明らかになった。研究3においては、全22項目、3因子の下位尺度からなる尺度を作成し、その内的整合性、一貫性が概ね良好であることがわかった。

結論
健康無関心層の特徴や健康関心度の概念はまだ十分に明らかにすることができなかったが、その特徴や概念が整理されつつあり、また、定量的な評価として尺度の開発を進めることができた。先行研究のレビューでは、数や内容が限定されているものの、既存の研究や実践の実施状況について把握することができた

公開日・更新日

公開日
2021-02-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201909027Z