文献情報
文献番号
201906029A
報告書区分
総括
研究課題名
医療・福祉専門職種のマンパワー推計と人材確保のための研究
課題番号
19CA2030
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
山本 克也(国立社会保障・人口問題研究所 社会保障基礎理論研究部)
研究分担者(所属機関)
- 加藤 久和(明治大学 政策経済学部)
- 川越 雅弘(埼玉県立大学 大学院保健医療福祉学研究科兼研究開発センター)
- 堀田 聰子(慶應義塾大学 大学院健康マネジメント研究科)
- 山田 篤裕(慶應義塾大学 経済学部)
- 菊池 潤(国立社会保障・人口問題研究所 社会保障基盤理論研究部)
- 井上 希(国立社会保障・人口問題研究所 社会保障基盤理論研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
3,754,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
2018年5月に公表された「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」(内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省)によると、現在(2018年度)823万人の医療・福祉分野の就業者数は、2040年度には1,065万人~1,068万人程度まで拡大することが見込まれている。今後、生産年齢人口が減少していくことが見込まれているため、就業者数全体に対する医療・福祉分野の就業者数の割合は12.5%から19%程度まで上昇することとなる。医療・福祉分野における人材確保は制度運営上の大きな課題であり、従事者の処遇改善などの対策に加え、共通基礎課程の創設なども含めた、医療・福祉分野全体として整合性のある対策が求められている。
医療・福祉分野の人材確保について検討を行うにあたっては、専門職種ごとの将来の見通しが必要となるが、議論の前提となる推計が存在しないのが現状である。医療・福祉分野全体として整合性のあるマンパワー確保策を検討する際の基礎データを提供することを目的とする。
医療・福祉分野の人材確保について検討を行うにあたっては、専門職種ごとの将来の見通しが必要となるが、議論の前提となる推計が存在しないのが現状である。医療・福祉分野全体として整合性のあるマンパワー確保策を検討する際の基礎データを提供することを目的とする。
研究方法
以上の問題認識の下、本研究では、(Ⅰ)各担当部局等が行っている各種推計の課題整理、(Ⅱ)専門職別従事者推計モデルの構築、および(Ⅲ)同モデルを用いた医療・福祉専門職別の将来見通しの作成、を行う。
結果と考察
第1に、医療・介護分野全体でみると、2018年から2040年にかけて、従事者数は189.4万人から191.2万人の増加が見込まれているが、職種別にみると看護師と介護福祉士に対するニーズが大きく拡大し、看護師については20万人程度、介護福祉士については40万人程度の拡大が見込まれる。
第2に、母親の就業率を一定とした現状投影ケースのもとでは、乳幼児人口の減少を受けて、保育所ニーズ、保育士ニーズともに、一貫して減少することが示された。保育所ニーズは2015年の335万人から2040年の250万人まで85万人減少することになる。この結果、保育士に対する需要は、7.5万人(出生中位ケース)減少することとなる。
第3に、2018年から2040年にかけて、医療・介護専門職に対する需要は73万人増加することが見込まれるが、保育士も含めた場合には、65万人の増加にとどまることが示された。現在、医療・介護・福祉の専門資格について、2021年度の実施を目処として、新たな共通基礎課程について検討が行われているところであるが、本研究の結果は、共通基礎課程の導入が医療・介護・福祉専門職の人材確保の面でも一定の効果を持つことを示唆する結果である。
第2に、母親の就業率を一定とした現状投影ケースのもとでは、乳幼児人口の減少を受けて、保育所ニーズ、保育士ニーズともに、一貫して減少することが示された。保育所ニーズは2015年の335万人から2040年の250万人まで85万人減少することになる。この結果、保育士に対する需要は、7.5万人(出生中位ケース)減少することとなる。
第3に、2018年から2040年にかけて、医療・介護専門職に対する需要は73万人増加することが見込まれるが、保育士も含めた場合には、65万人の増加にとどまることが示された。現在、医療・介護・福祉の専門資格について、2021年度の実施を目処として、新たな共通基礎課程について検討が行われているところであるが、本研究の結果は、共通基礎課程の導入が医療・介護・福祉専門職の人材確保の面でも一定の効果を持つことを示唆する結果である。
結論
本研究の結果をより頑健なものとするためには、推計パラメーターの妥当性に関する検証、供給モデルの構築、あるいは、労働市場の需給調整の考慮など、引き続き推計モデルの改善が求められる。
公開日・更新日
公開日
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更新日
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