文献情報
文献番号
201906027A
報告書区分
総括
研究課題名
EU向け輸出二枚貝の海域指定及びモニタリング計画作成の加速化のための調査研究
課題番号
19CA2028
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
鈴木 敏之(国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所 水産物応用開発研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 朝倉 宏(国立医薬品食品衛生研究所 食品衛生管理部)
- 及川 寛(国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所 水産物応用開発研究センター)
- 松嶋 良次(国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所 水産物応用開発研究センター )
- 渡邊 龍一(国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所 水産物応用開発研究センター )
- 内田 肇(国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所 水産物応用開発研究センター )
- 福井 洋平(国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所 水産物応用開発研究センター)
- 大島 千尋(国立研究開発法人水産研究・教育機構 中央水産研究所 水産物応用開発研究センター )
- 持田和彦(国立研究開発法人水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所 環境保全研究センター)
- 田中博之(国立研究開発法人水産研究・教育機構 瀬戸内海区水産研究所 環境保全研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
7,992,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
EUに動物性食品を輸出するためには、EUが求める衛生要件に適合する必要があり、国内規制に基づく措置に加え、追加の措置を講じる必要がある。昨年6月、「農林水産物・食品の輸出拡大のための輸入国規制への対応等に関する関係閣僚会議」において「輸出拡大のための相手国・地域の規制等への対応強化(工程表)」が取りまとめられ、EU向けホタテガイ生産海域について、早急に都道府県等がモニタリング実施体制を構築できるよう政府の支援が求められている。本課題では、EU向けホタテガイの海域指定を行うにあたり、国内規制の根拠となるデータの分析、貝毒の実態調査等を行い、効率的かつ迅速に海域指定を行う科学的知見を提供し,モニタリング計画作成手法について検討する。
研究方法
EUに活ホタテガイを輸出するための生産海域のモニタリング計画を効率的かつ迅速に作成るための手法を検討するにあたり、海域指定の要望がある2海域(北海道(根室海域)及び青森県(陸奥湾西側海域)を想定)をモデル事例として、貝毒等の実態調査を行った上で、モニタリング計画の作成手法を検討する。
結果と考察
青森県陸奥湾西部海域および、北海道根室海域で採捕されたホタテガイについて、各種貝毒成分を分析し、国内やEUにおける規制値との関係を検討した。下痢性貝毒(オカダ酸群)については、両海域ともにモニタリングが必要と考えられるが、麻痺性貝毒については、過去の報告などから根室海域についてモニタリングが必要と考えられた。一方、その他の貝毒については、二枚貝の毒化リスクは極めて低いことが明らかになった。微生物検査においては、両海域のホタテガイともに、EU規則 (EC) No 854/2004およびNo 2073/2005で定められた大腸菌数の基準を下回り、活二枚貝を出荷できるAクラスの海域の基準を満たしていた。従って本課題で調査した北海道および青森県の海域で生産されるホタテガイは、喫食用にEUに輸出するために必要な大腸菌の衛生基準を満たしていることが示された。
環境汚染物質においては、総PCB、有機塩素系農薬及び4-5環のPAH類の濃度を環境省によるモニタリング調査の分析法に従い測定した結果、青森県の陸奥湾西部海域及び北海道の根室海域で水揚げされたホタテガイから検出された環境汚染物質は、EUあるいは我が国の食品衛生法に基づく基準値を下回っており、安全性が確認された。また、重金属についても安全性が確認された。
環境汚染物質においては、総PCB、有機塩素系農薬及び4-5環のPAH類の濃度を環境省によるモニタリング調査の分析法に従い測定した結果、青森県の陸奥湾西部海域及び北海道の根室海域で水揚げされたホタテガイから検出された環境汚染物質は、EUあるいは我が国の食品衛生法に基づく基準値を下回っており、安全性が確認された。また、重金属についても安全性が確認された。
結論
両海域のホタテガイはEUが規定するAクラス海域の基準を満たしているとともに、他の検査結果についてもEUが求める衛生要件に適合していることが確認された。
公開日・更新日
公開日
2021-08-27
更新日
-