AI技術を用いた手術支援システムの基盤を確立するための研究

文献情報

文献番号
201903009A
報告書区分
総括
研究課題名
AI技術を用いた手術支援システムの基盤を確立するための研究
課題番号
H29-ICT-一般-013
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
村垣 善浩(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 村井 純(慶應義塾大学 環境情報学部)
  • 蓜島 由二(国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
22,704,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 日本発の優れた技術であるスマート治療室(Smart Cyber Operating Theater, SCOT )の製品シェアを拡大するために、SCOTシミュレータを開発し、我が国の医療機器産業のSCOTへの新規参入の促進に供した。
さらに「スマート治療室に導入されるアプリケーションに関するガイドライン(案)」を策定し、SCOTの医療現場への円滑な導入促進に寄与することを目的として、医療機器としてのリスクを評価すると共に、SCOTの有効性及び安全性評価の考え方(案)を作成した。これによりSCOTシミュレータ運用の指針を明確化した。
研究方法
・シミュレータ関連事項の継続調査と仕様書への反映(女子医)
・シミュレータのハード・ソフト結合実機デバッグ(女子医、慶応 連携)
・シミュレータのハード・ソフト機能追加と改良(女子医、慶応 連携)
・SCOTに導入されるアプリケーションに関するガイドライン(案)推敲(衛研)
・SCOTの医療機器としてのリスクを評価すると共に、有効性及び安全性評価の考え方(案)の作成(衛研)
結果と考察
【結果】
R元年度は、概ね二週毎にシミュレータのハードとソフトの合同会議を開催した。常に双方が連携して討議を進めることによりソフト、ハードを組み合わせた実機でバッグの効率が向上しバグ修正のターンアラウンドタイムが短縮できた。さらにソフトウエアの階層構造依存、またはハードウエアのスループット等々の制約を相互に情報共有することで有機的に解決し、シミュレータとしての品質向上とともにシミュレータ完成までの時間短縮に好影響を得た。
【考察】
・シミュレータはOPeLiNKへ接続することで、新たに発生するリスクを洗い出し、医療機器として評価すべき項目について検討することができる。
・シミュレータが評価可能な範囲と個別の医療機器として評価が必要となる事例等について、明らかにすることができ、多様な機器のSCOTへの参入を円滑にすることができる。
・認証規格に定めた試験方法を再現するシミュレータとして認証試験等々に活用できる。
・これによりSCOT関連の国際規格に合致した評価試験システムが完成し、すべてのモダリティを有する総合医療機器メーカでなくともSCOTに接続して新製品の事前評価が可能。第三者認証機関は試験項目が明確化することで冗長試験を回避し明快な判定データを得て、認証の迅速化が期待できる。
・新システムや新機能を有するME機器開発時のエミュレータとしても使用可能である。
・コンピュータシステム開発に用いるICE : in-circuit emulator として機能するので開発が加速でき、新機能を持ったSCOT対応のME機器が早期に上市され開発費削減で低価格化の効果も期待できる。
・SCOTのオンサイト試験に活用すると、当該シミュレータがSCOT全体の故障を再現し各ME機器の動作を総合判断できるので、始業前点検や定期点検が高精度で実施可能である。さらにシステムダウン等々を事前に検知し対応をすることでシステム稼働時間を確保し医療の質向上に資すると期待できる。
結論
・シミュレータのハードが完成し実機デバッグと修正が完了した
・シミュレータのソフトが完成し実機デバッグと修正が完了した
・シミュレータ認証のガイドラインと運用の考え方が完成した

我が国の牽引するスマート治療室システムSCOTの普及にあたっては、デバイスメーカやアプリケーション開発者が参入しやすい環境を整備する必要がある。本事業で開発したSCOTシミュレータによりこの要求が具現された。さらに開発を通じて新たな技術応用や有用性が把握できた。さらに「スマート治療室に導入されるアプリケーションに関するガイドライン(案)」により、SCOTデバイスやSCOTアプリケーションの組み合わせが安全且つ効果的に機能する条件を明確化することができた。

公開日・更新日

公開日
2020-11-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2020-11-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

文献情報

文献番号
201903009B
報告書区分
総合
研究課題名
AI技術を用いた手術支援システムの基盤を確立するための研究
課題番号
H29-ICT-一般-013
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
村垣 善浩(東京女子医科大学 先端生命医科学研究所)
研究分担者(所属機関)
  • 村井 純(慶應義塾大学 環境情報学部)
  • 蓜島 由二(国立医薬品食品衛生研究所 医療機器部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本学を中心に推進中の「安全性と医療効率の向上を両立するSCOTの開発」は、まったく新しいコンセプトに基づく医療システム構築を目論むものであるため製品認証に適用する評価規格と装置が存在しない。よって本『AI技術を用いた手術支援システムの基盤を確立するための研究』によりSCOTシミュレータを開発し、安全性と医療効率の向上を両立するスマート治療室、つまり“AI技術を用いた手術支援システムの基盤”を構築しSCOTシステム認証取得の迅速化をはかる。特に評価科学WGの目的は、単体で存在してきた医療機器が、SCOTシステムのカーネル部に採用されている“我が国発の産業用機器ネットワークであるOPeLiNK”を介してSCOTのネットワークに接続される際の個別の医療機器及び統合システムについて、有効性及び安全性評価の考え方を作成することである。
研究方法
女子医、慶応、衛研が以下を分担し邁進。なおH30年度より、女子医、慶応は連携してシミュレータのハードソフトの構成等を案出し開発を進めた。
H29年度:シミュレータのハード仕様書作成(女子医)、ソフト仕様作成(慶応)、ガイドライン方針検討(衛研)
H30年度:シミュレータ関連事項の調査による仕様書への反映と設計。ハードソフト作成。(女子医、慶応 連携)ガイドライン作成(衛研)。
R元年度:シミュレータ実機デバッグとソフト及びハードのブラシアップ(女子医、慶応 連携)、ガイドライン運用の考え方案出。(衛研)
結果と考察
【結果】
R元年度は、概ね二週毎にシミュレータのハードとソフトの合同会議を開催した。常に双方が連携して討議を進めることによりソフト、ハードを組み合わせた実機デバッグの効率が向上しバグ修正のターンアラウンドタイムが短縮できた。さらにソフトウエアの階層構造依存、またはハードウエアのスループット等々の制約を相互に情報共有することで有機的に解決し、シミュレータとしての品質向上とともにシミュレータ完成までの時間短縮に好影響を得た。
【考察】
・シミュレータはOPeLiNKへ接続することで、新たに発生するリスクを洗い出し、医療機器として評価すべき項目について検討することができる。
・シミュレータが評価可能な範囲と個別の医療機器として評価が必要となる事例等について、明らかにすることができ、多様な機器のSCOTへの参入を円滑にすることができる。
・認証規格に定めた試験方法を再現するシミュレータとして認証試験等々に活用できる。
・これによりSCOT関連の国際規格に合致した評価試験システムが完成し、すべてのモダリティを有する総合医療機器メーカでなくともSCOTに接続して新製品の事前評価が可能。第三者認証機関は試験項目が明確化することで冗長試験を回避し明快な判定データを得て、認証の迅速化が期待できる。
・新システムや新機能を有するME機器開発時のエミュレータとしても使用可能である。
・コンピュータシステム開発に用いるICE : in-circuit emulator として機能するので開発が加速でき、新機能を持ったSCOT対応のME機器が早期に上市され開発費削減で低価格化の効果も期待できる。
・SCOTのオンサイト試験に活用すると、当該シミュレータがSCOT全体の故障を再現し各ME機器の動作を総合判断できるので、始業前点検や定期点検が高精度で実施可能である。さらにシステムダウン等々を事前に検知し対応をすることでシステム稼働時間を確保し医療の質向上に資すると期待できる。
結論
・シミュレータのハードが完成し実機デバッグと修正が完了した
・シミュレータのソフトが完成し実機デバッグと修正が完了した
・シミュレータ認証のガイドラインと運用の考え方が完成した

我が国の牽引するスマート治療室システムSCOTの普及にあたっては、デバイスメーカやアプリケーション開発者が参入しやすい環境を整備する必要がある。本事業で開発したSCOTシミュレータによりこの要求が具現された。さらに開発を通じて新たな技術応用や有用性が把握できた。さらに「スマート治療室に導入されるアプリケーションに関するガイドライン(案)」により、SCOTデバイスやSCOTアプリケーションの組み合わせが安全且つ効果的に機能する条件を明確化することができた。

公開日・更新日

公開日
2020-11-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-11-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

行政効果報告

文献番号
201903009C

成果

専門的・学術的観点からの成果
我が国の牽引するスマート治療室システムSCOTの普及にあたっては、デバイスメーカやアプリケーション開発者が参入しやすい環境を整備する必要がある。本事業で開発したSCOTシミュレータによりこの要求が具現された。さらに開発を通じて新たな技術応用や有用性が把握できた。
臨床的観点からの成果
臨床的観点から以下の事項が判明した。
・診断や治療等の医療行為に関係するのは個々のME機器であり、SCOTシステムはこれを行わない。つまり医用機器ではない。
・光通信、無線通信を介して接続するものを含めてネットワークは医用機器ではない。
・電気的に接続しても補助モニター、スピーカーや絶縁トランス、ネトワークハブ等は医用機器でない。同様にSCOTシステムは医用機器ではない。
・SCOTの診断に関わるアプリは医用機器である。つまり医用ソフトである
ガイドライン等の開発
「スマート治療室に導入されるアプリケーションに関するガイドライン」により、SCOTデバイスやSCOTアプリケーションの組み合わせが安全且つ効果的に機能する条件を明確化し、薬機法の下、業としてSCOTシステムを実現するための枠組みに係る考え方が非常に明確になり、内外の認証取得についてのレギュラトリーサイエンスとしての論拠を得て有利に認証を得ることが可能である。
その他行政的観点からの成果
本スマート治療室シミュレータが活用できれば米、欧の製品に有利にはたらいている他国の認証制度にブレークスルーを得て2025年には米国、独中心の欧州企業体、日本の連合企業体の3強が市場を分け合う三極構造が出現すると推定する。
その他のインパクト
本事業により国際標準に整合した、安全性と医療効率の向上を両立するスマート治療室が、我が国の輸出の切り札としての治療室産業を創出することで、医用機器のみならず関連手術室の設備産業も活性化することが可能となった。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
12件
学会発表(国際学会等)
3件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2021-07-14
更新日
-

収支報告書

文献番号
201903009Z