文献情報
文献番号
201903008A
報告書区分
総括
研究課題名
ロボット型内視鏡操作支援システムのAIによる高度化と各種医療機器統合インターフェースとしての展開
課題番号
H29-ICT-一般-012
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
江口 晋(国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
- 小坂 太一郎(長崎大学病院 移植・消化器外科)
- 伊藤 信一郎(長崎大学病院 移植・消化器外科)
- 足立 智彦(国立大学法人長崎大学 大学院医歯薬学総合研究科)
- 喜安 千弥(国立大学法人長崎大学 工学研究科・電気情報科学部門)
- 柴田 裕一郎(国立大学法人長崎大学 工学研究科・電気情報科学部門)
- 薗田 光太郎(国立大学法人長崎大学 工学研究科・電気情報科学部門)
- 諸麥 俊司(中央大学 理工学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(臨床研究等ICT基盤構築・人工知能実装研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,793,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究課題では現在開発を進めているロボット型内視鏡操作支援システムにAIを組み込むことで、術中に外科医を適切にサポートするシステムとして発展させることを目的としている。本システムは、外科医の負担軽減と精度の高い判断を支援すると同時に、各種術中のデータを体系的に統合・収集できるインターフェースとしても機能する。
研究方法
本年度は下記に示した課題1)-5)において、それぞれ下記のように研究計画を策定した。
課題1)操作支援、(自動操作)、手術ナビゲーションシステムのためのデータベースの構築
前年度までに、手術画像に対するAIを用いた学習により、データベース、および手術画像判断システムを構築していたが、これの精度上昇を図るべく、学習画像の増加、学習強化を行う。
課題2)AI知能化とその評価を目的としたロボット型内視鏡操作システムの製作、改良
前年度までに、内視鏡支持部品の滅菌可能化、装置本体からモータや回路など電気的設備の分離を実施し、ワイヤー駆動方式とすることで、本体をまるごと清掃、滅菌可能とすることを可能とし、これの実用性を動物実験で立証した。本年度は更なる軽量化と駆動系と操作指示系統の微調整を行い、よりスムーズな操作性を獲得できるよう改良を行う。また、咬筋刺激による入力デバイスの感度調整を行い、より操作性の向上を図る。
課題3)手術ナビゲーションシステム機能の実装
データベースを学習したAIによる画像診断システムを元に、リアルタイムに画面上に臓器(胆嚢、総胆管、胆嚢管など)を色調変化として臓器上に重ねて表示。画面上の適切な位置に適切なタイミングで執刀医の安全・確実な施術に役立つ情報をリアルタイムで提示する術中画像ナビゲーションシステムを確立。
課題4)内視鏡操作支援機能の実装
課題5)内視鏡自動操作機能の実装
操作支援、自動操作機能に重要となる対象物追尾機能を内視鏡操作支援システムに実装。対象物をナビゲーションシステムで確認し、その画像情報を基に、追尾したい対象臓器、部位を判断し、これを追尾、センタリングすることで上記の機能実現を図る。
ただし、微調整を従来の操作入力システムであるヘッドセットを利用した人的操作で可能とする。
改良型内視鏡操作支援システムの完成後に、AI搭載手術画像診断システムを搭載した術中ナビゲーションシステム、操作支援システム、自動操作システムの実証を行うべく,ブタ手術モデルを用いた評価を行う。
課題1)操作支援、(自動操作)、手術ナビゲーションシステムのためのデータベースの構築
前年度までに、手術画像に対するAIを用いた学習により、データベース、および手術画像判断システムを構築していたが、これの精度上昇を図るべく、学習画像の増加、学習強化を行う。
課題2)AI知能化とその評価を目的としたロボット型内視鏡操作システムの製作、改良
前年度までに、内視鏡支持部品の滅菌可能化、装置本体からモータや回路など電気的設備の分離を実施し、ワイヤー駆動方式とすることで、本体をまるごと清掃、滅菌可能とすることを可能とし、これの実用性を動物実験で立証した。本年度は更なる軽量化と駆動系と操作指示系統の微調整を行い、よりスムーズな操作性を獲得できるよう改良を行う。また、咬筋刺激による入力デバイスの感度調整を行い、より操作性の向上を図る。
課題3)手術ナビゲーションシステム機能の実装
データベースを学習したAIによる画像診断システムを元に、リアルタイムに画面上に臓器(胆嚢、総胆管、胆嚢管など)を色調変化として臓器上に重ねて表示。画面上の適切な位置に適切なタイミングで執刀医の安全・確実な施術に役立つ情報をリアルタイムで提示する術中画像ナビゲーションシステムを確立。
課題4)内視鏡操作支援機能の実装
課題5)内視鏡自動操作機能の実装
操作支援、自動操作機能に重要となる対象物追尾機能を内視鏡操作支援システムに実装。対象物をナビゲーションシステムで確認し、その画像情報を基に、追尾したい対象臓器、部位を判断し、これを追尾、センタリングすることで上記の機能実現を図る。
ただし、微調整を従来の操作入力システムであるヘッドセットを利用した人的操作で可能とする。
改良型内視鏡操作支援システムの完成後に、AI搭載手術画像診断システムを搭載した術中ナビゲーションシステム、操作支援システム、自動操作システムの実証を行うべく,ブタ手術モデルを用いた評価を行う。
結果と考察
課題1)操作支援、(自動操作)、手術ナビゲーションシステムのためのデータベースの構築
独自に作成したニューラルネットワークを構築し、内視鏡手術症例の手術画像に関する畳み込み学習を実施(N=120)。手術画像診断システム、ロボット型内視鏡操作支援システム運転支援システムに関するデータベースを作成した。
課題2)AI知能化とその評価を目的としたロボット型内視鏡操作システムの製作、改良
すでに構築したロボット型内視鏡操作支援システムの改良を実施。術野に配置する内視鏡保持部からワイヤー駆動を改良することでスムーズな操作性を実現した。また、内視鏡操作指令のプログラム改良により、後述の手術ナビゲーションシステムからフィードバックと術者からの操作入力支持の二重支配が可能となるオーバーライド方式を実現した。
課題3)手術ナビゲーションシステムの実装
データベースを学習したAIにより画像診断システムを元に、リアルタイムに画面上に臓器(胆嚢、総胆管、胆嚢管など)を色調変化として臓器上に重ねて表示。画面上の適切な位置に適切なタイミングで執刀医の安全・確実な施術に役立つ情報をリアルタイムで提示する術中画像ナビゲーションシステムを構築し、ブタ胆嚢摘出術モデルを用いた検証で実装可能なことを確認した。
課題4)内視鏡操作支援機能の実装
課題5)内視鏡自動操作機能の実装
操作支援、自動操作機能に重要となる対象物追尾機能を内視鏡操作支援システムに実装。対象物をナビゲーションシステムで確認し、その画像情報を基に、追尾したい対象臓器、部位を判断し、これを追尾、センタリングすることで上記の機能実現。
ブタ胆嚢摘出術モデルを用いた検証で実装可能なことを確認した。
改良型内視鏡操作支援システムの完成後に、AI搭載手術画像診断システムを搭載した術中ナビゲーションシステム、操作支援システム、自動操作システムを総合して評価。経験のある専門医、外科修練医ともに単独でのブタ胆嚢摘出術を可能としていることを確認した。
独自に作成したニューラルネットワークを構築し、内視鏡手術症例の手術画像に関する畳み込み学習を実施(N=120)。手術画像診断システム、ロボット型内視鏡操作支援システム運転支援システムに関するデータベースを作成した。
課題2)AI知能化とその評価を目的としたロボット型内視鏡操作システムの製作、改良
すでに構築したロボット型内視鏡操作支援システムの改良を実施。術野に配置する内視鏡保持部からワイヤー駆動を改良することでスムーズな操作性を実現した。また、内視鏡操作指令のプログラム改良により、後述の手術ナビゲーションシステムからフィードバックと術者からの操作入力支持の二重支配が可能となるオーバーライド方式を実現した。
課題3)手術ナビゲーションシステムの実装
データベースを学習したAIにより画像診断システムを元に、リアルタイムに画面上に臓器(胆嚢、総胆管、胆嚢管など)を色調変化として臓器上に重ねて表示。画面上の適切な位置に適切なタイミングで執刀医の安全・確実な施術に役立つ情報をリアルタイムで提示する術中画像ナビゲーションシステムを構築し、ブタ胆嚢摘出術モデルを用いた検証で実装可能なことを確認した。
課題4)内視鏡操作支援機能の実装
課題5)内視鏡自動操作機能の実装
操作支援、自動操作機能に重要となる対象物追尾機能を内視鏡操作支援システムに実装。対象物をナビゲーションシステムで確認し、その画像情報を基に、追尾したい対象臓器、部位を判断し、これを追尾、センタリングすることで上記の機能実現。
ブタ胆嚢摘出術モデルを用いた検証で実装可能なことを確認した。
改良型内視鏡操作支援システムの完成後に、AI搭載手術画像診断システムを搭載した術中ナビゲーションシステム、操作支援システム、自動操作システムを総合して評価。経験のある専門医、外科修練医ともに単独でのブタ胆嚢摘出術を可能としていることを確認した。
結論
AIナビゲーション、自動操作システムを実装したロボット型内視鏡操作支援システムは、外科医単独による内視鏡手術の実現に大きく寄与できる可能性が示唆された。
公開日・更新日
公開日
2020-11-02
更新日
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