文献情報
文献番号
201902005A
報告書区分
総括
研究課題名
保健・医療関連行為に関する国際分類の我が国への適用のための研究
課題番号
19AB1001
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
川瀬 弘一(聖マリアンナ医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 岩中 督(東京大学 医学部附属病院 )
- 波多野 賢二(国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナル・メディカル・センター 情報管理・解析部 データマネジメント室)
- 高橋 長裕(公益財団法人ちば県民保健予防財団総合健診センター)
- 小川 俊夫(国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科)
- 斉藤 宗則(明治国際医療大学 鍼灸学部)
- 荒井 康夫(北里大学病院 医療支援部診療情報管理室)
- 横堀 由喜子(一般社団法人日本病院会 教育部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和3(2021)年度
研究費
2,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
WHOの国際統計分類ファミリー(WHO-FIC)は、国際統計分類の中心分類として国際疾病分類(ICD)と国際生活機能分類(ICF)、保健・医療関連行為に関する国際分類(ICHI)を設けており、ICHIは現在開発中である。現在はICHI Beta-2 2019版が公開されている。2020年2月までにWHOが要求する正式なICHI フィールドテスト(以下ICHI-FiTと略す)が全世界で行われ、その結果からWHOでの承認を目指している。今後ICHIがWHOで承認されると、国際統計報告のみならず、我が国の保健医療制度等を含め幅広く影響を及ぼす可能性があり、ICHIへの対応については継続していく必要がある。本研究の目的は、ICHI開発に継続して参画し、情報収集・分析やICHI暫定版の検証を行い、さらにICHI-FiT結果を分析し、ICHIがWHOで承認された後の国内対応の準備を進めることである。
研究方法
ICHI-FiTは6つのスタディ・モジュールに大きく分類されている。Medical-surgical interventions (line coding) 100例、Primary care interventions (line coding) 50例、Functioning interventions (line coding) 100例、Public Health interventions (line coding) 25 例、Medical-surgical interventions (case coding) 10例、Functioning interventions (case coding) 10例の合計295問ある。これを提供されたブラウザにログインしExtension Codesを含んだICHIコードを入力する。2020年2月4日時点での回答率、正解率について6つのスタディ・モジュールのうち、4つのLine codingについて検討する。
結果と考察
2019年7月、日本のWHO-FIC コラボレーションセンターに、ICHI-FiTの依頼があり、わが国から140名から参加を表明した。
2020年2月4日時点で、140名の評価者の回答率は71.2%であった。ICHI-FiTの正解率は、Medical-surgical interventions (line coding) 5,961例/10,095例(59.0%)、Primary care interventions (line coding) 61.0%、Functioning interventions (line coding) 59.8%、Public Health interventions (line coding) 25.5%で、合計では53.0%であった。Stem Codeだけは正解している率は、Medical-surgical interventions (line coding) 77.0%、Primary care interventions (line coding) 68.0%、Functioning interventions (line coding)67.5%、Public Health interventions (line coding) 29.8%で、合計では67.1%であった。
2019年のWHO-FIC年次会議で、日本がICHI-FiTに大勢参加していることが報告された。英語圏でない国でのICHIの普及をみすえて、我が国のICHI-FiTの分析結果が期待されている。しかしながら正解率は平均を若干下回っている。評価者の正解率が低いスタディ・モジュールはPublic Health interventions (line coding)である。この理由はほとんどの評価者は、公衆衛生に関するICHIコードは馴染みが薄く、正解にたどり着けなったと思われた。
Stem Codeだけは正解しているかを確認すると、67.1%と10.4%も上昇した。これはExtension Codes にはQuantifiers からTherapeutic productsまでの10項目と多岐にわたり、9,939件もの膨大なコード数があることと、ICHIコードにExtension Codesが必要かの判断が難しいためと考えられる。
2020年2月4日時点で、140名の評価者の回答率は71.2%であった。ICHI-FiTの正解率は、Medical-surgical interventions (line coding) 5,961例/10,095例(59.0%)、Primary care interventions (line coding) 61.0%、Functioning interventions (line coding) 59.8%、Public Health interventions (line coding) 25.5%で、合計では53.0%であった。Stem Codeだけは正解している率は、Medical-surgical interventions (line coding) 77.0%、Primary care interventions (line coding) 68.0%、Functioning interventions (line coding)67.5%、Public Health interventions (line coding) 29.8%で、合計では67.1%であった。
2019年のWHO-FIC年次会議で、日本がICHI-FiTに大勢参加していることが報告された。英語圏でない国でのICHIの普及をみすえて、我が国のICHI-FiTの分析結果が期待されている。しかしながら正解率は平均を若干下回っている。評価者の正解率が低いスタディ・モジュールはPublic Health interventions (line coding)である。この理由はほとんどの評価者は、公衆衛生に関するICHIコードは馴染みが薄く、正解にたどり着けなったと思われた。
Stem Codeだけは正解しているかを確認すると、67.1%と10.4%も上昇した。これはExtension Codes にはQuantifiers からTherapeutic productsまでの10項目と多岐にわたり、9,939件もの膨大なコード数があることと、ICHIコードにExtension Codesが必要かの判断が難しいためと考えられる。
結論
今回ICHIの動向について明らかにするとともに、ICHI-FiT結果を分析した。評価者の正解率が低いスタディ・モジュールは公衆衛生関連のICHIコードと、Extension Codesを付記しなければならないICHIコードであることが明らかになった。ICHI承認後の国内対応を円滑にするには、これらの改善を図る必要がある。
公開日・更新日
公開日
2021-07-15
更新日
-