診療現場の実態に即した医療ビッグデータ(NDB等)の解析の精度向上及び高速化を可能にするための人材育成プログラムの実践と向上に関する研究

文献情報

文献番号
201901020A
報告書区分
総括
研究課題名
診療現場の実態に即した医療ビッグデータ(NDB等)の解析の精度向上及び高速化を可能にするための人材育成プログラムの実践と向上に関する研究
課題番号
19AA2007
研究年度
令和1(2019)年度
研究代表者(所属機関)
康永 秀生(東京大学 大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学)
研究分担者(所属機関)
  • 中山 健夫(京都大学 大学院医学研究科健康情報学)
  • 田宮 菜奈子(筑波大学 医学医療系ヘルスサービスリサーチ)
  • 笹渕 裕介(自治医科大学 データサイエンスセンター)
  • 松居 宏樹(東京大学 大学院医学系研究科公共健康医学専攻臨床疫学・経済学 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
令和1(2019)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
11,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
近年、NDB・DPCなどの保健医療ビッグデータや介護ビッグデータを用いた大規模データベース研究が拡大している。これらの研究をさらに発展させるためには、臨床医学・疫学・統計学の知識に加えて、データベースに関連する知識や技能に精通した人材の育成が必須である。本研究では、これまでに開発した人材育成プログラムを改良・実践し、それらの評価を行うとともに、プログラムに沿って大規模データベース研究を実践し研究発表を多数行うことを目的とした。
研究方法
研究代表者・康永秀生および研究分担者・松居宏樹らの分担研究「ビッグデータ研究実践能力およびデータハンドリング技術養成プログラムの実践」では、(i) 医療ビッグデータ人材育成プログラムの改良および実践、(ii) NDB・DPCデータベース研究人材育成<短期集中セミナー>の実施と評価、(iii)医療ビッグデータ研究の実践を行った。
研究分担者・中山健夫らの分担研究「NDBデータ研究の実践と人材育成プログラム開発・検証」では、NDBサンプリングデータセットの使用経験を通して、特別抽出と比較したNDBサンプリングデータセットの意義、課題、限界を考察し、NDBデータ研究の実践に必要なリソース、知識、スキルを検討した。
研究分担者・田宮菜奈子らの分担研究「医療・介護データ活用による研究・人材育成―学部生・若手医師を中心に」では、医療・介護保険レセプトデータ活用を推し進めた。
研究分担者・笹渕裕介らの分担研究「大規模データマネジメント手法開発と人材育成に関する研究」では、医療ビッグデータを利用した研究を行うにあたり必要なデータハンドリング技術、統計解析や機械学習の習得を目指す教育プログラムの開発を行った。
結果と考察
研究代表者・康永秀生および研究分担者・松居宏樹らの分担研究では、改良された 医療ビッグデータ人材育成プログラムを用いて、NDB・DPCデータベース研究人材育成<短期集中セミナー>を実施し、参加者の高い理解度と満足度を得られた。またこれらのプログラムに沿って研究を進め、多数の論文を発表した。
研究分担者・中山健夫らの分担研究では、今後データ利用経験の共有等により、セキュリティ環境や大規模データベースの構築環境が困難な研究者にも、活用を推進することが重要と考えられた。
研究分担者・田宮菜奈子らの分担研究では、特に医学生や若手医師を対象にした人材育成に力を入れ、論文・学会発表等を多数行った。
研究分担者・笹渕裕介らの分担研究では、SQL言語、R、SPSS等の教育プログラムの改良とe-learning用教育プログラムの開発を行った。
結論
今回我々が実践した研究は、NDBばかりでなくあらゆる保健・医療・介護ビッグデータに対応できる人材育成に関連するものである。開発されたプログラムやそれに基づく研究を継続的に実践することにより、ビッグデータのデータハンドリング、データベースマネージメントに関する総合的な技術を持つ研究者を多数輩出できる。また、日常臨床のクリニカル・クエスチョンを既存のビッグデータを用いて解明する研究実践能力を持つ研究者を多数輩出できる。さらに、データハンドリング技術と臨床研究実践能力の両方に長けた人材を多数育成でき、それによりわが国の医療ビッグデータ研究の進歩を加速できる。

公開日・更新日

公開日
2020-10-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2020-10-19
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201901020Z