糖尿病予防のための運動教育の介入による運動継続効果に関する研究

文献情報

文献番号
199800717A
報告書区分
総括
研究課題名
糖尿病予防のための運動教育の介入による運動継続効果に関する研究
課題番号
-
研究年度
平成10(1998)年度
研究代表者(所属機関)
新実 光朗(国立名古屋病院)
研究分担者(所属機関)
  • 津下一代(愛知県総合保健センター)
  • 横地正裕(国立名古屋病院)
研究区分
厚生科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康科学総合研究事業
研究開始年度
平成10(1998)年度
研究終了予定年度
平成12(2000)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
糖尿病発症予防とその合併症の進展予防を目指して、糖尿病運動療法の運動実践の評価方法を確立し、運動教育と運動を継続維持のすることにより、生活習慣の改善や糖尿病に与える影響および運動療法の実際・指導のあり方を追求することを目的とする。
研究方法
長期間にわたって簡単に運動量・運動強度・運動持続時間の記録モニターができる多メモリー加速度計測装置付歩数計(生活習慣測定計)を使用し、連続して2年間の運動記録を撮り、記録に基づいた運動療法の可否について、逐次(1~2ヶ月毎に)に個人指導をしながら、継続して運動教育による介入を行うことにより、生活習慣に対する行動の変容に与える影響や長期間での耐糖能、脂質、血圧、体型の変化について経時的な観察を対照群(一日歩行数のみを記録する機器を使用するが、運動の実践は自主性に任せる群)と比較しながら、縦断的に観察する。
結果と考察
歩数計による運動習慣把握の定量性について検討した結果、運動療法として日常的に行われる平地歩行に限れば、かなり精度良く、運動の量ばかりでなく、運動の質についても簡便に記録できることが確証された。健診センターの外来において1~6ヶ月に渡って、歩数計の記録に基づいて運動の良否を指導することにより、対照群に比して運動習慣の形成、糖代謝に与える効果に好影響がもたらされた。さらに長期の継続を行っている。また、糖尿病教育入院患者の運動教育で、この歩数計を用いて入院前後の短期的な運動習慣を検討すると、運動教育が運動内容の向上および糖・脂質代謝の改善に対して有効であったことが判明した。
結論
長期的な運動療法の継続が可能な介入方法を含めて、生活習慣病の予防および進展防止のためには、中高年者の運動の量および質の両面をどの程度に するのが、適当であるのかを明らかにし、生活習慣病に対費用効果がもっとも 良い運動療法の価値をさらに高め、臨床応用を可能なものとしたい。

公開日・更新日

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