文献情報
文献番号
201821052A
報告書区分
総括
研究課題名
ニーズに基づいた専門医の養成に係る研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H30-医療-指定-014
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
小池 創一(自治医科大学 地域医療学センター 地域医療政策部門)
研究分担者(所属機関)
- 今中 雄一(京都大学大学院 医学系研究科)
- 小林 廉毅(東京大学大学院 医学系研究科 公衆衛生学)
- 松田 晋哉(産業医科大学 公衆衛生学教室)
- 松本 正俊(広島大学大学院 医系科学研究科)
- 康永 秀生(東京大学大学院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成30年度から新たな専門医の養成の仕組みが開始されたが、将来の専門医のニーズについてはこれまで必ずしも明らかになっていない。また諸外国における専門医養成施策についての情報収集等をはじめとして専門医養成施策について検討する上でのいくつかの課題も残されている。
本研究は、将来の診療科ごとの医師の需要の明確化にあたって必要となる診療科と疾病の対応表を作成するためのデータ整理、諸外国を含めた専門医養成施策に関する研究、医師調査データを用いた医師の産休・育休取得と就業形態に関する分析、アクセスの観点からみた専門医の必要数推計に関する研究を行うことを目的とした。
本研究は、将来の診療科ごとの医師の需要の明確化にあたって必要となる診療科と疾病の対応表を作成するためのデータ整理、諸外国を含めた専門医養成施策に関する研究、医師調査データを用いた医師の産休・育休取得と就業形態に関する分析、アクセスの観点からみた専門医の必要数推計に関する研究を行うことを目的とした。
研究方法
(1)ニーズに基づいた専門医の養成に係る研究
2016年度のDPC退院患者データから、ICDコード別、性・年齢階級別・診療科別の退院患者数の集計結果の提供を受け、ICDコードを患者調査で用いられる傷病分類に再集計を行うとともに、診療科区分を、専門医の基本領域に集約し、疾患-診療科の対応表を作成した。
(2)諸外国を含めた専門医養成施策に関する研究
イギリス及び韓国における専門医養成プログラムの状況や偏在対策について、文献調査および実地調査を行った。また、わが国の医師の地域分布の状況についても分析を行った。
(3) 医師調査データを用いた医師の産休・育休取得と就業形態に関する分析
医師・歯科医師・薬剤師調査の個票データを用いて、医師の産休・育休取得と就業形態を集計した。性別、年齢、勤務先を背景因子とし、休業の取得は産休、または育休を取得している場合と定義し、介護休業は除外した。就労形態は常勤と非常勤に分けて分析を行った。
(4)アクセスの観点からみた専門医の必要数推計に関する研究
居住地から各診療科までのアクセスの状況について、市町村ごとに地理情報システム(GIS)を用いて道路距離で計測した。カバー率と医療機関の立地状況については、3次メッシュの中心点から各診療科のある最寄り医療機関までの距離を算出した。
2016年度のDPC退院患者データから、ICDコード別、性・年齢階級別・診療科別の退院患者数の集計結果の提供を受け、ICDコードを患者調査で用いられる傷病分類に再集計を行うとともに、診療科区分を、専門医の基本領域に集約し、疾患-診療科の対応表を作成した。
(2)諸外国を含めた専門医養成施策に関する研究
イギリス及び韓国における専門医養成プログラムの状況や偏在対策について、文献調査および実地調査を行った。また、わが国の医師の地域分布の状況についても分析を行った。
(3) 医師調査データを用いた医師の産休・育休取得と就業形態に関する分析
医師・歯科医師・薬剤師調査の個票データを用いて、医師の産休・育休取得と就業形態を集計した。性別、年齢、勤務先を背景因子とし、休業の取得は産休、または育休を取得している場合と定義し、介護休業は除外した。就労形態は常勤と非常勤に分けて分析を行った。
(4)アクセスの観点からみた専門医の必要数推計に関する研究
居住地から各診療科までのアクセスの状況について、市町村ごとに地理情報システム(GIS)を用いて道路距離で計測した。カバー率と医療機関の立地状況については、3次メッシュの中心点から各診療科のある最寄り医療機関までの距離を算出した。
結果と考察
(1)ニーズに基づいた専門医の養成に係る研究
将来の診療科ごとの医師の需要の明確化にあたって必要となる診療科と疾病の対応が作成され、DPC病院における疾患別担当診療科構成割合、診療科別担当疾患構成割合を明らかにすることが出来た。
(2)諸外国を含めた専門医養成施策に関する研究
イギリスにおいては、地域における人口動態や疾病構造の変化、既存の医師供給状況などを勘案し、将来の地域毎・診療科毎の必要となる専門医の人数を推計、さらに研修医師受入側の医療機関における研修受入キャパシティなどを勘案し、専門研修医師受入数(枠)が設定される。韓国では専門研修医師の定員は韓国病院協会が国(保健福祉部)と協議して決めるが、病院毎の定員は当該病院の指導医数、患者数などで決まることが明らかとなった。
(3)医師調査データを用いた医師の産休・育休取得と就業形態に関する分析
男性が育休を取得することは稀であり、男性医師は一般企業に従事する男性よりもさらに育児休業を取得する割合が低いことが推察された。就業形態については、非常勤は、女性の割合が高く、平均年齢が低かった。産休・育休を取得している妊娠可能な年齢の女性では、就業形態は非常勤の方が有意に低かった。
(4)アクセスの観点からみた専門医の必要数推計に関する研究
最寄りの医療機関から30分圏内にそれぞれの診療科の対象人口が存在する割合(カバー率)は、全国では、内科で97.50%、小児科で97.22%、産科で95.51%であった。各診療科とも1.5 km以内で最寄りの医療機関に到達できる人口が最も多かった。
将来の診療科ごとの医師の需要の明確化にあたって必要となる診療科と疾病の対応が作成され、DPC病院における疾患別担当診療科構成割合、診療科別担当疾患構成割合を明らかにすることが出来た。
(2)諸外国を含めた専門医養成施策に関する研究
イギリスにおいては、地域における人口動態や疾病構造の変化、既存の医師供給状況などを勘案し、将来の地域毎・診療科毎の必要となる専門医の人数を推計、さらに研修医師受入側の医療機関における研修受入キャパシティなどを勘案し、専門研修医師受入数(枠)が設定される。韓国では専門研修医師の定員は韓国病院協会が国(保健福祉部)と協議して決めるが、病院毎の定員は当該病院の指導医数、患者数などで決まることが明らかとなった。
(3)医師調査データを用いた医師の産休・育休取得と就業形態に関する分析
男性が育休を取得することは稀であり、男性医師は一般企業に従事する男性よりもさらに育児休業を取得する割合が低いことが推察された。就業形態については、非常勤は、女性の割合が高く、平均年齢が低かった。産休・育休を取得している妊娠可能な年齢の女性では、就業形態は非常勤の方が有意に低かった。
(4)アクセスの観点からみた専門医の必要数推計に関する研究
最寄りの医療機関から30分圏内にそれぞれの診療科の対象人口が存在する割合(カバー率)は、全国では、内科で97.50%、小児科で97.22%、産科で95.51%であった。各診療科とも1.5 km以内で最寄りの医療機関に到達できる人口が最も多かった。
結論
本研究により、専門医養成施策について検討する上での課題となっていた将来の診療科ごとの医師の需要の明確化にあたって必要となる診療科と疾病の対応表を作成するためのデータ整理、諸外国を含めた専門医養成施策に関する研究、医師調査データを用いた医師の産休・育休取得と就業形態に関する分析、アクセスの観点からみた専門医の必要数推計について新たな知見を得ることができた。
公開日・更新日
公開日
2019-05-23
更新日
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