肺炎球菌ワクチンの費用対効果等についての社会の立場からの評価研究

文献情報

文献番号
201818010A
報告書区分
総括
研究課題名
肺炎球菌ワクチンの費用対効果等についての社会の立場からの評価研究
課題番号
H29-新興行政-一般-003
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
池田 俊也(国際医療福祉大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 五十嵐 中(東京大学大学院 薬学系研究科)
  • 白岩 健(国立保健医療科学院 保健医療経済評価研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
2,462,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肺炎球菌ワクチンおよび帯状疱疹ワクチンについて、現時点で得られているエビデンスを活用した費用対効果の評価を実施することを目的とした。
研究方法
公的医療費支払者の立場から、保健医療費(ワクチン接種関連費用と、感染症治療に関わる保険医療費)のみを分析に組み込んだ。効果指標にはQALYを用い、1QALY獲得あたりの増分費用効果比ICERを算出した。
結果と考察
肺炎球菌ワクチンでは、期待費用・期待QALYともに、連続接種>PCV13単独接種>PPSV23単独接種>ワクチン接種なしの順序となった。接種なしを比較対照としたICERは、PCV13単独接種が328万円/QALY、PPSV23単独接種が438万円/QALY、連続接種が553万円/QALYとなり、単独接種の戦略は一般的な費用対効果の基準値 (5-600万円/QALY)を下回り、連続接種は基準値付近の値となった。分析結果に影響を与える要因は、1) NBPに対するPPSV23のワクチン効果の設定、2) 両ワクチンの効果減弱度合いの設定、3) 両ワクチンの血清型カバー率、の3点であると考えられた。現行の日本の戦略 (PPSV23の単独接種)と比較した場合のICERは、PCV13単独は179万円/QALYと基準値を下回ったが、連続接種は3,370万円/QALYと、大きく基準値を上回った。
帯状疱疹ワクチンでは、ワクチン非接種に対するZVLおよびHZ/suのICERは50歳の集団で3,600,401円/QALY、12,064,148円/QALY、60歳の集団で3,151,391円/QALY、8,952,550円/QALY、70歳の集団で1,496,004円/QALY、4,499,838円/QALYと評価された。ワクチン接種費用およびワクチン効果の持続性が分析結果に与える影響が大きいことが明らかとなった

結論
肺炎球菌ワクチンについては、現行の日本の戦略 (PPSV23の単独接種)と比較した場合、PCV13単独は費用対効果が良好であるが、連続接種は費用対効果が悪いと思われた。帯状疱疹ワクチンでは、ZVLの費用対効果が良好であった。

公開日・更新日

公開日
2023-02-14
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2023-02-14
更新日
2023-08-07

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201818010Z