障がい者の自立支援機器の活用及び普及促進に求められる人材育成のための機器選択・活用等に関する調査研究

文献情報

文献番号
201817019A
報告書区分
総括
研究課題名
障がい者の自立支援機器の活用及び普及促進に求められる人材育成のための機器選択・活用等に関する調査研究
課題番号
H30-身体・知的-一般-010
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
上野 友之(筑波大学 医学医療系)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
5,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
機械工学やロボット工学などの発展、脳科学の進歩などにより、障害者に対する自立支援機器が、続々と開発されている。福祉支援機器の選定、決定にあたっては、ニーズを「みつける」、情報と「つなぐ」、機器選定し「結果を出す」、そして、成功事例を「ひろめる」の4つの役割の協働により、ひろくきめ細かな支援機器普及につながると考えられる。現状の福祉支援機器についての「みつける」「つなぐ」「結果を出す」「ひろめる」の4つの役割を担う人材、および、必要なスキルが何か、十分な体制となっているかを実態調査により明らかにし、より効率的な福祉支援機器の開発、普及体制につなげることを目的とする。

研究方法
現状での障害者の福祉支援機器の交付状況、利用実態を調査し、この4者の役割がどのように分担されているのか、補うべき役割にはどのようなものがあるかを明らかにする。障害者自立支援機器等開発促進事業にある13項目の機器分類に基づき、利用者、および、リハビリ関連医療専門職、さらにリハビリ医療専門職養成校学生に対し、ヒアリング、アンケート調査、さらに先進的な自立支援機器の実装試験により、補うべき役割を担う人材育成の在り方について検討する。
1)利用者である障がい者に対するアンケート調査の実施
各障害者当事者団体(日本身体障害者団体連合会、全日本脊髄損傷者連合会、日本肢体不自由児協会、日本盲人会連合、全日本ろうあ連盟など)を通じ、障害者に対して、以下のアンケートを行う。
主要質問項目:現在使用している自立支援機器の種類、給付制度、機器の導入を決めたきっかけは何か、機器選定に関わった人はだれか、最終的な機器判断はだれがおこなったか、機器の利用について適切な指導を受けることができたか、機器のアフターサービスは適切に行われているか、利用者の現状の満足度、現状での使用頻度、導入時の想定通りであったか。
・予定配布数:8,000人 ・想定回収数:2,000人
2)機器選定者である医療専門職に対するアンケート調査の実施
リハビリテーション関連病院、老人保健施設、特別支援学校、療育センターを通じ、医療専門職に対して、以下のアンケートを行う。
主要質問項目:最近1年間で導入した自立支援機器の種類、給付制度、機器の導入を決めたきっかけは何か、機器選定に関わった人はだれか、最終的な機器判断はだれがおこなったか、機器の利用について適切な指導を行うことができたか、生活場面での機器の利用状況の確認は行っているか、機器活用の効果は導入時の想定通りであったか。
・予定配布数:5,000施設 ・想定回収数:1,000施設
3)医療専門職養成校学生に対するアンケート調査の実施
 リハビリテーション関連専門職養成校の最終学年該当者に対し、以下のアンケートを行う。
主要質問項目:自立支援機器の種類と知識、給付制度の仕組み、支援機器を選択する場面においてどのような情報が必要と考えるか
 ・予定配布数:8,000人  ・想定回収数:2,000人
   研究対象者の自発的同意ならびに協力のもと、研究を実施する。研究対象者データの解析時には個人情報を消去し、匿名化することで、個人情報の秘匿に細心の注意を払う。対象患者本人に対し、本研究の内容を所定の説明書にて説明し、その自由意志により同意文書に署名を受け、承諾を得ることとする
結果と考察
2018年12月より開始した事業であり、現在上記1)~3)のアンケート素案を完成した。2019年度において、回答を回収し、集積、解析を実施していく予定である。回収結果より、利用者と機器選定者との間における乖離、および、実際のニーズと機器の利用状況の乖離が明らかになり、両者がより密な関係性を築くために必要となるシステム、および、両者をつなぐべき人材の育成のために必要な教育体制構築にむけた重要な基礎資料となると期待される。
結論
現在、アンケート調査実施中であり、回答の回収結果が待たれるところである。利用者と機器選定者との間における乖離、および、実際のニーズと機器の利用状況の乖離が明らかになり、両者がより密な関係性を築くために必要となるシステム、および、両者をつなぐべき人材の育成のために必要な教育体制構築にむけた重要な基礎資料となると期待される。

公開日・更新日

公開日
2020-03-26
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201817019Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
6,760,000円
(2)補助金確定額
6,760,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,865,000円
人件費・謝金 0円
旅費 38,000円
その他 0円
間接経費 1,560,000円
合計 5,463,000円

備考

備考
交付確定から今年度終了まで3カ月間と期間が短く、業務委託先が選定できなかったため。

公開日・更新日

公開日
2024-03-28
更新日
-