文献情報
文献番号
201817013A
報告書区分
総括
研究課題名
総合支援法の見直しに向けたサービスの実態の把握及びその効果の検証のための研究
課題番号
H30-身体・知的-一般-004
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
櫻井 久雄(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園)
研究分担者(所属機関)
- 口分田 政夫(びわこ学園医療福祉センター草津)
- 大塚 晃(上智大学 総合人間科学部)
- 谷口 泰司(関西福祉大学 社会福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
6,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
平成30年度から新たに新設されたサービスのうち①日中サービス支援型共同生活援助②自立生活援助、サービスの対象が拡大となった③重度訪問介護、基本報酬及び加算等の見直しが行われた④重度障害者等包括支援について、現状の実態を明らかにし、令和元年度(2年目)に行うサービス等実施後の効果検証の基礎資料とすることを目的とした。
研究方法
①全国のグループホームを運営する事業所を対象に、日中サービス支援型共同生活援助対象と想定される利用者の実態像を把握するアンケート調査を実施。
②全国の自治体(都道府県、政令指定都市、中核市)を対象に、自立生活援助の指定状況等をアンケート調査し、さらに、自立生活援助事業所を対象に、現在のサービスの実施状況や課題等についてアンケート調査を実施。
③障害者団体を対象に、サービスの実施状況等についてヒアリング調査を行い、さらに、情報提供があった居宅介護支援事業所等を対象に、サービスの実施状況、利用者のニーズ等についてヒアリング調査を実施。
④全国の重度障害者等包括支援事業指定機関に事業実施状況と利用者有無の確認のための電話調査を行い、利用者のいる指定事業所に対象者の状況及び制度の活用状況等についてヒアリング調査を実施。
②全国の自治体(都道府県、政令指定都市、中核市)を対象に、自立生活援助の指定状況等をアンケート調査し、さらに、自立生活援助事業所を対象に、現在のサービスの実施状況や課題等についてアンケート調査を実施。
③障害者団体を対象に、サービスの実施状況等についてヒアリング調査を行い、さらに、情報提供があった居宅介護支援事業所等を対象に、サービスの実施状況、利用者のニーズ等についてヒアリング調査を実施。
④全国の重度障害者等包括支援事業指定機関に事業実施状況と利用者有無の確認のための電話調査を行い、利用者のいる指定事業所に対象者の状況及び制度の活用状況等についてヒアリング調査を実施。
結果と考察
①今回の調査結果を見ると、現時点でのグループホーム全体の利用者のうち、日中サービス支援型共同生活援助の対象者は、22.7%という状況であったが、グループホームの職員体制を資格の視点からみると日中サービス支援型共同生活援助を支えられる職員が少ないことがうかがえた。
②指定事業所が1事業所以上あった自治体が半数以下で、指定事業所は約150事業所であった。利用者は精神障害、知的障害の人が大半で、利用者の年代は精神障害の方が知的障害よりも高く、支援の状況では、定期訪問、随時通報を受けた訪問、同行支援加算に係る支援、いずれも知的障害の方が多いことがうかがえた。
③入院時の利用に際して共通する背景として、「サービスについての周知の不足」や「医療機関側の対応の格差」があり、これらによって利用の可否が左右された事例があることが推察された。一方で、サービスを活用することによって入院が円滑に進んだ事例もあり、入院時において重度訪問介護の利用が有効であることがうかがえた。
④改善が求められる課題として、制度面、報酬面が多く出されたが、一方、この制度の使いやすい点として、重度の利用者のその時々の状態像に併せてサービスを柔軟に使えることなど、その強みも多く把握できた。
②指定事業所が1事業所以上あった自治体が半数以下で、指定事業所は約150事業所であった。利用者は精神障害、知的障害の人が大半で、利用者の年代は精神障害の方が知的障害よりも高く、支援の状況では、定期訪問、随時通報を受けた訪問、同行支援加算に係る支援、いずれも知的障害の方が多いことがうかがえた。
③入院時の利用に際して共通する背景として、「サービスについての周知の不足」や「医療機関側の対応の格差」があり、これらによって利用の可否が左右された事例があることが推察された。一方で、サービスを活用することによって入院が円滑に進んだ事例もあり、入院時において重度訪問介護の利用が有効であることがうかがえた。
④改善が求められる課題として、制度面、報酬面が多く出されたが、一方、この制度の使いやすい点として、重度の利用者のその時々の状態像に併せてサービスを柔軟に使えることなど、その強みも多く把握できた。
結論
①日中サービス支援型のグループホームは、現状のグループホーム利用者の想定だけでなく、今までにグループホームを退所していた身体的・医療的な支援の必要度が高い利用者及び、障害者支援施設に入所していて地域移行出来ない高齢・知的障害者の地域の住まいとしての位置づけと考えられ、その役割は大きいと推察された。
②精神障害の利用者に比べて知的障害の利用者に対しての支援の頻度が高く、不定期の支援の頻度や時間帯の幅も大きいことがうかがえた。精神障害の利用者は、精神科病院から地域で単身生活に移行する際に利用するケースが多いことが推察され、年代も約8割が40代以上と知的障害と比べると高齢であった。
③サービスを活用することによって入院が円滑に進んだ事例もある一方で、入院時の利用に際して様々な課題があることが把握できた。重度訪問介護のサービスについての周知、理解の促進の課題を解消することで、多くの障害がある人たちの入院時の支援が円滑となり、手厚いケアが為される可能性があると考えられた。
④改善が求められる課題として、制度面、報酬面が多く出されたが、一方、この制度の使いやすい点として、重度の利用者のその時々の状態像に併せてサービスを柔軟に使えることなど、その強みも多く把握でき、今後、重度包括支援の現状で可能な課題の解消を進めていくことが求められると考えられる。
②精神障害の利用者に比べて知的障害の利用者に対しての支援の頻度が高く、不定期の支援の頻度や時間帯の幅も大きいことがうかがえた。精神障害の利用者は、精神科病院から地域で単身生活に移行する際に利用するケースが多いことが推察され、年代も約8割が40代以上と知的障害と比べると高齢であった。
③サービスを活用することによって入院が円滑に進んだ事例もある一方で、入院時の利用に際して様々な課題があることが把握できた。重度訪問介護のサービスについての周知、理解の促進の課題を解消することで、多くの障害がある人たちの入院時の支援が円滑となり、手厚いケアが為される可能性があると考えられた。
④改善が求められる課題として、制度面、報酬面が多く出されたが、一方、この制度の使いやすい点として、重度の利用者のその時々の状態像に併せてサービスを柔軟に使えることなど、その強みも多く把握でき、今後、重度包括支援の現状で可能な課題の解消を進めていくことが求められると考えられる。
公開日・更新日
公開日
2019-08-14
更新日
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