びまん性肺疾患に関する調査研究

文献情報

文献番号
201811033A
報告書区分
総括
研究課題名
びまん性肺疾患に関する調査研究
課題番号
H29-難治等(難)-一般-023
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
稲瀬 直彦(東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科)
研究分担者(所属機関)
  • 高橋 弘毅(札幌医科大学 医学部)
  • 今野 哲(北海道大学 医学研究科)
  • 海老名 雅仁(東北医科薬科大学 医学部)
  • 坂東 政司(自治医科大学 医学研究科)
  • 酒井 文和(埼玉医科大学 国際医療センター)
  • 蛇澤 晶(国立病院機構東京病院 臨床検査センター)
  • 慶長 直人((公財)結核予防会結核研究所)
  • 針谷 正祥(東京女子医科大学 医学部)
  • 本間 栄(東邦大学 医学部)
  • 吾妻 安良太(日本医科大学 医学部)
  • 岸 一馬(虎の門病院 呼吸器センター)
  • 須田 隆文(浜松医科大学 医学研究科)
  • 長谷川 好規(名古屋大学 医学研究科)
  • 近藤 康博(公立陶生病院 呼吸器・アレルギー内科)
  • 伊達 洋至(京都大学 医学研究科)
  • 井上 義一(国立病院機構近畿中央胸部疾患センター 臨床研究センター)
  • 服部 登(広島大学 医歯薬保健学研究科)
  • 西岡 安彦(徳島大学 医歯薬学研究部)
  • 渡辺 憲太朗(福岡大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患等政策研究(難治性疾患政策研究)
研究開始年度
平成29(2017)年度
研究終了予定年度
令和1(2019)年度
研究費
15,322,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究では、指定難病であるサルコイドーシス、特発性間質性肺炎、閉塞性細気管支炎、肺胞蛋白症(自己免疫性および先天性)および周辺疾患を対象として、診断基準、重症度分類、診療ガイドラインの策定・改訂、レジストリを活用した多分野による診療体制の構築、関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動の推進をを目的とした。サルコイドーシスについては診断基準・重症度分類の改訂が終了したが、診療ガイドラインの刊行を目標とした。特発性間質性肺炎については診断基準、重症度分類の学会承認を目標とした。また、特発性間質性肺炎の主要疾患である特発性肺線維症(IPF)については治療ガイドラインが刊行されたが、国際的な普及を目的に同ガイドラインの英文化を進めた。日本呼吸器学会および日本呼吸器外科学会と共同でガイドラインの普及を目指した。特発性間質性肺炎については北海道における疫学調査がなされているが、全国規模の調査がなされておらず、難病患者の実態把握のために臨床調査個人票を用いた疫学研究を計画した。医療水準の向上のためには診断の標準化が必要と考えられ、多分野診断チームによりレジストリ症例のMDD診断を予定した。また、昨年度に設立された患者会と共同で患者と家族を対象とした勉強会を計画し、疾患の普及・啓発を目標とした。閉塞性細気管支炎については診断基準、重症度分類の学会承認を目標とした。肺胞蛋白症(自己免疫性及び先天性)については国際ガイドラインの策定にむけて作業を進めることとした。また、患者会と共同で患者と家族を対象とした勉強会を計画し、疾患の普及・啓発を目標とした。
研究方法
研究代表者に加えて、19名の研究分担者と51名の研究協力者により研究を推進した。研究組織としてサルコイドーシス分科会、特発性間質性肺炎分科会、難治性気道疾患分科会、稀少びまん性肺疾患分科会の4つの分科会を設置した。さらに、サルコイドーシス分科会には2部会(疫学調査・診療ガイド部会、心サルコイドーシス部会)、特発性間質性肺炎分科会には13部会(IIPs診断と治療の手引き・IPF治療ガイドライン部会、IPF合併肺癌ガイドライン部会、ANCA陽性間質性肺炎部会、疫学調査・重症度分類部会、レジストリ部会、画像・診断基準部会、病理部会、クライオバイオプシー部会、PPFE部会、バイオマーカー部会、多施設治療研究支援部会、疾病の普及・啓発・患者会支援部会)、稀少びまん性肺疾患分科会には3部会(HPS・若年進行性肺線維症部会、肺胞蛋白症部会、肺胞微石症・特発性肺骨化症部会)を設置した。
結果と考察
サルコイドーシスについては、診療ガイドライン(サルコイドーシス診療の手引き2018)を改訂し、日本サルコイドーシシス/肉芽腫性疾患学会のホームページに公開した1)。特発性間質性肺炎については診断基準・重症度分類について日本呼吸器学会の承認を得た。付記として、呼吸機能の予測式、重症度Ⅰ・Ⅱの設定、診断カテゴリーの記載について修正の検討依頼があった。特発性肺線維症の治療ガイドライン2017を英文化し、Rsepiratory Investigasion誌に公表した2)。日本医療研究開発機構(難治性疾患実用化研究事業) 特発性間質性肺炎の診断精度向上とエビデンス創出のためのクラウド型統合データベースとインタラクティブ診断システムの開発に関する研究班と共同で、多分野診断チームによるレジストリ症例465例のMDD診断を実施した。間質性肺炎/肺線維症患者会を支援し、平成30年10月に第7回間質性肺炎肺線維症勉強会を開催し, 日本呼吸器学会と連携して間質性肺炎・肺線維症に関する啓発チラシを作成した閉塞性細気管支炎については、診断基準・重症度分類について日本呼吸器学会の承認を得た。肺胞蛋白症については、日本医療研究開発機構(難治性疾患実用化研究事業)肺胞蛋白症診療に直結するエビデンス創出研究:重症難治例の診断治療管理研究班と共同して国際ガイドライン作成の準備を進め、米国NHLBI Rare Lung Disease Consortium 2018およびドイツInternational Symposium ILDにおいて海外の研究者とガイドラインに関する討議を行った。また、肺胞蛋白症患者会を支援し、平成30年11月に第10回肺胞蛋白症勉強会を開催した。臨床調査個人票を使用した全国疫学調査により難病患者の実態把握が必要と考えられるが、次年度の課題としたい。
結論
指定難病であるサルコイドーシス、特発性間質性肺炎、閉塞性細気管支炎、肺胞蛋白症(自己免疫性および先天性)および類縁疾病を対象として、診断基準・重症度・診療ガイドラインの策定・改訂、レジストリを活用した多分野診療提供体制の構築、関連学会や患者会と連携した普及・啓発活動などを推進した。

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

総括研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
分担研究報告書
研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2019-09-02
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201811033Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
19,918,000円
(2)補助金確定額
19,915,000円
差引額 [(1)-(2)]
3,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 4,426,018円
人件費・謝金 1,705,195円
旅費 3,266,144円
その他 5,921,839円
間接経費 4,596,000円
合計 19,915,196円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2020-03-11
更新日
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