乳幼児の身体発育及び健康度に関する調査実施手法及び評価に関する研究

文献情報

文献番号
201807020A
報告書区分
総括
研究課題名
乳幼児の身体発育及び健康度に関する調査実施手法及び評価に関する研究
課題番号
H30-健やか-指定-008
研究年度
平成30(2018)年度
研究代表者(所属機関)
横山 徹爾(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 加藤 則子(十文字学園女子大学)
  • 松浦 賢長(福岡県立大学 看護学部)
  • 盛一 享徳(国立成育医療研究センター 小児慢性特定疾病情報室)
  • 森崎 菜穂(国立成育医療研究センター 社会医学研究部)
  • 大久保 公美(国立保健医療科学院 生涯健康研究部)
  • 吉田 穂波(神奈川県立保健福祉大学 保健福祉学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 成育疾患克服等次世代育成基盤研究
研究開始年度
平成30(2018)年度
研究終了予定年度
令和2(2020)年度
研究費
7,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2020年に予定されている乳幼児身体発育調査に向けて、調査実施のための課題や手法を検討し、我が国の乳幼児の身体発育や健康度を把握するための基礎資料を作成することを目的とする。また、我が国における乳幼児の身体発育や健康度ついて、国際的に示していくためのデータ作成も行う。
研究方法
以下の4つのテーマに取り組む。
(1)諸外国の身体発育に関する調査(身体発育曲線の作成含む)及び評価手法のレビュー調査
(2)過去の調査手法を踏まえた我が国の乳幼児の身体発育及び健康度を把握するための調査手法の検討
(3)乳幼児身体発育調査と同時に実施される幼児健康度調査の実施手法の構築
(4)成長曲線を活用した保健指導・栄養指導に関する手法の検討(次年度以降)
結果と考察
(1)①調査手法のレビュー:刊行されている成長曲線はgrowth referenceであり、多くの国で横断研究デザインを用いていた。統計学的手法としては、LMS法、GAMLSS方法の採用が見られた。
②評価手法のレビュー:身体発育評価の際にWHO-CGS、CDC2000、UK1990が世界的に広く活用されていた。
(2)①次回調査の対象人数と誤差の検討:前回調査の回収率を維持できたとしても、集計人数は約15%減少することが予想された。
②発育曲線作成ソフトの検討:次回調査での成長曲線作成には、LMS法をベースとするのが妥当であると考えられるが、実際の演算としては、2010年調査における調査で用いられたSASプログラム、LMSchartmaker®、GAMLSSパッケージ活用の3つの方法の選択肢がある。
③出生体重減少に関する要因解析:出生順位、母親妊娠前体重、母親妊娠後体重、母親妊娠前BMI、妊娠週数、出生時身長は、児の出生体重と有意な関連を認めた。
④早産低出生体重児の成長・発達評価に関する調査:極低出生体重児や超低出生体重児においても成長曲線は、フォローアップの際に広く利用されていた。
(3)幼児をめぐる様々な課題について、健やか親子21(第2次)の指標、乳幼児健康診査の問診項目、幼児健康度調査の継続的質問項目、その他の幼児をめぐる今日的課題から抽出・整理できた。これらを踏まえて、幼児健康度調査の質問項目を整理する必要がある。
[今後の課題]
(1)(2)の研究結果を踏まえて、2020年乳幼児身体発育調査の調査方法をさらに整理する。特に、回収率維持のための自治体との協力体制等についての検討が重要である。統計学的手法はLMS法をベースとしつつ、最適な計算ソフトおよび設定法を整理する。(3)の幼児健康度調査については、調査項目をさらに具体化させる。(4)次年度から、成長曲線を活用した保健指導・栄養指導に関する手法を整理して、最終的にマニュアルとしてまとめる。
結論
(1)諸外国の身体発育に関する調査(身体発育曲線の作成含む)及び評価手法のレビュー調査として、①調査手法のレビュー、②評価手法のレビューを行い、(2)過去の調査手法を踏まえた我が国の乳幼児の身体発育及び健康度を把握するための調査手法の検討として、①次回調査の対象人数と誤差の検討、②発育曲線作成ソフトの検討、③出生体重減少に関する要因解析、④早産低出生体重児の成長・発達評価に関する調査を行い、(3)幼児健康度調査の実施手法の構築のための質問項目の整理を進めた。

公開日・更新日

公開日
2019-08-28
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2022-10-28
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

収支報告書

文献番号
201807020Z